逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

自治体が造ったサラ金新銀行東京

2008年04月03日 | 地方自治

経営コンサルタント 大前研一さんのコラムによると。
「実はこの銀行の設立を最初に提案したのはわたし自身」
「メトロポリタン銀行」という名称で計画を進めていた」
提案したのは「石原都知事との食事での会話だった」
「『東京都が銀行を作ってはどうか』と手元資料を見ながら提案した」
ところ、翌日の新聞には
「石原メトロポリタン銀行構想」の文字が躍ったという。
 石原都知事は、
「大銀行にもできない中小企業の支援」と「ベンチャーへの支援」この二つを推進していくと言い出したのだ」。
「だが、それは政治家としての立場で考えたものであって、わたしのようなビジネスコンサルタントにとってはとんでもない話なのだ」・・・
「都知事にそこまで言われては‥‥ということで、わたしはメトロポリタン銀行特命プロジェクトから2002年の半ばに手を引いたのである」。

その後、銀行業務のプロのノウハウも引き継げるからと、日債銀を引き継ぐ形でやればどうかと提案したが、石原は「一度国民の税金を投入して救った銀行を、もう一度東京都が買うのは二重に投資したような印象を与えてしまうから、議会に説明できない」として拒否。

『最初のビジネスモデル自体が失敗。そんなこと3歳児でもわかる、として、責任は石原にある』
『強調しておくが、経営陣がおかしなことをやったためにこの銀行が傾いたのではない。ネギをしょったカモにした石原都知事に問題があったのだ。このままではいくら追加出資しても血の海から抜け出すことはできない』。と大前さんも言う。




『公的機関が作った高利貸し』

新銀行とカジノ構想は石原慎太郎の長年の夢のようですが、 しかし新銀行とは名ばかりで、実態はサラ金(高利貸し)です。
国民金融公庫の旧金利は2.2%で現在は2.5%程度。
他の金融機関から借り入れても3%程度で済むのに、貸出金利が12%最大14%とは真面目に営業している企業に、返せる金利ではない。
普通の素人が高利貸しに手を出して、無事には済まない。
借りた方は必ず破産か、倒産します。

カジノ経営でもいえることですが、高利貸しは、貸す方も素人では駄目で、当然玄人筋(ヤクザ&マフィア)の技術面でのバックアップが必要です。
ど素人の石原慎太郎氏、何で自分にサラ金やカジノの運営が出来ると思ったのか、実に不思議ですね。

中小企業を支援するなら、自治体の融資制度や、信用金庫の融資を保証する方法も有った。
中小企業支援は、基本的に地味な仕事です。
石原知事地味は嫌いで「一千億円の出資がやがては数兆の値になる」と大言壮語する何時もの癖が止まりません。
真面目な中小企業支援で、何で一千億が数兆円になるんですか。?
都は闇金でもヤル気だったのでしょうか。
目玉を売れ、腎臓を売れといって問題になった商工ローンの石原慎太郎バージョンを考えていたのでしょうか。?



『慎太郎の遊び』

銀行とカジノと言えばボードゲーム(タカラの人生ゲーム?)には欠かせない要素です。
東京オリンピック構想もありましたが、石原さんは東京都政を、自分が楽しむボードゲームのようなモノと考えているのでしょう。

ゲームと都政が違うところは、片一方(人生ゲーム)が幾等企業を倒産させても実害が無いところでしょう。
その代わり、成功しても少しも儲からない。

ところが実際の人生では、失敗は実際の損害として、本人が負担しなければ成らない決まりです。
その代わり成功すれば現実世界で、大儲け。自分で本当に大金が手に入る。
これはもうゲームよりは遥かに面白い。はずです。

400億円を追加融資に賛成した都議会議員の面々。
新銀行を無理やりごり押しした石原慎太郎都知事と其れを支持した都民のみなさん。
新銀行が成功すると、本当に思っているなら都の予算(公金)からの支出ではなく、新銀行東京債を創設して、賛成のみなさんが自分の金を注ぎ込むべきです。

