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新駅/循環バス/電気バス

2012-02-19 21:08:53 | 秋田のいろいろ
秋田市の来年度予算が16日に明らかになった。その報道などから。
●泉・外旭川新駅
秋田市中心部の北隣、泉、外旭川地区の秋田貨物駅付近のJR奥羽本線に、新しく旅客駅を作る構想。
だいぶ以前から話はあり秋田市でも多少は動いていたようだが、2009年に初当選した現市長のメインの公約の1つだったはずで、大きく進展するかと思ったが、あまりパッとしないといったことを、昨年6月の記事で取り上げていた。

17日の朝日新聞秋田版によれば、来年度予算449万円で
「交通機能の充実 泉・外旭川地区に新駅を設けた場合の市民生活や社会経済などへの効果を明らかにし、新駅構想の方向性を整理するための調査」
が行われる。

市長の任期は2013年4月までだから、来年度が実質最終年度。
公約を実現すべく最後のがんばり時だと思うが、やることは「方向性を整理するため」の「調査」?
この分では駅ができるにしても、時間が相当かかりそう…


駅と同じくメイン公約だった美術工芸短大の4年制化は順調に進んでいるようだし、突如として家庭ごみ収集を有料化することがあれよあれよと決まってしまった。
個人的にはどちらも反対ではないが、あまりにも性急すぎると思う。
それに引き換え、新駅はあまりにも悠長すぎに思える。

ノダさんのように「(マニフェストに)書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。」とか「ネバーネバーネバー…」という気持ちでやる必要もないと思う。
でも、公約が実現できないのならそのことを明らかにし、なぜそう判断したのかを説明するのが、首長の住民に対する、政治家の有権者に対する義務であろう。

※続きはこちら


●市街地循環バス
今年7月に完成する、中通一丁目再開発(旧日赤病院・婦人会館跡地)。※直近の関連記事
何度も伝えてきたように、当初の予定では再開発地域を循環する「タウンビークル」なる乗り物ができることになっていた。
当初は「電動の乗り物で乗車料金は無料。運営経費は再開発エリアの駐車場の収益を充てる」ことになっていた。
果たしてそんなことが実現可能なのか疑問に感じていたが、今年度、いつの間にか見直しがされていて、「事業主体となる協同組合設立が困難」なので「共通駐車券システムの導入とタウンビークルの運行は、切り離して、別個に事業化を目指すことから一体的に実施しない。」「タウンビークルの運行方法については、今後、関係者と協議の上、決定」と、乗り物の件は事実上凍結されてしまったかのようになっていた。

その一方、市ではなく秋田県が、電気で動くバスを作って、その実証実験を秋田市中心部で行う計画が立ち上がったが、今年の夏には間に合わなそう。
また、以前タウンビークルに対して「民間でできることを行政がやる必要はない」などと反対していた秋田中央交通の社長は、昨年秋の段階では「再開発が完成したら100円均一のバスを走らせたい」と発言していた。

つまり、秋田市、秋田県、バス会社の3者が、秋田市中心部を循環する乗り物を計画していることになる。
でも、どれも中途半端で実現するのか、実現したら互いに足を引っ張らないのか、よく分からなくなっていた。


新年度予算で、その方向性が見えてきた。
17日の魁新報地域面・23面に、「巡回移動バス社会実験事業費652万円」とあった。
「(再開発の)オープンに合わせ、中通地区と大町地区を巡回する小型バスの運行実験を始める。」
「再開発地区やJR秋田駅、市民市場、通町などを巡るルートを想定。1周3キロ、所要時間15分程度で、午前9時~午後5時まで1時間当たり3本運行する。」
「料金は一律100円とし、小学生以下は無料とする予定。」
「バス運行は民間に委託。利用者アンケートを実施して運行形態を随時見直し、13年度から本格運行を開始する計画。」
だそう。
とりあえず試験運行ではあるものの、やっと秋田市でも市街地循環バスが走るようだ。

