逝きし世の面影

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三井環元大阪高検公安部長・実刑確定『内部告発の口封じ』

2008年08月31日 | 社会
元大阪高検部長・三井被告の実刑確定へ、最高裁決定

捜査情報を得ようとした元暴力団組員から飲食や女性の接待を受けたなどとして、収賄や公務員職権乱用などの罪に問われた元大阪高検公安部長・三井環(たまき)被告(64)の上告審で、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は、被告の上告を棄却する決定をした。27日付。懲役1年8カ月、追徴金約22万円の実刑が確定する。

 三井被告は02年4月に大阪地検特捜部に逮捕された当時、検察庁の調査活動費が裏金として飲食などに流用されている疑惑を実名で告発しようとしていた。そのため、「口封じのための逮捕だった」と無罪を主張していた。




三井 環
1944年愛媛県新居郡角野町(新居浜市)生まれ。
県立松山東高校を経て中央大学法学部卒業。1970年司法試験に合格、司法修習(第24期)を経て1972年に検事任官。
京都、福岡、神戸、鹿児島、大阪の各地検検事を経て、1988年高知地検次席検事。高松地検次席検事、大阪高検検事、名古屋高検総務部長を経て、1999年大阪高検公安部長。


大阪高検公安部長時代に検察庁の調査活動費の裏金使用を内部告発。

2002年4月22日三井氏は裏金問題に関してテレビ朝日の報道番組『ザ・スクープ』の収録ならびに『週刊朝日』副編集長との対談が予定されていた。
現職検察幹部が初めて裏金問題について実名で証言するビデオ収録当日の朝に詐欺罪の容疑で逮捕された。
(其の後この逮捕容疑の詐欺罪では起訴されたが罰則はなし)
マスコミからは検察による口封じであると批判され、『ザ・スクープ』をはじめテレビや新聞、週刊誌でも口封じ逮捕に関する特集が組まれる事態へと発展した。

その後、元暴力団組員から利益供与を受けたとして、収賄罪や公務員職権乱用罪で起訴される。

2005年2月1日、大阪地裁(宮崎英一裁判長)は三井氏に対して懲役1年8ヶ月、追徴金約22万円の実刑判決を下した。
判決前にほぼ同じ判決文が政界に流布する事件が起こっている。
三井は控訴するも、判決言い渡しから4ヶ月が経過しても、判決の全文が出て来ず、控訴趣意書を書けない異常事態になっていた。
2007年1月15日、大阪高裁(若原正樹裁判長)は控訴を棄却、地裁の実刑判決を支持した。
三井氏は上告するも2008年8月29日最高裁(中川了滋裁判長)上告棄却決定。




『内部告発の口封じ』でっち上げ冤罪事件

検察の5億円以上の裏金疑惑を告発していた三井環氏に、1年8月の実刑判決が下った。
三井氏の指摘した裏金疑惑の真偽は、5億円以上あった調査活動費が告発後に数千万円に一気に急減したことで事実と証明されている。

三井氏は自身の犯罪容疑そのものを否定しているが、百歩譲ってそこに何らかの犯罪要件が成立していたとしても、三井氏の容疑は22万円程度の接待だの、住んでいない住所に住民票を移しただのといった、微罪も微罪、社会通念上は到底犯罪とは呼べないもので、今回のような実刑判決になるなどは別の理由があった。

今回、5億円以上の検察調査活動費が、検察幹部たちの私的な飲み食いに使われている事を告発ようとした三井環大阪高検公安部長が、逆に告発されそうになった悪徳検察幹部に嵌められて最高裁で1年8ヶ月の実刑が確定しています。
最高裁判所の言い分が正しいとして、22万円の接待で2年弱の懲役刑ですよ。
5億円なら懲役5000年分です。
この数字なら、日本の検察幹部が全員刑務所送りになる勘定です。
日本の司法は、腐敗の限度を知りません。
三井氏は、殆ど全ての検察幹部が関わっていた裏金の私的流用を内部告発する。
日本の司法当局は、無法悪徳幹部を捕まえず、その代わりに、罰しなければならない悪党の身代わりに告発した側の三井氏一人を処罰した。


