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再開発の名前投票

2011-08-12 21:16:47 | 秋田のいろいろ
秋田市中心部、秋田駅からも近い、中通一丁目の旧日赤病院・婦人開館跡地の「中通一丁目地区市街地再開発事業」。
商業施設、市の施設「にぎわい交流館」、県立美術館(近くの千秋公園から移転)、マンションなどが造られる。
工事は再開発組合が行い、完成後に県・市・商業施設部分は民間会社「秋田まちづくり」がそれぞれ取得する(買い取る)ことになっている。
前回の記事

工事そのものは震災で一時遅れたものの着々と進んでいるようだが、詳細が少しずつ見えてきた。

まず、11日付秋田魁新報経済面によれば、秋田まちづくりの取締役会が開かれ、商業施設は来年(2012)年7月下旬=竿燈まつりの前にオープンすることが決まった。
昨年末の記事でも触れた通り、商業施設の大部分を卸町の「秋田まるごと市場」に貸すことにしていたが、今月末に契約を結ぶ予定。3700平方メートルの約8割を同社に貸す。
また、にぎわい交流館と広場、駐車場は市が指定管理者を募ることになっており、それに応募することも決まったという。

にぎわい交流館も来年7月オープン予定(当初は4月だったが、震災による工事の遅れのため)。

一方、県立美術館。
今週初めの美術館工事現場。地上部に取り掛かった
今日の県議会教育公安委員会で、工事だけでなく作品搬入なども遅れ、新美術館の開館予定は1年以上遅れて2013年秋になる見込みが明らかになった。これに伴い、現在の美術館の閉館も延期される。
【13日追記】搬入が遅れる理由は、建材や内装材から出るアンモニア、アセトアルデヒドなど各種有害物質が作品を傷める恐れがあり、その濃度が基準以下(文化庁の推奨値)になるまで待つ期間が相当ある(夏場は濃度が上昇する)ためだという。(建物引渡しは6月末を予定)
だったら、工事の遅れはわずか数か月のはずなので、当初の2012年春オープンと言っていたことからして無理があったではないかと、委員会で質問が出たらしいが、同意。
何がいつできて、当初の計画とどう変わるのか、逐次しっかり知らせてほしい。(議会だけでなく、市民・県民に)
【13日さらに追記】2013年秋は「本格オープン」としており、今日の魁新報によれば「(他の施設がオープンする)来年7月下旬以降、新美術館を暫定オープンし演奏会などの事業を実施する。」とのこと。
【20日追記】このように空気が安定するまで使わずにおいておくことを20日付秋田魁新報によれば「枯らし」と呼ぶそうだ。(建築用語のようだ)
なお、そのために空調を作動させることを「枯らし運転」と呼び、文化財や美術の展示施設では1年以上行う場合もあるとのこと(鹿島建物ホームページより)


そして、駐車場の利益を財源に、無料で「タウンビークル」なる乗り物を循環運行させる計画。
秋田市役所では、「市勢活性化推進本部」というところが再開発事業を所管していたと思っていたが、今年度はそこがなくなったようで、「都市整備部まちづくり整備室」に吸収されたようだ。
そのホームページに、いちおう進捗状況が掲載されている。
それによれば、見直し案として(下線も原文ママ)
「共通駐車券システムの導入とタウンビークルの運行は、切り離して、別個に事業化を目指すことから一体的に実施しない。」
「タウンビークルの運行方法については、今後、関係者と協議の上、決定」
とのことで、その理由は
「共通駐車券システムおよびタウンビークル運行の事業主体となる協同組合設立が困難
とのこと。

知らぬ間に、トーンダウンしていた。
無理やり強行発進してから失敗するよりはマシだろうが、言わんこっちゃないという感じ。
県が電動バスの実験運行をやってくれるのがこれ幸いと、乗っかってしまうつもりかもしれない。
なんだかなぁ。※結果としてこうなる模様


さて、7月に、「再開発事業の施行地区の愛称」と「秋田市にぎわい交流館の愛称」が、再開発組合によって募集されていた。
そして昨日、組合のサイトに「愛称候補作品について御意見をお聞かせください。」というページ(http://www.nakadouri-saikaihatu.jimusho.jp/kouho1/newpage2.html)がアップされた。(秋田県のホームページに告知・リンクがあって知った。秋田市のページにはなし)
それによれば、一次選考を通過した愛称を公開し、その中でどれがいいか、誰でも回答できるアンケートというか投票が実施される。(8月26日まで。所定様式用紙使用で理由も書く。1人1通なので重複防止のため氏名・住所の記入要)

施工地区の愛称には161点、交流館の愛称には167点の応募があり、それぞれ23点と17点が一次通過した候補。
詳細は再開発組合のページ(http://www.nakadouri-saikaihatu.jimusho.jp/kouho1/sakuhin.pdf)をご覧いただきたいが、後々の記録のために、以下に引用する。