車両は「小型バス」とあり、予算額からしても新しい車両を買うのではなさそうで、当然電動でもなさそう。中央交通の小型路線バス「日野リエッセ」でも使うのだろうか。
 (再掲)日野リエッセ ※リエッセは個人的な予想として、小型バスの一例として示したものです
コースは3キロだそうだが、仮に秋田駅西口→広小路→通町→ニューシティ跡→交通公社(JTB)前→中央通り→秋田駅西口のルートで約2.9キロ。これを元に再開発地域や市民市場を通る感じだろうか。
朝夕を避けた運行時間帯とか本数の設定は、運行開始当時の弘前の土手町循環100円バスなど各地の市街地循環バスのものに似ている。

料金は無料ではなく、100円になっている。
当初の触れ込みと違ってしまった(駐車場と切り離されてしまったからね)が、何も無料である必要はないし、受益者負担で利用者が運賃を払うのは当然だと思うからそれでいいと思うが、例えば回数券とか市街地の店で買い物した人には無料券・割引券を渡すとか、利用したくなる仕組みは検討するべきだと思う。

先日訪れた、静岡県富士市では「ひまわりバス」という循環バスがあった。市街地循環というより市街地と住宅地を結ぶ路線だろうか。
富士市のコミュニティバスの1つという位置づけらしく、富士駅と吉原中央駅を起点に2ルートずつ運行されている。日曜は運休で1乗車200円。
ひまわりバス専用デザインの「日野ポンチョ」。かわいいけど、高いから秋田では買えないだろうな
吉原本町商店街の店で買い物すれば、無料乗車券をくれるそうだ。

となると、以前文句を付けて理想を語っていた中央交通の社長の話との関連はどうなるのだろう。
これはあくまでも秋田市が運行するものであり、中央交通が関わるとすれば運行を受託するに過ぎない(他社に委託される可能性もあるけど)。社長がおっしゃる「100円均一のバスを走らせたい」と結果的に(=乗る側としては)は同じだが、社長さんとしては実現したことにはならないでしょう。
中央交通の一般路線バスとの競合も考えられ、中央交通がどう出てくるのか(出てこないのか?)興味深い。

※続きはこちら

秋田市の予算については以上。

●電気バスその後
上でも触れた、県が開発する電気バス。
実は当ブログの以前の電気バスについての記事には、アクセス解析を設けてあるのだが(gooブログの機能上、全記事の解析はできないのですが)、今なおけっこうな人気記事となっている。
特に、全国各地の自治体や電気機器・車両等のメーカーからのアクセスが多い。
「秋田県 電気バス」等で検索すると、当ブログが検索結果トップに表示されるためでもあると思うが、各方面から注目されていると言えよう。

今までの報道では、いすゞ製の小型バスをベースに電動化するそうで、大町・池永小路等を含む秋田市中心部で試験走行するというルートまで決定したかのような記事もあった。
その後、「週刊アキタ」の12月30日・1月16日合併号の特集で取り上げられていた。(熟読していないので断片的な情報です)
それによれば、
・予定を前倒しできそうで、車両は平成24年夏に公開し、試験走行後平成25年夏には実証走行
・55人乗りの低床中型車を使い、航続距離35キロ程度
・改造ベース車は「いすゞ自動車“ERGA mio”(ディーゼル車)」
・実証走行の費用は、原則として運賃収入で賄う
といったことが分かり、以前と変わった点があった。
なお、記事では「EV(電動)バス」という呼称を用いている。

まず、小型バスではなく、中型バス(いすゞエルガミオ)に変わった。
55人乗りとのことだが、現行のエルガミオで該当するものはない(57~59人乗り)。大雑把に55としたのか、車内に機器を設置するため定員が減るかだろう。
 (再掲)いすゞエルガミオ(写真は同一設計の日野レインボー2)
中型バスといえば、秋田市の路線バスではおなじみのサイズ。長さ8メートル99センチ、幅2メートル30センチ(現行モデル)。
なんで小型でなくなったのかは分からないが、既に各地で登場している電気バス試験車両は、小型バスか大型バスが多く、中型は珍しい。秋田では道路状況や利用実態に適しているからか人気のサイズということもあって、中型にしたのだろうか。

