逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

尖閣(沖縄)の施政権の一部放棄を隠し続ける政府・マスコミの罪

2013年04月05日 | 軍事、外交

(小渕恵三外務大臣(当時)1997年書簡の内容を報道した毎日新聞地図)

【佐藤優の眼光紙背】
『1997年11月11日付の小渕書簡があるため日本政府は尖閣諸島周辺の中国漁船を取り締まることができない』

排他的経済水域(EEZ)におけるルールを定めた日中漁業協定(条約)に付随して、日本政府は尖閣諸島周辺における中国漁船の活動を一切取り締まることが出来ないとの、1997年11月11日付の小渕恵三外相(当時)書簡は、日本政府が中国に対して、日本の法律の適用を免除している奇妙な外交文書だ。
この条約の第6条(b)では北緯27度以南(尖閣諸島の海域)は何も定めていない。
その代わりが付属文書の小渕書簡である。
日本国外務大臣小渕恵三が中国に対して、『日本国政府は、日中両国が同協定第6条(b)の水域における・・・中国国民に対して・漁業に関する自国の関係法令を適用しない』と確約していた。
小渕書簡とは、まさに自民党政権の手によって作成され日本政府が、尖閣諸島の管轄権の一部を自発的に放棄する文章だった。
外務官僚は尖閣諸島という名前が出ないよう悪知恵を働かせているが、小渕書簡では日本の海上保安庁は尖閣海域で中国漁船を拿捕出来ない仕組みだった。
(2012年09月17日佐藤優の眼光紙背:第144回記事から抜粋、要約)

『中国船拿捕が違法だったので海上保安庁は衝突事件にすり替えた』

紙の裏まで見通すという意味の眼光紙背とは、行間にひそむ深い意味までよく理解することの例えだが、残念ながらBLOGOSの『眼光紙背』は看板倒れの記事が多いが佐藤優の去年9月17日記事は例外的に秀逸。
尖閣での中国漁船の拿捕は2010年の前原誠司以前では一回もない事実は前から承知していたが、原因が外交ではよくある双方の暗黙の了解事項だと思っていたら『小渕書簡』という言い逃れ出来ない外交文章が存在していたとは絶句するしかない。この問題で日中が本格的に争った場合には日本側に勝目が無い。
小渕書簡の存在は外務省では極秘扱いだったらしく、佐藤優の以前の記事では触れていないばかりか1年前には逆の主張をしていたので多分存在を最近知ったのだろう。
日本のメディアは小渕書簡は報じなかったが、記事冒頭に示した『北緯27度以南(尖閣諸島の海域)は自国船のみ取り締まる』(中国魚船は対象外)との小渕書簡による日中漁業協定は報じていた。

『尖閣諸島をめぐる日中の歴史認識(劣情)の違い』

尖閣騒動は日中の歴史認識の衝突ではなくて、日中の劣情の衝突だった。
アホウドリと尖閣モグラ程度しか住まない絶海の小さな小さな無人島の帰属を巡って世界第二の経済大国中国と、長いあいだ第二位だったが第三位に後退した経済大国日本が本気で争っているのですが、双方が大損をしているのですから到底正気とも思えない阿呆臭すぎる騒動である。
尖閣問題での、『日本は第二次世界大戦後の世界秩序に挑戦している』との大仰な中国の言い分ですが、100年以上前の日清戦争にまで遡り日本の帝国主義を批判しているが、これは定年後の熟年の夫婦喧嘩が悪化して何十年も前の新婚時代の浮気を罵るようなもの。
間違いのない歴史的事実ではあるが、大昔のすでに終わって仕舞った話である。
中国の歴史云々発言ですが、具体的にはカイロ宣言とかポツダム宣言のことを指しているので、第二次世界大戦の戦勝国の中国(連合国の常任理事国)と敗戦国の日本(大日本帝国)の話なのでしょう。
第二次世界大戦敗戦時のポツダム宣言では、日本の侵略戦争で得た領土はすべて没収し、国土は本州四国九州北海道の4島と連合国が決定する付属の島に限定すると定めている。
このポツダム宣言は読みようによっては恐ろしいことに、本州なと4島以外は連合国(中国やアメリカやソ連)が勝手に決めるとも解釈出来る危険な内容だったのである。