『隗より始めよ』。先ず率先して、石原慎太郎都知事は、私財を全て処分して新銀行東京債購入にあてる。
400億円の追加融資に賛成した、自民党公明党議員の先生方も当然銀行債を購入してくださるでしょう。
勿論新銀行東京の幹部職員達も、積極的に私財で新銀行債を購入していただけるものと思います
石原氏を支持した市民もいくらかは購入するでしょうから、400億でも1000億でも簡単に集まります。

これはみなさん、目の色が変わることを請合います。
全財産がかかっているだけに関係者全員がマジに成りますよ。
これで新銀行東京の成功、間違いなし。

『金遣い』が、『他人が、他人の金を、他人の為に使う時』に適当、いい加減に成るのは、大金を投じて赤字道路を造り続ける国土交通省の高級官僚ならずとも、誰しも人の常である。
反対に、『自分で、自分の金を、自分の為に使う時』には必然的に、真面目に真剣に成る。







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4 コメント

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Unknown (ななし)
2008-04-03 17:26:31
この銀行の設立・運営に当たってはフランスのBNPパリバが絡んでますよね。
元を辿ればオランダだそうですが。
ここと石原氏や大前氏との関係はどうなんですかね?
おそらくユダヤ系金融資本だとは思いますが。
彼らの多くは不良債権ビジネスで大儲けしてますからねえ。
ダボス会議のボードメンバーに石原氏が入ってる事と関係があるんでしょうかね~。
パリバがどれくらい儲けたのかも気になります。
石原氏や小泉氏もそうですが、この国では右翼を偽装した売国奴がはびこってる気がしますね。
彼らの正体は一体何なんでしょうね。
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TB有り難うございます (早雲)
2008-04-03 18:05:32
米国の「デフォルト宣言」→新世界通貨体制
sun.ap.teacup.com/souun/431.html
返信する
国家主義とグローバリズムは相性が合う (ねこ)
2008-04-04 07:38:58
>石原氏や小泉氏もそうですが、この国では右翼を偽装した売国奴がはびこってる気がしますね。

国家主義者とグローバリスト(拝米主義者)は、ほとんど一致していますね。

その理由をいろいろかんがえたのですが、こんなことを考えてみた。

国家主義は、地方(市町村・村落。労組なども含む)に対しては相対的な「グローバル」。
だから、国家主義のスケールを世界レベルにすれば「世界レベルのグローバル」になるってことでしょうか。


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コメント有難う御座います (ブログ主)
2008-04-04 09:02:11
ななしさん。
この銀行は、出発点から可笑しいですね。
大前氏は日本の日債銀を買えといったらしいが、石原慎太郎はフランス嫌いの癖に、フランスのBNPパリバ信託銀行を買収して事業を始めている。
通常は、イーバンク銀行やソニー銀行、セブン銀行といった新しい銀行には何度も監督官庁から金融検査が入っている。
しかし、新銀行が設立以来3年間、一度も金融庁が検査に入っていない。なんてことは、普通ありえない。(一度も検査なし)
新銀行からの報告書も議会には明らかにされていない。
知らされていない隠されている闇は、みんなの想像以上に大きいでしょう。


ねこさん。
国家主義者とグローバリストは、ほとんど一致→
国家主義は、地方に対しては相対的な「グローバル」→
国家主義のスケールを世界レベルにすれば「世界レベルのグローバル」になる。

思わず賛成したくなる、実にユニークな考えだと思います。(論理的でも有る)

ただこの考えには、そもそもの『国家主義とは何か?』から始まっていない欠点が有る。
では国家主義とは何か。国家とは何か。?国家の実態とは何か。?
国家主義者にとっての『国家』とは、自分という小さい一個人の存在から比べれば、殆ど無限大に巨大で強力な存在です。
その巨大な存在の『国家』と、自分個人の存在意義を同一視するのが国家主義です。(反対に、国家と自分を、対立していると考えるのが社会主義)
簡単に言い換えると、強いものにピッタリとくっ付いて自分も強くなった(なりたい)と思いたいのですよ。
事大主義の一変形ですね。
国家主義には元々事大主義的な特性があった。

これなら>国家主義者とグローバリスト(拝米主義者)は、ほとんど一致している<不思議が簡単に理解できると思います。
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