逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

Tells it like it is

2016年03月05日 | 政治
日本の発明王ドクター中松は共和党大統領候補としてトップを走るトランプ氏の護身用に手裏剣を内蔵した金髪のカツラを考案した。写真はトランプ風のカツラをかぶったバラク・オバマ大統領(想像図)

『本当のことを言え!』(Tells it like it is)

アメリカ大統領選挙で自称民主社会主義者で出馬当時は数%の支持率しかなかった泡沫候補扱いのサンダースが絶対的な本命候補のクリントンに対して善戦している原因ですが、既存の政治家(エスタブリッシュメント Establishment)に対する幻滅というか反感らしい。(現在獲得した代議員数はクリントン554人、サンダース349人)
同じことが共和党にも言えて当初本命視されていたフロリダ州知事(ブッシュ家の3人目)は早々と脱落し、有能な実業家ではあるが政治家としてまったくの素人のトランプが支持されている大きな原因が既存の政治家に対する反感の強さである。
今のアメリカの多くの有権者に『今の政治家は嘘ばかりだ!』(サンダース、あるいはトランプは『本当のことを言っている!』)と思われているのです。
そしてクリントンの後塵を拝する支持率2位の民主党のサンダースも共和党大統領候補としてトップのトランプも、実は投票総数の4割程度(5割弱)の支持を集めている。(共和党の獲得代議員数は、トランプ285人、クルーズ161人、ルビオ氏87人)
一般大衆の政治不信というか、政治家不信が彼らの躍進の原動力ですが、暴言王のトランプと良く似ていると言われている日本の橋下徹(維新)の不思議な人気も同じ。
マスコミですが、橋下の些末な主張は取り上げるが、肝心の一番大事な主張を取り上げない不思議。
橋下ですが、その場その場で主張がくるくる都合よく変わる。(橋下徹の持論は戸塚ヨットスクールを支援する石原慎太郎と同じ体罰容認論者(体罰大賛成)だったのに、体罰教師の暴行で桜宮高校バスケ部主将の自殺での世論の風向きの変化に反応して、180度逆のことを言いだしている)
ポピュリズムの権化というか世論の風向きを見るに敏なので突然主張が変化するが、ところが橋下徹が初当選以来一貫して変わらずに言っているのが『一期限り、二期目はない』(職業政治家は駄目だ)で、これは実は自分が作った維新の会の議員に対しても言い続けていた。
政治家(プロ)による政治(政党政治???)を、頭から否定した橋下徹を圧倒的な日本人の有権者が支持したのですから、これは政治的な実績がないことが逆にプラスに働いたアメリカのトランプ現象とかサンダースの躍進と同じである。
外務省国際情報局長(日本版CIA?)だった孫崎 享は3月3日、
‏@magosaki_ukeru 『トランプの勝因、NYT[スーパーチューズディでの全ての州投票でトランプ支持理由の①が事実をありのままに述べる(Tells it like it is)、②がアウトサイダーであることとしている。米国民が現在の米国政治に幻滅を感じているか、政治家を信用していないか示す。この要因存続。』とツイートしている。
『どんぐりの背比べ』団子レースの潰し合いを演じる共和党と対照的なのが民主党で、元ファーストレディ(大統領夫人)で現オバマ政権のナンバー2の国務長官だった大本命のヒラリー・クリントンが、知名度で他を圧倒して独走しているはずが、泡沫候補だと思われていたサンダースにしぶとく粘られている。
政治実績でも全国的知名度でも抜きんでている超有力候補のクリントンのまさかの苦戦ですが、原因は簡単で今までのヒラリー・クリントンの並外れた実績とか知名度による『誰よりも嘘つきだ』との有権者の一致した評価なのである。
孫崎 享は2月15日、『ヒラリー。次の大統領選挙でヒラリーが選ばれる可能性は高い。しかし、この人ほど嘘をついてきた米国政治家そんなにいない』とツイートしている。(有権者の8割がクリントンでないと本選挙に勝てないと思っているが、同時に9割がサンダースの方が正直『クリントンが嘘つき』だと思っている)


『LIAR!LIAR!(嘘つきだ)の大合唱』
孫崎 享 ‏@magosaki_ukeru 今日の政治漫画: トランプ、クルーズ、ルビオ、ブッシュ共和党討論会で互いが相手をうそつきと非難、聴衆「彼らもやっと本当のこと、いうようになったわ」18日Tom Toles