検察は三井氏が検察の裏金疑惑に関して実名でテレビインタビューを受けることになっていた日の朝、三井氏を『超微罪』で逮捕し300日以上の勾留を続けた。

三井氏に実刑判決を下した、その裁判所さえもが判決の中で、裏金疑惑の糾明が必要であると指摘しているにもかかわらず、当時の南野法相は『調査の必要無し』と拒否する。
検察のトップにまで及ぶ5億数千万円の「調査活動費」裏金疑惑問題と、三井氏に対する22万円の接待疑惑の余りの落差に言葉も無い。

暴力団組員からの接待疑惑も、この当該組員の証言以外の具体的は証拠は無い。
この組員の有罪証言は、検察庁が暴力団に泣き付いて、助けてもらったと見る報道関係者も多い。





『権力は腐敗する、』

世界中の市民が知っている筈の『権力は腐敗する』を知らない日本人が多くいるんでしょう。
警察や検察、裁判所の悪事を取り締まる制度(機関)が無い。
しかも一般市民の信頼感は世界一。
日本の警察、検察裁判所は絶対に悪い事はしないと信じている。
自分が冤罪で捕まって初めて権力(警察)の真実の姿を見るが、それでもまだ権力(裁判所)を信じている。

三井氏の様にでっち上げ事件の関係者は事実関係で争うので、裁判官は『反省していない。悪質である』として実刑にする。
何やら痴漢冤罪事件と良く似た構図になっている。
本物の痴漢は、罪を認めるので直ぐ釈放され数万円の罰金刑で済む。
それに対し自分の罪を認めない無実の人は、謝罪しないので数ヶ月の拘留と其の後の裁判でも重罰が待っている。
日本のように、逮捕された時の選択肢が『謝罪しかない』では、『最近の日本の民主主義のレベル』は江戸時代よりも悪化している。
このやり方は、金大中事件を引き起こした30年ほど前の韓国の軍事独裁政権のやり方に酷似しています。

今度の裁判を見ていると植草痴漢事件の話も眉唾もので植草元教授の指摘する様に、小泉純一朗や竹中平蔵の『巨大金融疑惑隠し』の話のほうが余程信憑性が出てきた。
逮捕送検して処罰する側の、警察、検察、裁判所などの司法は、誰からも告発されない立場なので悪事のやり放題、無責任のし放題。
三井氏の様な数少ない内部告発者には見せしめの厳罰が待っている。

日本の刑事裁判では99・9%の確率で有罪とされている。
テレビ番組では良くある無罪判決なんて、宝くじに当たるようなもので普通は有り得ない事柄です。

司法を裁くのは衆議院選挙の時の最高裁裁判官審査制度があるんですが、例年10%程度の×が付くだけ。
この腐敗している日本の司法の実像を知っている者は日本人の10人に1人で1割にも満たない極少数だと言う証明でしょう。
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6 コメント

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Unknown (恒久)
2008-08-31 16:24:39
これまた実刑確定ですか…

日本の三権は…

まともな言葉では表現できません!
怒りを通り越して呆れ果てました…
此処まで露骨だと (ブログ主)
2008-08-31 17:05:23
恥知らずにも程がある。
マスコミに告発する数時間前に超微罪で逮捕。
書類の不備などの形式犯で1年近くも拘留する。
ヤクザの組員の供応証言もインチキ臭いが、接待が本当であったとしても1万円で1ヶ月の懲役刑なんて常識はずれにも程がある。
これは内部告発者に対する報復としてしか理解できない。
イーホームズの藤田社長も、西宮冷凍の水谷社長も、植草一秀教授も内部告発者や真実を語る人たちは『悪人に口なし』で口封じされてしまう。
保守政治家の腐敗が指摘されて久しいが、まだ選挙がある政治家の方がましかもしれ無い。
高級官僚の腐敗の方が政治腐敗より進んでいる。
其の中でも他人に対する強制的な権力を持っている司法官僚の腐敗の方がより酷いようです。
TB有難うございました (わこ)
2008-09-01 17:00:41
三井検事の事件についての感想を記事にさせて頂きましたので、TBしました。

