泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

渡邊守章さんの思い出

2021-04-30 21:52:46 | 丹下一の泡盛日記
金曜日朝、寝床で目覚めて何気なくネットを見ていたら、渡邊守章さんの追悼記事が。
4月11日に亡くなられたそうで。
さすがに思いが巡る。
19歳の時、劇団が運営していた劇場でご一緒することになった。
初めて「音響」を担当してギャラもいただいた「お仕事」で。
なぜか、とても可愛がっていただいた。
当時、劇場には早稲田大学の郡司正勝先生や鳥越文蔵先生はじめ、
外語大の山口昌男さんのようなキラ星のような「知」が集まっていた。
守章さん(あえてこう書く)は現場をご一緒したおかげで
その「知」の深みに触れることができた最初の「先生」だった。
ある時の早稲田大学での講演は蓮見重彦さんと一緒で、
遅れて駆けつけた後、お二人と高田馬場まで歩きながらお話を伺えたのも大事な体験で。
その後、訳・演出されたジュネの「バルコン」(企画制作は薄井幸雄さんの「会」)に最年少の役者で参加させていただいたのだけど、
ジュネの作品だけに、自分は女形で。
長い充実した稽古の後に、その公演は残念ながら頓挫。
(その時はジュネの意向で世界的に彼の作品の上演は許されなかった)
「発表会」をやって終了。
その後、新しいチームを作るから女形で参加してほしいと頼まれたのだけど、
女形には、興味がなく、その後なんだか距離ができてしまっていた。
1995年、パリのサンジェルマンで「こんなところ歩いていると守章さんに会いそうだ」と話していたら、
本当に目の前に座っていて、お互いに目を見開いて立ち尽くしてしまったのだった。
21世紀を迎えて「バルコン」がめでたく上演の運びとなり、世田谷まで出かけていった。
もちろん受付にいらっしゃった先生は、喜んでくださったのか、
有料のパンフレットをわざわざ座席にまで持ってきてくださって「これ、あげる」と。
今では懐かしい思い出。
郡司先生もそうだけど、守章さんの仕事の領域の広さと深さ。
そして根っこの深さ。
本当に日本を代表する「知」の一人だ。

お宅に伺って見た、あの小さな仕事部屋に満ちている創作のエネルギーは今も身のうちにある。
先生、マラルメの本、ちゃんと買いましたよ。
ああ、もう一度お会いしたかったなあ。

稽古場に向かう途中の駐停車禁止のマーク。
止まりません。走り続けます。
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劇場の仕事にキャンセル料など発生しない

2021-04-30 08:48:33 | 丹下一の泡盛日記
29日(木)、緊急事態宣言のおかげでホールが閉鎖になりお仕事はキャンセルに。
以前、フリーの通訳者を手配する仕事をしていた。
7日前を切ってのキャンセルには料金が発生していた。
こちらもフリーランスなので、確定を打たれた仕事からどんどん入れていくしかなく。
数日続く仕事を打診されても、真ん中に先に入った仕事があればお断りするのが筋だ。
そして、劇場の仕事にキャンセル料などは発生しない。

午前中は溜まっている家事や雑事をだらだらと。
だいぶリセットができた。
夕方、ちょっとだけセリフをあたる。

気圧が下がってきて頭が朦朧とすることこの上ない。
ベトナムの歌姫マイ・コイさんのドキュメンタリーを観る。
「ベトナムのレディーガガ」というフレーズには覚えがある。
強く心を打たれる番組だった。
検索すると5月3日にネットでライブがあるようだ。
立ち会いたいなあ。
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ガールズと動画鑑賞

2021-04-28 21:21:55 | 丹下一の泡盛日記
火曜日は稽古だったのだけど、緊急事態宣言で公共の施設が閉鎖され。
で、ガールズを我が家に招いて動画観賞会。
ロックダウンではないので自由に行き来ができる。
「自己責任」と怒鳴られて「あんたの責任だからね!」って言われた気持ちになったのを思い出す。
当方は責任取りません、ってことなのに、
「自己」という言葉で非常に曖昧にしている。
粛々と映像を見て、話し合いをして晩ご飯。