『日本と中国と、二股?をかけているアメリカ』

中国の態度が、この尖閣問題で超強気な原因ですが、これは自分のバックにアメリカが付いている思っているからで、厚かましいし態度がでかい。
日本も安倍晋三首相が『尖閣は1ミリも譲らない』と超強気の原因も日米同盟で自動的にアメリカが後ろ盾だと思っているからですが、何れも正しく無い可能性もある。
普通なら必ず日中どちらか一方だけが正しくて、間違いなくもう一方が大きく勘違いしているのです。
中国側の勘違いなら、日本人にとっては法螺話程度でそれほど問題ではないが、日本側の勘違いなら日本人や日本国にとっては大問題ですよ。
そしてアメリカの態度が尖閣では微妙で、白黒どちらとも解釈出来るグレーなのです。
アメリカ国務省のヌランド報道官は(1)尖閣は沖縄返還時以降の施政権は日本であるとアメリカは認めている、(2)尖閣問題ではアメリカは中立である、の二点を強調したが、(1)と(2)の主張は困ったことに相互に矛盾する。
(1)が正しいとすればアメリカは尖閣では明らかに『中立の立場ではない』。(日本側の言い分を支持)
(2)の『中立の立場』がメインの主張なら、尖閣諸島での日本国の主権を認めていないことになる。(尖閣は日本が実効支配しているのですから、中国支持になる)
明確な(1)と(2)の矛盾点を追求した中国人記者の質問に対してアメリカ国務省報道官は回答を拒否して会見を一方的に打ち切っている。
アメリカ(オバマ政権)は立場を明らかにせず、明らかに尖閣問題を逃げているのですが何ともアメリカらしかなぬ煮え切らない曖昧な、不思議な態度である。

『長い間「主権」と「施政権」とが別々だった沖縄県を失念している日本本土』

多くの日本人はアメリカの言う『施政権』の言葉を、日本国の『主権』と解釈しているが勘違いもはなはだしい。
尖閣を含む沖縄県は日本人が100万人も住む日本固有の領土であり、その主権が一貫して『日本国にある』ことはアメリカも正式に認めていたのである。
ところが、長い間アメリカが沖縄の施政権を握って過酷な軍政を敷いていた。
主権(日本)と施政権(アメリカ)が別々だった、この残酷な歴史的事実は沖縄県民なら片時も忘れていない。
ところが、本土の日本人は吉田茂全権が沖縄の施政権をアメリカに売り渡した屈辱の記念日を祝おうとしているのですよ。
まさに、これこそ典型的な歴史認識の衝突である。
アメリカ国務省のヌランド報道官は日本の『尖閣諸島の施政権』とは言うが、決して『尖閣諸島の主権』とは『一言』も発言していなかったのですね。
アメリカの言う施政権とは『日本による尖閣諸島の実効支配』の意味だった。
実は(1)の『施政権は日本』と(2)のアメリカは『尖閣は(主権問題では)中立』は少しも矛盾していなかったのです。
『施政権』と『主権』をたくみにすり替えていたアメリカ国務省の尖閣諸島に対する公式見解とは、アメリカによる悪質なペテンか詐欺、あるいは腹立たしい手品である。

『米大統領報道官を「的外れ」とアホ扱いする読売産経の不見識』

通常、『アホがカシコを装う』ことは良くあることだが、何かの冗談以外では逆の『カシコがアホを装う』ことはない。
『知らないで発言している』可能性よりも、十分に知っていてわざと『知らないふり』をしているのです。
オバマ大統領の考えを代弁する立場の、専門家中の専門家であるホワイトハウスの報道官が素人以下の阿呆臭すぎる間違いを平気で発言している場合には、故意の『ど忘れ』を装う何かのプロパガンダ(世論誘導とか情報操作)であると断定しても間違いではないであろう。
クリントン前国務長官は退任直前に『日本の施政を害しようとするいかなる一方的行為に反対する』と尖閣騒動でのリップサービスを行って日本側を喜ばす。
この日本寄りのクリントン発言に対してカーニー米大統領報道官は『クリントン氏はもう長官ではない・・』、『その発言は知らない』と、クリントン発言を頭ごなしに全面否定する。
クリントン氏に代わり第二次オバマ政権で新しく国務長官に就任したジョン・ケリーは従来と同じ見解である『尖閣諸島は日米安保の適用範囲』を日米外相会談で確認する。
ところが今までの『尖閣は日米安保の適用範囲』とは、意味する内容が『尖閣は日本が実効支配している』と、まったく同じなのです。
それなら確認事項は日本にとっては、ほとんど意味を持っていないことになり、現ケリー国務長官はカーニー大統領報道官と同じで、前任者のクリントン国務長官の一歩踏み込んだ日本寄り発言を全面否定したことになるでしょう。