本当に気の滅入るような事件ですね。
司法改革、起訴権と国策捜査 (ブログ主)
2008-09-02 13:49:51
司法は大きい強いモノには思いやりがあり、小さい弱いものには過酷だ。
三菱商事が輸入豚肉の差額関税をトンネル会社まで作って42億円儲けた事件ではフジチクなどの同様事件では起訴して実刑判決になっているのに、起訴せず修正申告で誤魔化した。検察は起訴権を独占し、絶対的な権力を持っている。
権力は腐敗する、絶対権力は絶対腐敗する。
アメリカがあれ程無茶苦茶をやっても大丈夫なのは司法を選挙で選ぶ民主主義が有るからです。
警察署長とか検察官とか裁判官を選挙で選んでいれば日本の様な好き放題はし難くなる。
司法改革の順番が違う。
日本には、裁判員制度ではなく選挙制度の導入こそ求められている。

検察の起訴権の独占が諸悪の根源。
辻元清美が公設秘書給与詐欺で逮捕起訴されたが、『小池百合子の方がもっと酷い』と発言してマスコミからバッシングされていた。
絶対に表に出てこない小泉純一郎の公設秘書の実姉の話とか、国会議員みんながやっているのは公然の秘密で、逮捕起訴するかどうかは検察の胸三寸。
与党有力政治家であっても、加藤元幹事長や田中真紀子の様に邪魔になれば何時でも摘発する。
加藤紘一の場合には政治家の事務所と自宅が隣り同士でくっ付いていて電話代や電気代などが同一の会計処理がされていた個人商店と同程度の話。
議員辞職に追い込まれたが、みんなが全員やっている話で森首相を守るための国策捜査以外の何ものでもない。
加藤紘一や田中真紀子程の大物の与党の有力政治家あっても、お上に逆らえば警察に何時でも引張られるんですよ。
だから、みんな知っていても与野党とも黙って不正を見逃して、真実の内部告発なんて誰もやれない。
ましてや高知白バイ衝突事件の片岡晴彦元運転手の様な一般市民では手も足もでません。
何時の間にか日本には太平洋戦争末期の恐怖の憲兵政治が復活しているようです。
弁護団はつかなかったの? (ホタル)
2008-09-10 14:19:55
>この腐敗している日本の司法の実像を知っている者は日本人の10人に1人で1割にも満たない極少数だと言う証明でしょう。

確かに。私はその9人のうちの一人です。

こんな重大な問題で、弁護団はつかなかったのですか?日弁連などよく問題提起するのに、そこからも声無しだったのですか?
マスコミも取り上げ弁護士も付いたが (ブログ主)
2008-09-10 16:07:31
これは国家による犯罪、国家犯罪ですよ。

僅か一週間の間に、3つの明らかな権力によるでっち上げ冤罪事件での被告側(被害者側)の上告が最高裁で棄却されました。
これだけ冤罪事件(国家犯罪)が連続すると弁護士の能力とか何とかの問題ではない事が判る。

どんな条件でも時速10キロで1メートルのブレーキ痕は出来ない。
高知白バイ事故での冤罪事件は、日本では科学的事実よりも形式的な正当性のほうが優先する事を証明した。
お役所仕事の典型です。
書類さえ整っていれば事実は幾等でも曲げられる。


三井環元大阪高検公安部長の事件は露骨です。
なりふり構わず身内の高検ナンバー2の内部告発者に制裁を加えた。
何故なら三井環が正しいならそれ以外の2000人の検察官を捕まえなければならない。
最低でも幹部数百人を監獄送りにしなければならない。
そんな事は金輪際出来っこないので、当然三井環は実刑にして口封じするしかなかった。
リンチですな。この裁判は。結果は最初から判っていた。

西山事件では密約の存在を日米の当事者双方がが認めている。アメリカ政府も認めている。
証拠も証言もみんな揃っている。
当時の関係者全員が認めている。
しかし恥知らずなことに、日本政府だけが認めていない。
日本政府が認めなければ、当然日本の最高裁判所は認めない。
日本では、余りにも判りすぎる構造になっている。
『国家犯罪』とは国家が転覆でもしない限りは、滅多に国家自身が認めることは無い究極の犯罪行為です。

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