宴会ではないので、手間を省いてパエリャ=炊き込みご飯、にした。


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新制作座の上杉綾さんの集中力

2021-04-28 21:21:55 | 丹下一の泡盛日記
水曜日は高尾の劇団新制作座の拠点へ。
「夜盗、風を走る」の新演出バージョンの稽古。
この作品、自分が生まれる前の初演。
大評判となり映画化もされている。
戯曲を読むと、封建時代が舞台だけど、終戦直後、高度成長前夜を背景にした「現代劇」で。
これは舞台も客席も相当熱かっただろうと思わせる。
実際、当時の録音を聞くと客席の熱気が伝わってくるようで。
赤ん坊の鳴き声も客席から聞こえてくるのだけど、そんなことに誰も文句を言わないのだった。
そして、何人かいる「主役」の一人が、井村昂さんのいとこに当られる方で。
10代で大抜擢されたということが納得できる、たぎる芝居が声からも伝わってくる。
その作品を「声の劇場」として上演、配信する予定。

日程調整の会議も開かれた。
「泥かぶら」のツアーも決まりつつあり、ボートシアター はもちろんプレイバッカーズの予定もぎっしりで。
例によって手帳が「小学校の時間割」みたいなことになりつつある。
ありがたいことだ。
もちろん「平家物語」のワークショップをはじめTama+ の作品にも邁進する予定で。
いつものように断酒の日々も間もなくだろう。

午前中を終えて食事に向かう下り坂の緑が嬉しい。
続けての午後の稽古。
「泥かぶら」のもう一人の「主役」こずえを演じている上杉綾さんとがっつり向き合う場面がある。
「泥かぶら」でも一場面だけ、ご一緒させていただくところがあって。
すでに体験済みなのだけど、上杉さんの集中力というのは本当に素敵で。
「夜盗、」でも、もう精一杯でついていきます、って状態。
歩みの遅いカメでごめんなさい。
そして、この場面は、自分の中をひたすら探り、洗い出す作業になるので、とても楽しみ。

木曜日の仕事がキャンセルになったので、生ニンニク解禁の晩ご飯。
断酒は、もう少し先のことにする。。。
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電車内はいつもと変わらない

2021-04-27 07:47:17 | 丹下一の泡盛日記
月曜日はボートシアター の稽古で横浜へ。
いつもは12時開始の稽古が11時からに。
お弁当持って出かける。

空が広くて気持ちがいい。
そして相変わらずセリフが出てこない。
まあ「暗唱する」訓練は受けてこなかった、と言い訳。
身体が納得しないと出てこない、
または納得する身体を見つけられていない、ということなんだけど。
この「見つけ出す」過程は身体的にしんどい季節で。
元町中華街駅が始発駅なので電車に座れることが本当に助かる。
それにしても昨日、日曜日から緊急事態宣言が出ているのだけど、
電車内の混み方は全く変化していない。
去年の最初の宣言の時は、一つの車両に乗っているのは自分だけ、なんて感じだったのに。
本当に「三密」を避けるなら、満員電車が走らないようにしてもらいたい。

月が大きい。

夕陽もなんだか力付けてくれるような気持ちにさせてくれる。
夜は連れ合いと長崎の映像をたくさん見てご機嫌に。

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秋田が面白い

2021-04-25 16:13:09 | 丹下一の泡盛日記

今日も夜明けを見ながら起床。
緊急事態宣言のおかげで延期になった仕事の打ち合わせが。
いいのか稽古場で打ち合わせして、
と思いつつ外に出ると、なんだかいつもよりも外を歩いている人が多い。。。

旅心が抑えられないので、辛ラーメンを買って帰宅。
以前は韓国旅行のお土産だったのだけどこちらでも入手できるようになり嬉しい限り。
久しぶりに食べたけど、思い出す味で嬉しい。
このところ秋田の歴史について学ぶ機会が増えている。
秋田といえば土方巽さんのルーツでもあり、
その風土から暗黒舞踏が生まれたのだと思っている。
秋田は秋田駒ヶ岳に登ったのが最初で、
戦死した叔父も働いていたという同和鉱山に出かけたのが最後かもしれない。
(石川裕人大兄に連れて行っていただいた)
日本海に向かって開け、内陸に向かっては「天然の要塞」(茅根利安さん)だそうで。
独自の歴史が興味深い。
面白そうな神社も見つけてネットで本も注文。
そんなことよりも「白い影絵」のセリフを入れろ! と叱られそうだ。。。
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ブータンのお祭りの映像