『変わったのかは中国か、日本か、双方か』

尖閣諸島問題ですが、経済発展で力を付けてきた中国が態度がでかくなった(中国が変わった)を日本のマスコミが報道するので日本人の多くも、マスコミの論調に影響されて『中国の変化』をあれこれ取り沙汰する。
GDP世界第二位になった中国が自信を付けたのは間違いないでしょう。
ところが、尖閣に関しては中国側の変化よりも日本側の変化の方が騒動の本質である。
本来なら実行支配している日本側は平穏に何も無い方が得なのですが、明らかに前原誠司などの日本のネオコン勢力がわざと騒動を起こしているのです。
尖閣諸島ですが、1970年代の日中国交回復交渉で日中双方で『棚上げ』で合意していた。
ところが日本側が『棚上げは無かった』と最近言い出したから揉めている。
事実関係として、間違いなく今までは日本側は尖閣を『棚上げ』していたことは、数々の具体的な事例が証明しているので、本来なら争う余地がない事実である。
『尖閣棚上げ論』に関しては国交回復を最優先する中国側の提案であることが記録に残っている。
中国側の『棚上げ論』に対して、(正式な記録類は残っていないが)日本側が同意したのでしょう。
ところが今回の日中の尖閣騒動に便乗する形で日本政府は正式に『尖閣諸島の棚上げは無い』と言い切って仕舞った。
中国としては突然日本から喧嘩を売られたと感じ猛反発しているが、双方が一度は納得していた合意を一方的に破棄したのですから、外交問題としては尖閣騒動は当然な結果でしょう。
日本が負けた歴史的事実を『無かった』と書き換えたい右翼の安倍晋三を除けば自民党政府も誠実に『棚上げ』を実行していた。
民主党も当初は『棚上げ』だったが日本版ネオコンの前原誠司が海上保安庁の所轄大臣の国土交通相に就任して中国船拿捕が起きている。
北緯27度以南のこの尖閣海域では、日本側は中国船を取り締まらないとの1997年11月11日付の小渕恵三外務大臣(当時)の中国宛の書簡が存在し、これは当時毎日新聞も精細に報道している。
この事実は日本外務省としては隠したいのでしょうが、ムネオ騒動で外務省を石もて追われた元外務省主任分析官の佐藤優は詳しく日本側の非(無法行為)を指摘しています。
尖閣では、中国が変わったのではなくて日本側が突然大きく変わったのです。
尖閣諸島に絡む数々の騒動の火元は対岸(中国)にあるのではなくて自分自身の足元ですね。日本の病的な極度の右傾化が全ての原因なのです。

『安倍晋三と前原誠司と野田佳彦』

今何かの大きな騒動が起きている時に、その騒動自体に意味がある場合と、それとは逆に目の前で起きている騒動には何の意味もなく、実は別のもっと大きな問題を隠蔽する目的の赤いニシン(Red herring)『間違いに誘導する偽の手がかり』『本当の意図、意味を隠すための嘘』の場合がある。
ニュース枠には制限があり『何かを報道する』とは、実は別の『何か』を報道しない一番確実な方法であった。
尖閣ですが日本復帰後の40年間も、何の問題も起こしていない。もちろんそれ以前の米軍施政下でも何一つ起きていない。
ところが2010年前原誠司が海上保安庁の所轄大臣の国土交通省大臣になった途端に中国漁船拿捕事件で大騒ぎになった。
尖閣諸島では前原以外では、『美しい国』の安倍晋三(福田閣内時)の2008年に最初の拿捕(衝突)事件が起きる。
2012年には尖閣国有化騒動と、安倍、前原、野田と2年おきに尖閣問題で騒動が発生するが、そもそも外務省がひた隠しに隠す小渕書簡で日本は北緯27度以南の海域では施政権の一部を自ら放棄している。
日本政府が1997年の小渕書簡の失効宣言など条約自体を破棄しない限り、本来尖閣諸島での中国漁船の操業問題では争いが起きる余地が無い。
ところが政府マスコミが、肝心の小渕書簡の存在を全員で完全に隠蔽するから辻褄が合わなくなる。