中型バスでは、以前の新聞に出ていた試験走行ルートを走行するのは非現実的。
あのルートを中型バスが走ったら、積雪や路上駐車があれば走行はかなり厳しくなると考えられるし、四丁目橋から市民市場に抜ける「池永小路」なんか見るからにつっかえそう…
 (再掲)ここは絶対にムリなんじゃ…

新車のエルガミオを用意して、そのエンジンを外して電動化するという手法なのだろう。(もしかしたら、秋田いすゞが特注でエンジンなしのエルガミオを売るのかもしれないけれど)
とすれば、真新しいエンジンがもったいない。
例えば、中央交通の使い古しのエルガミオを譲り受けて改造するとかじゃダメなものだろうか。

※電気バスの続きはこちら


新駅、循環バス、電気バス。いずれも今後に注目したい。

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5 コメント

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Unknown (名無しの秋田市民)
2012-02-20 20:07:05
なんかいろいろな話が出ていますねぇ~。
やっぱりバスの話が気になります。
電気バスはエルガミオですか・・・。
あのバスあんまり好きじゃないんですよ:)
低床バスなのでタイヤのところがすごく突き出ていて
立ち乗りも乗りにくいし座りにくいしと・・・。
電気バスだと静かになるんですかねぇ~。
音も気になります。

あと、ゴミ袋の話がありますよね。
そのうち黄色いゴミ袋が数枚配られるようですが
あの素っ気無いただリッター数と秋田市指定ごみ袋なんて書いた
黄色の袋になってしまうんでしょうかね。
個人的には今のふきと竿燈のデザインの袋が結構気に入っていたのですが。。。
返信する
Unknown (ZIN)
2012-02-20 21:31:08
秋田駅前の循環バス早くできないかなー。
しかし、他の都市の運行形態と比べるとどうでしょう。
観光にいらっしゃったお客様を乗せて市内をあちらこちら…
というほど駅近郊に観光地は多くないし。
市民向けの路線と開設していくことになるのでしょうか。

これを機会に秋田DCもありますし、駅付近の観光箇所の開発や
駅を出ると、気軽に秋田を味わえるものがあるといいのですが。


JRは自治体が負担するなら駅は解説するよーというスタンスの
ようですが、やはりバス会社との共存が難しいのでしょうね。
土崎方面→秋田駅方面は住宅が途切れず続き、官庁街に繋がる
ドル箱路線と言えるでしょうから…市長にヤル気がというよりは
バス会社さんのなにかしらの力が!?
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2012-02-20 22:46:12
>名無しの秋田市民さん
あまり注目されていないようですが、いろいろ動いているみたいですね。
中央交通の新車はエルガミオばっかりでつまらないです。辻さんへ気を使ってるのか… たまには他メーカーの(といっても今は実質三菱だけですが)新車にも乗ってみたいものです。
普通自動車のハイブリッドでもあれだけ静かですから、大きなバスでフル電動となればきっと明らかに違うのでしょうね。登場を待ちましょう。

ゴミ袋ですか。黄色だとカラスが突っつかないとかいうからでしょうかね。
有料化というより、単に「ゴミ袋の値上げ」ととらえられてしまわないよう、もっと事前の議論や周知が必要だったように思います。

>ZINさん
アンケートを踏まえて随時見直していくということですが、現在の路線バスをなぞっただけのように感じてしまいます。
他都市では、既存路線バスと競合しないルートを設定し、新たな需要喚起と路線バスとの共存を図っているように思えます。
例えば、中通病院とか千秋矢留町とかバスがない区間にこそ走らせてほしい気がします。

新駅候補地近くを通るバスは、新国道経由にしても神田線にしても、場所によってはバス停までかなり距離があって、渋滞や車内混雑があり、運賃も安くなく、現状では問題があると思います。自家用車がなければ生活が厳しい場所もあるでしょう。
新駅はそれらの解決につながると思うし、でなければ新たなバス路線を設定するとか、何かしらの変化が必要だと思います。市民の公共交通への意識も含めて。
返信する
Unknown (キリタンポ)
2012-02-25 14:06:09
こんにちは!すばらしいブログですね!
秋田の再開発にものすごく興味ありの20代半ばの男です(^-^)産まれてから大学までずっと秋田で、就職してから静岡の浜松にすんでいます!