『欧米主要マスコミの異様な「トランプ叩き」の原因とは、トランプだけが他の政治家と違い「本当のこと」を言いそうだから』

抜きんでた有力候補が一人もいない『団子レース』どんぐりの背比べの共和党大統領候補の中で『メキシコとの国境に壁を建設しよう』と主張しているのはトップを走っているトランプ氏だけではない。共和党の場合には候補者全員が同じ主張をしている。
ところが、イギリスのガーディアンやエコノミスト、アメリカのワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルなどの欧米の主要マスメディアは何故かトランプ候補だけを標的にして個人攻撃を繰り返している。
政治的な危険度を冷静に見れば、言いたい放題のトランプよりも対テロ戦争対策で絨緞爆撃でイスラム国(ISIS)を殲滅すると主張する支持率2位のクルーズ(宗教右派の狂信者で『破壊王』の異名がある)や、イラク戦争の泥沼にアメリカを引きずりこんだネオコンや軍産複合体に最も近い支持率3位のルビオの方が遥かに危ない。
現オバマ政権が進めているTPPに対してはルビオ以外の民主も共和も無関係に大統領候補の全員が反対で一致している。
オバマ政権の国務長官だったクリントンさえ対抗馬のサンダースが強硬な反対派なので仕方なしに反対しているのか、それとも民主党の支持基盤である総同盟産別会議が反対しているからか、その原因は不明だが、当面の選挙対策として『TPP反対』を表明している。(今後11月の本選挙で誰が大統領になってもTPP批准がすんなり通る見込みは限りなく低い。必ず大騒動に発展する)
孫崎 享は3月4日、『トランプとイスラエル』:『過去ほぼ全て大統領候補は米国イスラエル・ロビーに出かけその支持を取り付けていた。米国政治家は(ウォールストリート街の)。ユダヤの金融と組織を必要とした)。トルンプはこれがない。(自分自身が大量の不動産を持つ大富豪であり、ゴールドマン・サックスなど金融資本に支配されない)
(もしもトランプがアメリカ大統領になれば)イスラエル国内では米国政治家とイスラエルの特別な関係が解消されるのでないかと危惧。『トランプ批判文書』の署名学者がイスラエル寄りだった事実を指摘する。(全く同じ発言なのにトランプだけを叩くマスコミの不思議の説明としては一番説得力がある)

『次期アメリカ大統領に一番近いクリントンに対する「木霊の宿る町」の的確で怖ろしい指摘』

現在カナダ・バンクーバー在住の『木霊の宿る町』のブログ管理者のおのまさんによると、今の民主共和両党の大統領候補の中でも、軍産複合体やイスラエルに最も近くて、一番危ない『戦争屋』が、今の民主党の支持率トップのヒラリー・クリントンだと警告している。
クリントンに対する判断では何十年も海外で暮らしているおのまさん(木霊の宿る町)と、この『逝きし世の面影』とはまったく同じ考えかたです。クリントンが危険な戦争屋であることは明らか。
2年前の2014年初頭に起きたネオナチを使った無差別テロ(デモ隊や警官隊など100人以上が死亡した銃撃事件)に便乗した政変(親ロ派大統領をクーデターで追放した)を画策したとされるヌーラントは、クリントン国務長官の部下であり、(アメリカのネオコンが主導したらしい)ウクライナ紛争にクリントンが深く関与している疑惑があります。
逆に、暴言王だとマスコミに叩かれているトランプですが、この人物が一番今のアメリカではまともらしいのである。(アメリカがこれらの外国の政変に関与するのに反対している)
『リアリストである』とトランプを評価する意見が出ているのですが、ワシントンポストなどのトランプ叩きよりもよほどまともに思えますね。
このほか他の候補とは違い、トランプだけが地球温暖化問題をインチキ(特殊詐欺?)だと主張しているのも愉快ですね。アウトサイダーのトランプ(あるいはサンダース)だけが、今のアメリカを変えてくれそうだ(暴走を止めてくれそうだ)とアメリカの多くの有権者が思っていることだけは確かでしょう。


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2 コメント

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大統領候補のヒラリー元国務長官の主導したリビア空爆を忘れてはいけない (鳩と共生)
2016-03-05 17:21:36
以前 同じ名前で投稿した者です。

私自身 こういった政治情勢に詳しくないので何とも言えませんが 軍事産業や金融界から献金を受けている大統領では思い切った政策は出来ないと思います。

そういう意味では 共和党のトランプさん以外の候補や民主党の ヒラリー・クリントン候補では今まで通りの戦争外交の継続となる可能性が高いと思いますし国内のの貧困層・ホームレス救済や格差を是正する事も出来ないと思います。 

元レバノン大使の天木直人さんのブログで知りましたが その中に 内部告発サイト ウィキリークスの代表 ジュリアン・アサンジュ氏の言葉が掲載されていて「ヒラリーの関わった機密外電を何千通も入手し、読んだが、彼女は感情的に人を殺す、戦争大好きな超タカ派だ。絶対に投票してはいけない。ヒラリーはリビアに介入して大失敗したが、もし大統領になったら、もっと酷い介入をやるだろう。」とありましたがまさに私の思った事を凝縮した様な話でした。

国務長官時代 リビアをNATOの空爆と過激派傭兵を使い国家転覆し カダフィ大佐が殺され その一報を聞いた時の満面の笑みを私は忘れません。

個人献金の民主党 サンダース候補 や 共和党で資産家のトランプ候補が大統領になったら アメリカ支配層にとって予想外でシナリオが狂いそうです。
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「木霊の宿る町」のおのまさん (宗純)
2016-03-06 11:02:08
鳩と共生さん、コメントありがとうございます。

カナダのバンクーバー在住の「木霊の宿る町」のおのまさんによると、今の民主共和両党の大統領候補の中でも、軍産複合体やイスラエルに最も近くて、一番危ない戦争屋が、今の民主党の支持率トップのヒラリー・クリントンだと警告しているが、私もまったく同じ考えです。
2年前の2014年初めのネオナチを使った親ロ派大統領をクーデターを画策したヌーラントは、クリントン国務長官の部下であり、クリントンが深く関与している疑惑があります。
逆に、暴言王だとマスコミに叩かれているトランプですが、この人物が一番今のアメリカではまともらしいのですよ。
『リアリストである』とトランプを評価する意見が出ているのですが、ワシントンポストなどのトランプ叩きよりもよほどまともに思えますね。
このほか他の候補とは違い、トランプだけが地球温暖化問題をインチキ(特殊詐欺?)だと主張しているのも愉快ですね。
トランプ(あるいはサンダース)だけがアメリカを変えてくれそうだとアメリカの多くの有権者が思っていることだけは確かでしょう。
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