『小渕書簡の「北緯27度線以南」の意味するもの』

尖閣諸島の紛争ですが、一見すると表舞台で激しくやり合う日中両国の間の争いに見えるが、実は1952年4月28日のサンフランシスコ講話条約と安保条約で日本から切り離された、沖縄県の施政権の問題と密接に結びついているのですから根はもっと深く深刻である。
小渕書簡では尖閣諸島の文字が何処にもないが原因は外務省官僚の悪知恵というよりも当時は今とは大違い。
当時者である日本政府には条約内の『北緯27度線以南』にこそ意味が有り、そもそも尖閣諸島などは意識に全く無かったのである。
小渕書簡の意味するところは、北緯27度線以南の米軍が以前に施政権を握っていた地域(尖閣を含む沖縄県)での、自民党政府が行った自分から日本国の施政権の一部制限だったのです。
1997年小渕書簡とは独自の孤立した話ではなくて、61年前に日本国が主権を有する沖縄県の施政権を米軍に全部渡した(沖縄を売り渡した)吉田茂全権の売国行為に付随した話(一連の追従行為)であった。
尖閣騒動の主役は面子をかけて争う日中両国ではなくて、そもそもの火元は黒子に徹して動かないアメリカだったのである。
なるほど。これでは外務省が小渕書簡の存在を必死になって隠すはずだと納得する。

『摩訶不思議な毎日オピニオン記事「海峡ニッポン」第一回』

エイプリルフールの翌日の2013年4月2日の毎日新聞オピニオン『海峡ニッポン 』第一回『八重山と台湾』は第11面を全面使った力作だが、見出し以上に大きい活字を使った『台湾と沖縄の漁業は本来一つ。生活のために、すっと一緒にやってきたんだけどな。』との小見出し以上の内容がない。
1994年沿岸国が200海里の排他的経済水域で生物資源を管理する国連海洋法条約が発効、日本も96年に批准する。
2000年の日中漁業協定で尖閣海域での中国(漁船)の操業は許され、(漁業協定が無い)台湾の漁民は排除された。
『釣魚台海域の漁場は我々にも100年の歴史がある。日本が自分のものだと線引きしてしまえば、我々は生きる場所を失う』。思いつめた台湾の漁協は昨年9月、ついに漁船団を組んで尖閣海域の日本領海に侵入した。
この毎日オピニオン記事の内容は少しも『間違いは無い』のだが、肝心の1997年の小渕書簡を報じないので意味が少しも通じないのである。
まさに一日遅れの四月馬鹿ですね。(この毎日新聞2日付け朝刊オピニオン記事ですが、何故か現在ネット上には公開されていません)

『NHKクローズアップ現代』

『追跡・中国虎網漁船』とのタイトルの4月4日の報道番組で日本の排他的経済水域では認められていない強力な集魚灯を備え高い漁獲能力がある中国の虎網漁船を水産庁が初めて摘発する映像が流れる。
ゲストの山田吉彦東海大学教授が『自国船のみを取り締まる』(中国船を取り締まれない)日中漁業協定の暫定中間処置地域や中間水域を説明する。
ただし、ここでも北緯27度線以南(沖縄県の海域)は何故か説明なし。一切無視する態度であった。
そもそもNHKが放送で出していた地図には中間水域と暫定中間処置水域しか描かれていない、排他的経済水域(EEZ)を書き入れない不思議な代物だった。
排他的経済水域(EEZ)とは沿岸から200海里(約370キロ)であり500~600キロ程度の日中両国の間に、本来ならEEZの外の中間水域は存在していない。
日中両国が自国の排他的経済水域を半分以下に狭めた結果が日中の中間暫定処置水域だが、原因とは昔は黄海など中国沿岸まで日本漁船団が操業していた名残であり、最初は日本側有利な取り決めだったが、現在では漁業でも逆転して中国漁民800万人に対して日本は20万人まで激減して、今や日本人の漁師は佐渡のトキのような絶滅危惧種である。
4月4日放送の『NHKクローズアップ現代』で、日中漁業協定の暫定中間処置地域や中間水域では『自国船のみを取り締まる』(中国船を取り締まれない)と説明しているのに、あえて北緯27度線以南(沖縄県の海域)全域が日中暫定中間処置水域と同じ扱いである事実を説明しない。
海洋法専門家の不思議な不親切(重大な手抜きか度し難い怠慢)の原因とは、1997年11月11日付け小渕書簡の存在をNHKが十分認識しているから(隠蔽工作)であることは疑いない。
マスコミ総がかりの小渕書簡の姑息な隠蔽工作であるが、如何せん効果が日本国内限定で、安倍晋三の自己満足の歴史の修正と同じ水準と動機であり、到底外国相手には通用しない恥ずかしい国辱的な自慰行為である。


