逝きし世の面影

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太陽黒点が消えた。何時始まる第24太陽活動周期

2009年06月14日 | 地球温暖化

太陽の黒点の数は、約11年の周期(サイクル)で増減し、 前回のサイクル(第23太陽活動周期)は、1996年から始まり、2001年 ごろが(黒点の数が最も多くなる)極大期でした。
2008年1月4日、京大付属天文台が『太陽活動 新周期へ突入』と、太陽の新しい活動サイクルの始まりを告げる黒点が観測されたとして、『第24太陽活動周期』の始まりを宣言していた。 
今までの太陽黒点のサイクルなら、08年から活発に出現し、2011~2013年頃にはピークを迎えることになっている筈だった。
ところが活発になるはずの年である2008年の8月には、ついに太陽表面の黒点がひとつも観測されなかった。
1カ月もの間黒点が消えたのは1913年以来の百年ぶりのことです。
現在は2012年~2013年の極大期に向けて黒点が増え始める時期のはずなのだが、なぜか増えずに黒点が消えてしまったのである。
2006年~2007年の極小期にもわずかながら黒点は出現していたのに、今はそれよりも太陽活動が不活発になってしまっている。

『米海洋大気局(NOAA)活動周期予想』

其れによると、次の太陽活動が極大になるのは2013年であるが、その時の黒点出現数(月平均値)は90個程度で、極大時の黒点数としては1928年の78個以来の少なさになると予想されています。




『太陽の活動低下』

太陽・宇宙探査機「ユリシーズ」の観測データから、太陽の黒点数が減少し、太陽風や太陽磁場が、この50年観測された中で最も弱まっていることが分かった。
太陽圏とは太陽風の影響下にある広大な領域で、冥王星軌道を越えてはるか先まで広がっている。
その境界では、宇宙の深奥から流入する生命にとって危険な銀河宇宙線をブロックし、地球をはじめとする各惑星の盾となっている。

ユリシーズ内の実験の一部を主導するサウスウエスト研究所のデイビッド・マコーマス氏は、
『これは重大な変化だ。太陽全体の活動が10~15年前に比べてかなり低下している。観測史上、これほど長い低迷期が続いたことはない。』
『今回観測された太陽風はこれまでの最小記録を大幅に塗り替えるほど弱いものだった。』
そして、その状態が予想以上に長く続いている。







『太陽黒点と磁場』

太陽の表面温度は6000℃もあるが、黒点の部分はそれより幾分低く、約4000℃しかない。温度が低い分、周囲よりも相対的に暗く見える。
太陽の活動に波があることは以前から知られており、磁場分布は22年、黒点数は11年周期で変動している。
太陽には地球と同じような磁場が存在する。太陽黒点は磁場の活動と関係しており、太陽磁場が強くなると多数出現し、弱くなると消えるという性質を持っている。
太陽磁場は、太陽自身の活動と密接に関係していて、太陽が活発に活動すると磁場も強くなり、黒点も増える。




『太陽の活動サイクル』

黒点の継続的観測は19世紀半ばから始り、黒点観測のデータを150年分ほどしか持っていない。
しかし、太陽活動が活発になると、太陽からの荷電粒子が地球の上層大気に当たり、大気中の炭素が放射性同位体(C14)に変化する。
結果として生物の体内に残されたC14の量も多くなるので、木の年輪に残されたC14を調べることによって、古代からの太陽活動の周期を調べることができる。

『太陽活動が不活発になると、地球は寒冷化する』

この方法で調べた結果、いくつかの太陽活動の極大期と極小期の存在がわかっています。
ジャック・A・エディによって、それぞれ『シュペーラー極小期』や『マウンダー極小期』と名づけられた期間は、ヨーロッパにおいて小氷河期として知られる時代と重なっている。



