逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

4年経っても不明な3・11東日本大震災による大津波の波高

2015年03月12日 | 政治
目に見えぬ 魔物に大地は 閉ざされし
ものみな失せて 雪のみぞ降る

亀井静香

『3・10東京大空襲から70年。3・11大震災から4年』

第二次世界大戦敗北から十数年後に『もはや戦後ではない』との言葉が世間で言われだしたころ、厚生省が日本人の戦争による死者数が320万人だと発表したが、これは確実な資料からの数字では無くて、あくまで推測値。本当の実数はもっと多くて350万人を超えているとも言われている。
70年前に東京都はアメリカのB29の人口密集地に対する絨毯爆撃で1945年3月10日の1日だけで10万人が死亡している。
4年前の3・11大震災の死者行方不明者約1・8万人のうちで地震によるものは1割以下で、被害者の大部分は地震の半時間後に襲った大津波の犠牲者である。
ところが、その肝心の大津波の『波高』がいまだに判らない。管轄する気象庁とか国土交通省の正式発表が何処にもないのである。
3・11大震災ですが被害の大部分を占めるのは震源地に近い宮城県や岩手県であり、宮城岩手の2県に比べれば福島県の被害人数は一桁低いことから推測されるのは、津波高でも岩手宮城に比べれば数分の一であった。(3・11当時の地元紙の発表では3メートル。東電の発表では7メートル)
ところが極悪『原子力ムラ』は、震源地に一番近い東北電力の女川原子力発電所と襲った大津波と同じ『15メートルの大津波』がフクシマ第一原子力発電を襲ったと数日後にマスコミに対して真っ赤な嘘を発表している。
無能無責任の日本政府は国連のIAEA(国際原子力機構)に対する公式報告書でも、極悪原子力ムラの『15メートルの大津波』と嘘に嘘を重ねる始末。日本軍の暴走を止めることが出来ず、渋々事後承認した無力な帝国政府と同じなのです。
結果、気象庁や国土交通省としては青森県や岩手県、宮城県の津波高は発表出来ても、メルトダウン事故のフクシマの津波高が発表したくても出来ないのである。

『3・11から半年後の世界』毎日新聞8月29日(月)「東日本大震災の津波の痕跡」

2011年の毎日新聞8月29日(月)朝刊では、見開き全紙二ページにもわたる『定説覆してM9地震』と題する大特集を行っている。
その、毎日新聞掲載されていた『東日本大震災の津波の痕跡』と題する津波高の『図』が、毎日新聞の公式ウェブサイト上に無い。
ところが1日以上経った30日昼AM12時の少し前に突然ウェブ記事が差し替えられて、それまで削除されていた(ブログ記事上↑に示した)『津波の波高図』が表れる。
マスコミにとって幾ら不都合な隠したい情報でも、そもそも一度新聞紙上に公に書いたものは当人の毎日新聞が頑張っても無理である。
どれだけ努力しても最早隠蔽出来ない。
毎日新聞の『東日本大震災の津波の痕跡』は、『東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループの図を基にして作成』とある。
気象庁とか国土交通省とは無関係なのである。
4年前の3・11大震災の被害の9割は津波であり、その津波の本体は、宮城県北部の男鹿半島から岩手県三陸海岸に集中している。
原発事故が起きた福島県や青森県茨城県の津波高は、数分の1以下の小さな規模。(毎日新聞の図では一目瞭然で、津波被害は岩手宮城の二県でありフクシマの被害は青森県と同程度だった)



岩手県や宮城県は1896年の『明治三陸津波』、1933年『昭和三陸津波』と、百年程度の間に二度の大津波被害を受けている。
この被災体験の教訓を生かして『津波防災の町』として知られる岩手県宮古市田老町(旧田老町)では巨大防潮堤(高さ約10メートル)をはりめぐらせて、別名『田老万里の長城』として観光名所にもなっていた。
東京電力は大震災直後の3月11日に発表していた津波高7メートルを、『想定外の大津波』との宣伝目的で、原発が爆発した直後の大騒動のドサクサに紛れて、それまでの数値を倍増する。
それ以降は悪質極まる『想定外』の印象操作の目的で破廉恥で厚かましい大法螺である『15メートルの大津波』のデマを垂れ流していた。
デマ報道を続けて2ヶ月が経過した後に、十分に国民が洗脳されたと勘違いして(田老町と同じ)『10メートルの防波堤だった福島第一』なる夜郎自大な、あまりの阿呆臭さに開いた口がふさがらない馬鹿馬鹿しい不見識な『笑い話』を真面目な顔で語っている。
東電や日本のメディアは、日本の一般市民全員の目が節穴だとでも思っているようだが、人を舐めるのも程々にして欲しいものです。
上の田老の本物の、10メートルの防波堤と見比べて欲しい。
誰が見ても東電福島第一原発の防波堤と田老町の防波堤では桁違いの大きさで、『同じ』には見えない。