関連記事
台湾遊漁船沈没事故(東シナ海、天気晴朗なれど波高し)
2008年06月23日 | 東アジア共同体
中国漁船拿捕のビデオ流出と「転び公妨」
2010年11月08日 | 東アジア共同体
アホウドリ(信天翁)と「鳥島」「尖閣諸島」
2011年01月02日 | 社会
『政治』 ジャンルのランキング
コメント (8)   トラックバック (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 違憲無効判決に新聞号外 | トップ | 不必要な甲状腺摘出手術(傷... »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
西日本の漁業関係者は全員知っている (現田石)
2013-04-03 19:52:58
友人の友人が大日本水産会の現田石です。
2012年09月17日の佐藤優の他に、人民網日本語版の2012年09月25日の記事にも日中漁業協定の重要性を指摘している陳言という人の寄稿記事に次のようにあります。

(引用初め)
今回中日間の論争が最も激しかった時に、「中日漁業協定」についての話し合いがなかったことに人々は注意を払っている。中日は国交樹立後、まず1975年に「中日漁業協定」に調印し、1997年に2000年6月発効の2000年版漁業協定に調印した。日本水産庁の発表した資料「日中漁業協定の概要」を見ると、「北緯27度以南の協定水域では現行の漁業秩序を維持する」と非常に具体的な規定がある。釣魚島はちょうど27度以南にあり、この規定の指すものは釣魚島であるはずだ。

 孫崎享・元外務省国際情報局長は著書『日本の国境問題』(筑摩書房、2011年5月初版、2012年9月第6刷)で、中日漁業協定について説明している。「2000年版の日中漁業協定は尖閣諸島周辺は漁業協定の範疇に属し、双方は各自自国の漁船を取り締まると明確に規定している」(84ページ)。孫崎氏から見ると、2010年に日本側が中国側の漁船船長を直接逮捕したのは、各自自国の漁船を取り締まるというこの協定に明らかに違反しているのだ。
(引用終わり)

つまりこれをみると、水産庁の発表した資料「日中漁業協定の概要」もあるし、もちろん毎日新聞の地図つき報道もあった。つまり、西日本の漁業関係者(中国側も)は施政権の一部放棄を全員知っている。知らんふりをしているのが、政府・マスコミということになります。

なお引用元は次です。
「釣魚島」と「原発」で国内外の信頼を失った民主党 (2)「週刊!深読み『ニッポン』」第31回
ttp://j.people.com.cn/94474/7959053.html
敗戦前夜の大政翼賛会状態の日本 (宗純)
2013-04-04 09:36:20
現田石さん、コメントありがとうございます。