『マウンダー極小期』

西暦1300年から1850年年頃までの約550年間は、太陽活動が弱まり、地球全体が寒くなった小氷河期だった。
1600年代前半にはガリレオをはじめとする天文学者らが、通常であれば30年で5万個近く観測できる黒点を約50個しか観測できなかった。
その中でも1645~1715年頃の70年間は、マウンダー極小期と呼ばれる太陽活動の最も低下した時期があり厳しい寒さが地球を襲った。
このときにはグリーンランドにわたる海路の大半は氷に閉ざされ、オランダの運河は日常的に厚い氷で覆われた。
1695年にはアルプスの氷河が拡大し村が飲み込まれている、海氷も増加してアイスランド周辺の海域が氷で埋まるほどになった。
ロンドンでは冬季にテムズ川が凍結し、人が歩けるほどの厚みに氷が張った。

寒冷化は食料生産に大打撃を与え、伝染病の流行をも引き起こす。
この時期、世界各地で飢饉が起き、ヨーロッパではペストが大流行し、多数の死者が出た。
このまま太陽活動の回復が遅れれば、今後地球の気候は温暖化ではなく寒冷化することになるかも知れない。



『温暖化より恐ろしい地球の寒冷化』

実際問題として地球の温暖化と寒冷化を比べると、地球寒冷化の方が世界の食料生産に直接的な打撃を与え、遥かに深刻で恐ろしい。
何故なら植物は全て、現在よりも二酸化炭素を多く含んだより高温の空気の中で育てると、通常よりもずっと早く大きく生育する。
今の地球環境は植物からすると適温では無く『寒くて二酸化炭素が薄い』嫌な厳しい環境なのです。
だから寒冷化すると、植物の生育状況は一気に悪化し、植物の生育不順は即食糧不足に直結する。

今回の黒点消失は、多くの人々が飢える寒冷化の時代の予兆かも知れない。
温暖な西日本の飢饉は通常梅雨期に雨が降らない旱魃が原因でおこり、対照的に東日本の飢饉は夏の寒さ(冷害)が原因であった。
『寒さの夏はおろおろ歩き』の宮沢賢治の詩は、現代の我々にとっても決して過去の忘れられた記憶ではなく、物事の真実を突いているのです。

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6 コメント

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Unknown (浜田)
2009-06-16 01:18:01
何か悪い事が起こる前兆でしょうか?
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浜田さん、はじめまして (ブログ主)
2009-06-16 12:10:00
コメント有り難う御座います。

太陽の黒点の数自体は周期的に増減するのもなので、今少ないからと言って特別騒ぐ程の事も無いでしょう。
様は、これから順調に回復するか如何かですね。
今はまだ09年は半年あるので、此れから回復するかもしれないし、回復が遅れるかもしれない。
順調に回復すれば何事も無く終わります。

氷河期とは大陸に常時氷床が存在する状態の事で、現在地球上の10%が一年中氷床に覆われている。
地球の45億年の歴史から考えると、現在は氷河期に分類される寒い期間です。
正確には、氷河期の中でも寒い氷期と氷期の間の一万二千年年ほど続く間氷期で、氷河期の期間としては温暖化していて暖かい。(現在の間氷期は1万年から1万二千年前に始まっているので次の氷期は何時始まっても不思議でない)
ですから地球温暖化自体は当たり前(良いこと)で寒冷化(氷期)は恐ろしい。
今のマスコミ宣伝のような『地球温暖化』が良くないではなく、『急激な温暖化』が良くないのです。
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「温暖化」の政治的悪用 (もえおじ)
2009-06-17 23:57:28
温暖化問題が以下のように悪用されるのを見て、腹が立ちました。( 六ヶ所村再処理工場には、反対です。)

http://www.noda-seiko.gr.jp/column/?itemid=266
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省エネとかリサイクルとか (ブログ主)
2009-06-18 13:41:36
もえおじさん、コメント有り難う御座います。