3月11日の大震災時に7メートルだった津波高の東電発表が、翌日の原発事故後から14~15メートルに2倍増する悪質な印象操作を繰り返していた。
2ヵ月以上経ってから東京電力は津波当日の映像を公開する。
毎日系テレビでは『10メートルの堤防を越える14メートルの大津波』とのニュースキャスターの説明に、日頃は知性や教養を感じさせない芸(B層庶民の代表?)が売りのみのもんたが『これ(堤防)、本当に10メートルもあるのですか』と驚きの声を上げる代物。
誰が見ても写真は何処にでも有る普通の堤防であり、高さはせいぜい3~5メートルに見える。
田老万里の長城とも呼ばれた、本当に10メートルの高さがあった田老の大堤防とは大違いである。
絶対に同じ10メートルには見えない。
その後、毎日テレビのニュースキャスターとみのもんたの間で、『はい、10メートルあるんです。』、『これ、本当に有るんですか』、『10メートル有るんです』、『これ、本当にあるんですか』、『10メートルあるんです。!』と何回も同じ珍妙なやり取りが繰り返される。
どんな漫才よりも面白いこの掛け合いに対し、他の何人もいるコメンティーターは全員が黙して語らず。
そんなに東京電力が怖いのか。!
お馬鹿にしか見えないみのもんたでも少しは判断力や懐疑心が残っていたようですが、大手メディアのニュースキャスターには残念ながら普通の判断力も懐疑心も無いばかりか、大人でなくても幼児にも有る筈の最低限の羞恥心さえも、まったく残っていなかった。

『政治家、官僚組織、産業界、原子力学会、報道機関が結託した利権ペンタゴン』政官産学報、既得権益「鉄の五角形」

津波高と一言でいっても色々あり、 国土交通省港湾局のGPS波浪計は釜石沖合20km、水深204m地点で最大6.7mの津波高を観測している。沿岸ではこの2~3倍の高さの津波が襲来したものと推測されます。
気象庁発表は港湾に設置されている験潮所の波高計や津波計の測定し、津波が沿岸部に到達した地点の高さを測るが、福島県で観測された津波高は相馬市7・3mいわき市小名浜で3・3mだった。
福島第一原発ですが、相馬市といわき市小名浜の中間地点なのですから、その津波の高さも7・3mから3・3mの中間だったと推測される。
絶対に日本政府がIAEAに報告した『15メートルの大津波』ではない。
東電とか日本政府の発表が大嘘だったことだけは間違いないが、その意識的な大誤報(大本営発表)をマスコミ全員で4年間も大合唱しているのである。
『津波高』ですが、それ以外にも波の先端が到達した津波の『遡上高』では今回の大震災では39メートル以上が確認されているが、善意に解釈すれば東電発表の地震当日の7メートルは沿岸で測る津波高で、原発事故後に出された14メートルは遡上高であると、可也苦しいが判断出来る。

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4 コメント

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遠望写真 (のすひろ)
2015-03-13 15:22:14
この最初の写真がは田老の港でしょうか?