この小渕書簡の記事を掲載してから不思議なことにコメントがぴったりと止まっていたのですね。困った話です。
佐藤優ですが、とんでもないもの(危険物)を公表してしまったようです。
逝きし世の面影ブログとしても2008年のブログ開設直後に起きた台湾遊漁船沈没事件から尖閣問題を何回も論じていた。
尖閣の棚上げ論は『日中の暗黙の了解事項である』との認識で記事を書いていたのですが、暗黙どころか正式な外交文章が1997年に自民党政府が出していた。
これは無茶苦茶な、とんでもない話ですよ。
私としても今までの尖閣諸島関連の記事を部分的に修正する必要が生まれてしまったのですが、
仰られているように、
『・・・・施政権の一部放棄を全員知っている。
知らんふりをしているのが、政府・マスコミということになります。』
なのですが、
隠蔽していたのは政府マスコミに限定されず社共などの野党が含まれるのですよ。
以前に瀬戸知子の枕草子に尖閣は棚上げで合意していたのに日本が騒動を起こしたとコメントしたら『超左翼おじさんのお話』に尖閣問題が詳しく書いてあるので読みなさいと、会話にならない。
超左翼おじさんのお話とは、赤旗記事の丸写しであり、書いてある内容は政府マスコミの二番煎じ。
全く違いがない代物。
尖閣で自民党の山本一太のような阿呆臭すぎる低レベル議員なら小渕書簡や日中漁業協定を知らない可能性もあるが、超高偏差値の官僚や赤旗編集局や共産党議員が知らないはずは絶対にないのですよ。
以前には商業マスコミが報じないタブーに挑戦した赤旗の記事は保守系政治家も愛読していたぐらいで、今でも赤旗の信頼度は絶大であり、とくの護憲左翼にはバイブル並みの扱いなのです。
この事実を知っていながら、自分を信頼している大事な読者に対して、『日本が正しい』と真っ赤な嘘を垂れ流していた罪は万死に値するでしょう。共産党が選挙で負けるはずです。
今の日本ですが、上は誰も彼も嘘だと知っていながら大本営発表を恥ずかしげもなく全員で唱和する末期症状。
誰にも知られることなく病状は進行して深刻な状態で、丸っきり大政翼賛会なのです。
間違いなく、日本国の悲惨な敗戦は目前ですよ。
Unknown (海坊主)
2013-04-05 00:04:22
ブログ主様
私だけ気になっていたのかも知れませんが、ここ数日の間、当記事のタイトルが毎日のように変更されていたように見えたので追記や修正をなさっているのかと思っていました。

日本国内の領土に関する報道は時代により正確でなかったり、歪曲されたりして筋が通っていないように思えます。国境を共有する周辺国から見れば、その都度主張が変わっているのですから、全く信用されないでしょうね。ちゃんと筋の通った国で在って欲しいものです。
ブレーキ役が無い暴走日本の不幸 (宗純)
2013-04-05 12:08:09
海坊主さん、コメントありがとうございます。

この逝きし世の面影のブログ記事は追加の書き込みで毎日数千字増えていくだけでなく、肝心のタイトルまで変更するのが特徴なのですね。
自分で読み返してみると、今まで見えなかった別の解釈が出来ることに気がつき、書き換えているのです。
今回ですが、政府やマスコミがぐるになり、自分たちに都合の良い部分だけを報道して国民を騙すのは何も今に始まったことではない。
大昔からの決まりごと見たいなものなのですよ。ですからこれは少しも不思議でない。
ところがですね。この小渕書簡ですが、これはいけません。
本来なら「ダメだ』「間違っている』と止める立場の共産党までが隠蔽に全面協力して赤旗読者を迷宮に誘い込んでいるのですね。
共産党幹部が知らなかった可能性ですが、ゼロですよ。
騒動を引き起こした前原誠司とか海上保安庁は熟知していた。
だから違法操業での拿捕ではなくて衝突したから公務執行妨害などの転び公妨で逮捕したし、マスコミの全員が拿捕ではなくて衝突事件と報道していたのです。
共産党など左翼が政府やマスコミの嘘に同調するなどは自殺行為ですよ。
日本の病的な右傾化は、世界的に報道されるほど進行しているのですが、今では左翼政党までが、右翼化するまでに症状が極限まで悪化してしまったのです。
朽ちた日本 (農婦)
2013-04-07 02:22:35
恥ずべき日本の総理大臣晋三ちゃん。そろそろ日本国民も気がつくべきですよね。米国は何を目論んでいるのでしょうか,うす気味が悪いです。日本の国土を放射能汚染まみれにし、TPPで丸裸にし、日本民族を消滅させ、「イエローモンキー」と笑い飛ばすげびた米国人を連想するのは、私の妄想でしょうか。
横田空域の影響で危険な首都圏の空 (宗純)
2013-04-07 15:33:45
農婦さん、コメントありがとうございます。