※ふりがなは、組合発表の資料の表記に従いました。ふりがなのない候補は、資料中にもふりがながないため。なお、資料には、意味や意図も記載されています。
施工地区の愛称候補
1.あきた明日都(あすと)、2.秋田美居(びい)スクエア、3.AQUAプレイス、4.COASIS、5.秋田こまちシティ、6.あきたふろん都、7.あきなか、8.アルゾ、9.E-SunA (イスナ)、10エリアなかいち、11.千秋ガーデンシティ、12.千秋ガーデンスクエア、13.千秋彩都(せんしゅうさいと)、14.千秋スクエア、15.セントパレア中通、16.中一(なかいち)ミッドタウン、17.なかいちスクエア、18.中通パークエリア、19.ハピネスエリア、20.Forum N-1(フォルム エヌ・ワン)、21.街なか・ゆめ広場、22.ゆめどおり、23.Yotte Mitte(ヨッテ・ミッテ)

交流館の愛称候補
1.にぎわい交流館 AU(アウ)、2.ANICO(アニコ)、3.KADARE、4.Seva、5.AKISTA(アキスタ)、6.秋田シビック・プラザ、7.アクートあきた、8.アズベール、9.Atrebo(あとれぼ)、10.アピオール、11.かだる館、12.クロスパルあきた、13.ココロコ秋田、14.セバーヴェ、15.NIGI-WOW(ニギ ワウ)、16.ゆいとぴあ秋田、17.ワンダス

今週初めのにぎわい交流館工事現場
以上、どれも応募者の願いが込められた候補名であるから尊重するべきだし、僕が個人的にこの場でどれを推したいとか言うつもりはない。(後で意見は送るつもりです。興味のあるみなさんもぜひどうぞ)
以下に個人的意見を述べさせていただきます。

選考に残った候補の傾向としては、エリア名については、「中通一丁目」や近くの千秋公園から取った「千秋」の名をつけたものが多い。
交流館には、秋田弁をモチーフにしたものが多い。KADARE、かだる館→「参加する」、Seva→「それじゃあ、では」、アズベール→「集める」(なのだそうだが、そんな秋田弁知らなかった)、セバーヴェ→「さあ行こう」

繰り返しますが、個人的意見です。
中通一丁目に限らず、昨今の全国ほとんどの公共施設の名称に言えるのだが、各地や各施設の思いが詰まった名前であることは重々承知しており、それに水を差すのも申し訳ないが、
施設の名前は分かりやすさ、覚えやすさが第一だと思う。
分かりやすさ、覚えやすさというのは、「初めての人が認識しやすい」「地元の人が親しみを持て、正しく覚えて呼ぶことができる」「愛称からある程度、施設の内容が連想できる」「類似名称がない」ということではないだろうか。
中通一丁目の場合、旅行客も地元の高齢者も多い。この両者が分かるものでないといけない。

現状の他の施設の命名では、次のような問題がある。
・秋田駅近隣にアトリオン、アルス、アルヴェと、「ア」で始まるカタカナ施設が多い。さらにトピコ、ジョイナス、フォンテなどカタカタばかり。【13日追記】「アゴラ広場」もあった!
→地元の高齢者(でなくても)が覚えられない。旅行者にも紛らわしいし、名前からどんな施設か連想できない。
・「ダイエー」「ヨーカドー」「ステーション(デパート)」など、以前の名称で呼ぶ人が多い。
→新しい名称が定着していない証拠。
・「アルヴェ」「フォンテAKITA」が正式表記なのに、「アルベ」「フォンテアキタ」等、誤記してしまう人が少なくない(僕も「フォンテ秋田」と間違う)
→表記が紛らわしくて定着しておらず、誤解を与える。
こんな状況なのに、さらにまたおかしな(といっては失礼か)な名前のモノができたら、我が家の高齢者などパニックに陥るに違いない。
また、候補の中には、マンションの名前か飲食店名や商品名かフリーペーパーの名前か、どこかで聞いたような錯覚がしてしまうものもあり、その点でも紛らわしい。
ぜひとも、分かりやすく親しみやすい名称に決まることを願ってやまない。

【22時30分追記】余談です。
覚えられず分かりにくい名称といえば、テレビの名前(家電製品の受像機の商品シリーズ名)。
最近のテレビはビエラ、ブラビア、レグザとか、無意味なカタカナの羅列に感じてしまうし、どれもどことなく似ていて個性がなく、メーカーと結びつかない。
僕が歳取ったとか、テレビに興味がなくなったこともあるのかもしれないが、例えば20年ほど前は、「画王(松下電器)」や「バズーカ(東芝)」など、個性的で、かつ意味が伝わる商品名が多かったように思う。
時代の流れなのかもしれないが、やっぱり名前は誰でも分かるものにするべきだ。

※続きはこちら

※選考結果はこちら

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