高知県の室津港の堤防は20m角、高さ10mを超すケーソンの上に5mほどのコンクリートを打った堤防ですのでまさしく10mの堤防と言えますが、かつお船の長い竿先(アウトリガー)はたとえ満潮時であってもその堤防を越すことはありません。
その堤防の上部は広いとは福島第1の堤防のように広くはなく歩くのに恐怖を覚えるほど。


記事内容にある長城と呼ばれる10mの堤防ですが、被災後の写真などで見ますと実際の高さは6mほど、海抜で言うと10mになるようです。
最初にある写真の堤防はおそらく5mほどのどこにでもある堤防で、これと同程度なのが2枚目の福島第1の堤防だと思います。
国交省に図面を見せろと言えばはっきりするでしょうが、どなたか問い合わせたのかその記事にこの堤防は5~7mだとありますが、台船と比較してもその程度の堤防だと感じられます、勿論ここの津波が15mも無かったことは普通に考えられる人なら知っていますでしょうね。



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のすひろさん、コメント有難う御座います (宗純)
2015-03-14 11:46:56
コメント内容が意味不明です。
堤防の高さですが、これは海面からの高さを示しているものですよ。10メートルなら3階建てのビルと同じ程度。
一番最初の写真には100トン級の大型漁船とか1000トン級の作業船が映っており、その大きさから推察しても海抜10メートルの田老町の万里の長城であることは明らか。
通常の防波堤では3~5m程度なのは誰でもが知っているのです。
10メートルでは費用も嵩むし場所もとる。10メートルの防波堤の有るのは特殊な地域だけなのです。
青森とか北海道の一部には、台風並みに発達するオホーツク低気圧の季節風のための風除けの10メートルの高さの暴風壁も設置されています。
岩手県の田老町では、今までの大津波の被害から守る目的で、10メートルの高さにしている。
高知県の場合ですが、これは台風での高潮や高波用に作られているのですから、同じように10メートルを超えていても、津波用とは違うので、厚みが薄い。
似ていてもまったくの別物です。
そして、福島県の漁港ですが、何処にも10メートルの防波堤はありません。
もちろん福島第一原発の防波堤も10メートルも無いことは、全員が知っているのですよ。
10メートルの高さは原子炉建屋があった敷地ですよ。ただし海側に傾斜をつけているので、海側は10メートルより低い。
原子炉の敷地よりも数メートル低い位置に写真にも映っている非常用発電機の燃料タンクなど、数々の関連施設が建設されていたが、この高さが多分6~7メートルです。
その燃料タンクの設置されていた敷地よりも数メートル低い位置にあるのが今回問題としている防波堤です。
多分3メートル程度ですよ、最大でも5mよりも低い。
そもそもこの防波堤ですが、通常の船を守る為の港湾施設では無いのですよ。
全ての日本の原子力発電所には、普通の漁港よりも立派な堤防が有るが、別に資材を海から搬入するとの意味ではない。
これ、原子炉の冷却水の取り入れ口の保安目的であり、取水口の保護以外の意味が無いのです。
原発ですが、通常の運転中には膨大な海水を取り入れて、原子炉を冷やしているのですよ。温排水は全て垂れ流す構造であり、港湾施設の意味とは、巨大な大河だったのです。だから防波堤が必要だった。
この写真を見れば一目瞭然です。
東京電力広瀬社長「来年度中に汚染水浄化完了」と海洋投棄を宣言
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/2d8a9da80bf7133443cefb7aa34fc28d

2013年09月27日 | 放射能と情報操作

この写真では事故前の稼働中の福島第一原発の姿が映っているが、全ての疑問に答えてくれるでしょう。
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津波の高さ (農婦)
2015-03-15 15:52:56
宮城県でも津波の高さは所によって、地形の違いで皆違います。私の住んでた所は志津川湾の一番おくでしたから津波は16メーターですが、塩釜は湾では無いの3 メーターくらいです、松島は、点在する島が津波の勢いを弱めたと言うことで、1メーターも波は上がりませんでした。女川原発も電源が一つだけ残ったそうで、すんでのところで、くいとめたのだそうです。
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農婦さん、コメント有難うござます (宗純)
2015-03-15 16:17:30
この、『津波の高さは所によって、地形の違いで皆違います。』と言うのは、いわゆる、『遡上高』のことですね。
気象庁が津波警報で発表する『津波高』は、地形には関係なくて、津波が海岸に押し寄せた時の高さを示しています。
ところが、今回の3・11大震災では、津波高の発表が4年も経ったのに、福島県では、いまだに誰も行わない。これは政府がIAEA(国際原子力機構)に『10メートルの堤防を越える15メートルの大津波』とのアホ臭い法螺話を公式報告として行って仕舞った手前、誰も怖がって違う数字を出すことを躊躇した結果です。
疑問を口に出したタレントのみのもんたは、すぐさま掟破りの見せしめにバッシングされています。
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