安倍晋三の自民党は、4月28日を日本国の主権回復の日として祝うつもりらしいですよ。
相次いで1票の格差で違憲判決が各地の高裁で出されていますが、日本国の最高法規である憲法の上に実は安保条約が有り、こちらの方が上位になり優先する。
何しろ日本の裁判所には違憲審査権という憲法判断が出来る仕組みなのですが、安保は憲法以上の超法規なので日本の裁判所の権限外。
憲法に違反する法律の条文は無効なのですから憲法>法律の上下関係にあるが、実は日本の憲法の上に安保条約やそれに付随するに日米地位協定が有り、日本中どこでも米軍が好きな時に自由に使っても良いことになっている。
本土の陸上の米軍基地の多くは1972年の沖縄返還時に撤収して使い勝手が良いように沖縄県に集中させたのですがね。
ところが空の返還が行われていず不完全。首都東京の、羽田空港の西側空域は今でも米軍が握っていて日本の飛行機は飛べない占領状態なのですよ。
主権回復と言いたいなら、せめて首都東京の空ぐらい日本側が取り戻したいものですね。
27度以南 (ちくわ)
2013-04-10 14:56:45
沖縄西部、台湾北部、中国東部まで自国のみ取り締まりとは、かなり特殊な海域ですね。
おそらく中台の、突発的な事故、軍事衝突をさけたいというのが主目的なのでしょう。
そこで騒ぎを起こせば当然米国からも睨まれる。
最近急にアピールしはじめたPM2,5とやらは、国境問題は過激すぎるので、それに代わる反中プロパガンダなのだと自分は推測しています。
米中密約か?日米密約か? (宗純)
2013-04-11 09:09:36
ちくわさん、コメントありがとうございます。

『27度以南』の意味とは、1972年まで米軍が施政権を握っていた海域ですね。
1972年に沖縄県が日本に復帰した時に日本を分断するこの27度線の境界線が消えていた筈なのですよ。
ところが、今だに消えていず残っているのですから不思議なのです。72年の沖縄復帰時点で『27度以南(沖縄)は特別扱いする』との何らかの取り決めが日米の間で極秘に結ばれていた(日本が強制された)可能性が高いのですよ。
それならこれは主役が日本でも中国でもなくてアメリカですね。
昨日10日に台湾との漁業協定調印で合意したのですが、これが摩訶不思議な代物で、『台湾 尖閣領土問題棚上げ 日本と漁業協定に調印』とあるが、
尖閣諸島の領土問題を棚上げしたのは、実効支配している日本が主であり、実効支配していない台湾は従。
日中国交回復時の尖閣棚上げ論も関係する両国が合意したから一方だけの主張では『棚上げ論』は成立しない。
この問題に関しては台湾側には主導権がそもそもない。
ところが日本のマスコミは事実を正反対に『台湾だけが棚上げした』と描いているのですね。
しかも、この記事冒頭に掲げた日中業業協定の地図なら、一応は日中双方が対等であるとの体裁をとっている。
(中国船を日本が取り締まれないように、逆に日本漁船が中国沿岸で操業しても中国の監視船は取締出来ない)
ところがこの台湾との漁業協定では一方的に台湾船だけが沖縄海域で操業できるとの不公平条約。
沖縄県知事が一方的な譲りすぎを指摘する程の内容ですが、産経新聞によるとアメリカの圧力があったようなのですね。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

4 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
凋落 (反戦塾)
「凋落」という言葉がある。失礼ながら、小沢一郎、石原慎太郎ご両人に捧げたい。かくいう塾頭も、石原さんより先に生まれているいるので、そんな高いところにいたことはな
憲法9条改悪を企む者は反逆者と呼ばねばならない (Dendrodium)
現在の日本では憲法を変えようとする勢力を保守と言い、 憲法を変えまいとする勢力を革新と言っているようである。 憲法という国の基本的な法律を変えたがる勢力が、保守派といわれるのはおかしくはないだろ...
茶色の朝の恐怖 (黄泉の国から)
もう十年近く前のことを急に思い出した。けさ目覚め時、茶色に染まっていくような幻想に眩暈を覚えたがこれは絶対に脳梗塞のせいではないと思う。ついこないだMRIで脳の画像に別段 ...
地獄への片道切符を喜ぶ庶民。安倍内閣マンセー (黄泉の国から)
国家的詐欺のセレモニーはかくして行われ、予定通り国民は浮かれた。本当に騙されやすい国民のなかでもとりわけ強欲な白痴たちは朝から狂乱したが、プロや外人投資家の目は厳しか ...