2021-04-25 04:43:36 | 丹下一の泡盛日記

また夜明けを見る季節が始まっている。
夜、連れ合いとブータンの映像を見る。
2016年6月だからもう5年前か。
9泊10日旅をした。
中央部にあるブムタン谷の寺院のお祭りに立ち会うことがメインの目的で。
民族衣装である「ゴ」を買って「参加」した。
ブータンの芸能に触れたのは19歳の時、国立劇場が初めてだった。
その時は、ただ珍しいものを見た、だけだったのだけど。
この旅は衝撃の連続で。
そして3年に一度だけ籠もっている僧室から外に出てくる高僧に謁見する機会をいただいたのは、
最高の思い出となっている。
そして5年が経って、再び映像に触れると新鮮な発見がたくさん。
韓国を思い出すのはどうしてなんだろうなあ。
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この日だけで仕事が3本消えた

2021-04-25 04:43:36 | 丹下一の泡盛日記
土曜日はホールのお仕事へ。
金曜日の夕方は、さすがにテレビを見た。
東北の大震災以来「危機管理能力」が問われ続けていたはずなんだけど、
逆の方向に進んでいるという指摘は正しかったと言わざるを得ない。
「コロナ」は世界規模なので、どうしてもその対応は他と比べることになる。
一年以上が経って、歴然とした差はどうしようもなく。
今回の「緊急事態宣言」は虚しく響く。
都内の公立の劇場も25日(日)から「閉館」になるところが多いようで。
自分もこの日だけで3本の仕事が消えた。
もちろんなんの保障もない。
いいなあPCR検査を無料で受けられる国は。


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ワークショップの第1回を延期

2021-04-23 08:43:53 | 丹下一の泡盛日記
金曜日は、医者へ。
先日の内視鏡検査のブリーフィング。
飲みすぎで、荒れているのは仕方ない。。。
胃薬もらって帰宅。


お昼は、キャベツラーメン。
緊急事態宣言が出されるのを受けて”ワークショップ「平家物語」を語る”の第1回を5月末に延期。
ロンドンの小学校で週3回無料でPCR検査、とか、どんどん諸外国の情報が入ってくるにつれて、
第4波とかいうのも、人災の感が増してくる。
予定されている仕事も数えるくらいで、どうしたものか。

なぜか時折ソース焼きそばが無性に食べたくなる。
なのに買い物に出かけた途中の古本屋で5冊ばかり買い込んじゃうのだった。
まあ、少しは仕事があるのだけど、それだってどうなるかわからない。
お金の続く限り稽古して、本を読むべし。
それにしても「サンドリヨン」には、もちろん偶然だけど、自分と同じアイデアが出てくる。
旧キッド・アイラック・アートホールでやりたかったプランだけど、
大きな劇場だとやっぱりかっこいい。
次回、試してみようかな。
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体力的なハードルが上がってきている

2021-04-23 08:31:24 | 丹下一の泡盛日記

朝ごはんは前夜の味噌汁の残りに適当に具を足したぶっかけ飯。
香港ではこれを的士飯(てきしいふぁん)=タクシー飯と呼ぶ。
タクシーの運転手さんなどが時間のない時にかっこむための丼飯。
昔、成龍が来日した時、体調を崩してしまい「何食べたい?」と聞かれ
「的士飯」と応えたそうな。

お弁当は白身魚のサンドイッチ。
ちょっとカロリー高め。



ヨコハマ横浜ボートシアター の稽古で横浜へ。
だんだんと体力的なハードルが上がってきている。
さすがに年齢のことを思わずにはいられない。
前日のTama+ projectの稽古でもがっつり汗をかいたのだけど、
この日も。
終了後、早足で歩けないくらい脚にきている。
別件所用を済ませて帰宅する電車内がきつい。
1時間乗ってるのだもの。
さすがに疲れてどこかでご飯食べて帰ろうかな、と。
時計を見て諦める。
酒は19時まで、お店も20時までなんだもの。
23日からの緊急事態宣言、ちゃんと「結果」を出してもらいたいものだ。
仕方がないので帰宅して即座に風呂。
ちゃんとケアしないと翌日に泣きを見る。

ワシワシと野菜食べる。
身体が喜ぶのがわかる。
こういうのを外で食べるのは難しい。
やっぱり自宅飯で正解だったかも。
録画してもらったオペラ「サンドリヨン=シンデレラ」を再度。
いいなあこういう舞台。
これはうちのガールズにもシェアしなければなるまい。

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