僕が中学生のころからあった再開発の話がやっと一段落しそうなようで、まずは何よりです。最近は再開発のことを書いてくれているブログを探しては読みまくってます。

個人的には再開発範囲に広場があるのはいいと思います。秋田は駅前ですら広々した歩行者スペースがなくタクシー駐車に使われてて、圧迫感MAXですから。
ただ、広場の活用法として野外ミニライブやイベントを想定してるようですが、ならなぜ住宅棟を併設したんだ?って思います。騒音で苦情が出て広場がただの通路になるような気が・・・素人意見ですが。あと交流館の半分弱が研修室とか多目的ルームってどういうことですかね(笑)
街づくりという意味では今いる静岡県の静岡市や浜松市を参考にすれば秋田市は方向性が固められるのでは?と思いますね。

静岡市は完全に駅前~市街地に人が集まる仕組みです。交通網をみてみたくて月1くらいで静岡市にいってますが、路線バスやJR、静鉄が網の目のように通っていて不便ないです。百貨店もかなり進出していて、しかも駅周辺に密集してるので必然的に中心部に人が流れ、郊外は静かです。呉服町という通りは仙台のアーケードより人がいます。世間的には知られてないですが意外に都会ですよ静岡!

浜松市は逆で、郊外に大型店が乱立しており駅から離れるにつれて街がでかくなります(笑)よくもまあ県都でもないのにこんなデカイ郊外を作れたなという感じです。郊外中心だけど、こちらも路線バス、JR、遠鉄、天浜鉄の交通網が発達してるからお年寄りや学生でもふらっと買い物にいけます。御所野と違うのはこういうアクセス面ですね。しかもいやらしいことに飲み屋街は駅前に固めてあるため、駅前にもある程度人が流れるようになってます(笑)

秋田も今回の再開発の効果を出すためには、郊外のロードサイド店やイオン周辺はこれ以上手を出さないほうがいいですよね。なんのために中心部を再開発したのかってなりますから。


めちゃ書いちゃいましたが、将来秋田に戻りたいので、再開発が成功して賑やかになることを期待しています!静岡にもお越しください。ご案内します!
ブログ更新頑張って下さい!
返信する
はじめまして (taic02)
2012-02-25 21:06:19
コメントありがとうございます。
日赤病院が移転してもう14年だそうです。まさに「やっと」ですね。
キリタンポさんはじめ、秋田を離れた多くの方々に気にかけていただいていますが、こちらではイマイチ盛り上がりに欠けている感じです。始まる前はモメたわりに、始まってしまうと市民が知らない間にあれよあれよと話が進んだ印象もあります。

千秋公園と再開発エリアを一体的にとらえるという考えもあるようですが、駅や千秋公園に近い地の利を活かして、人が集まってほしいです。
マンションはたしかにそうですね。人口減少が激しい地区に人を呼び戻したいのでしょうが、既に近隣に高層マンションがいくつもあるし、ここにも必要なのか疑問です。
にぎわい交流館は、アルヴェやアトリオンとの差別化・棲み分けをどうするのかという声が前から出ていますが、僕は現時点ではイマイチ違いが分かりません。

静岡は地方部とはいえ、太平洋ベルト地帯で人口が多いという大前提がありますが、たしかに街中は活気がありますね。新静岡の駅ビルが新しくなったそうで、賑わっていることでしょう。
秋田ではちょっとした買い物にも車で出かける人も少なくなく、結局無料駐車場のある店に人が集まるという状況があります。
中通の再開発も駐車場は有料になるようですが、無料にすれば手っ取り早く人が集まる気もします。
でなければ、公共交通機関の利便性向上と市民が車を使わなくても生活できるという意識を持つことが必要です。交通機関の充実は、積雪地で高齢化が激しいのだから、もっと手立てが必要だと思います。

これからも時々は再開発の話題を取り上げるつもりですので、お立ち寄りください。
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