毎日毎日テレビのコマーシャルで、『原子力発電はCO2を出しません』と電力会社が莫大な宣伝費を使って広告している。

このように地球温暖化問題とは、環境保護とかリサイクルとか省エネとかのエネルギーや地球環境の問題と密接にリンクしています。
そして、昨今原子力発電こそが其の切り札であるかのような宣伝毎日毎日なされているが、本当だろうか。?
新潟県刈谷崎原発は地震のゆれが想定の何倍にもなり致命的な損害をうけている。
世界的地震多発国である我が国での原発建設の危険性は限りなく高い。
特に核廃棄物(ゴミ問題)の処理費の将来分を計算に入れると天文学的に高くつくらしい。

地球温暖化問題とは、
温暖化自体は本当だったとしても、其れを利用した何かの壮大な詐欺の可能性もあります。
二流の詐欺師は嘘で被害者を騙すので少数しか騙せませんが、一流の詐欺師は真実(真実の一部を、真実全部で有るかのごとく偽装する)で騙すので大勢をだます事が出来る。
返信する
補足情報 (もえおじ)
2009-06-18 17:43:56
(1) 高レベル放射性廃棄物を無害化するオメガ計画の難しさ

原子力発電所から出てくる高レベル放射性廃棄物には Np、Am、Cmなどのマイナーアクチ二ド(MA)、Tc-99、I-129などの長寿命の核分裂生成物(FP)、発熱性のSr-90、Cs-137やRh、Pdなどの有用な白金族元素が含まれます。

日本では、加速器を利用することで、これらの元素を特性に応じて核分離し、半減期の長いMA及びFP核種については核反応を利用、短寿命または非放射性の核種には変換(消滅処理)する計画(オメガ計画)が進められてきました。 当初は、成功すれば高レベル放射性廃棄物を99%無害化できるはずでしたが、現実には技術面と採算面の高い壁にぶち当たっており、実現困難と考えられます。

(2) 核燃料サイクル、及び、六ヶ所村再処理工場の困難性

六ヶ所村再処理工場に関しては、プルトニウムを利用する高速増殖炉やプルサーマル原発(核燃料サイクル)が安全性と採算性に問題を抱えて頓挫しているために、プルトニウム抽出の目的自体も疑わしいものとなっています。

六ヶ所村再処理工場は、安全面でも採算面でも、問題だらけです。
http://www.youtube.com/watch?v=ECTJ4sCxlAg&fmt=18
http://www.seikatsusha.net/back/item/all/1201590289.html
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高くつく再処理 (ブログ主)
2009-06-19 10:42:26
今世界中で原子力発電所から出てくる高レベル放射性廃棄物を再処理しているのは欧州のイギリスとフランスの二カ国だけです。
最大の核大国であるアメリカも、其れ以外の国々も(日本を除いて)再処理に手を出そうとはしていません。
これ等の国が再処理を行わないには、『行わない理由』が当然存在する筈です。。
新自由主義的な資本主義の総本山であるアメリカで再処理しない理由は単純で『儲からない』(高くつく)為らしい。
再処理は商売として成り立たないばかりでなく環境汚染などの危険も大きい。
それで廃棄物は処理せず、現在核のゴミを国内の砂漠に捨てている。

(正確に言うと、この再処理とは『商業的な』の意味で軍事的な意味(核兵器製造)なら世界中の核保有国は全て行っています。
ですから日本国内での再処理は憲法の趣旨にも抵触する危険がある)





アメリカの態度は、目先の自分の利益に飛びつくプラグマティズム(実用主義)全盛の国らしい発想です。
対して欧州国の英仏は原発導入時から廃棄物の再処理を『当然のこと』として核サイクルの完成を念頭にしていた。
確かに考え方としては、欧州的な『核サイクル』の完成が無い限り原発は、将来を考えない『未熟な技術』でしか有り得ない。
しかし欧州の英仏も資本主義国なので、儲からないし危険な核廃棄物の再処理は、何らかの『言い訳』が成立していないといけない。
地球温暖化とは原子力産業の『言い訳』として重要な建前を提供している可能性は大いに有ると思っています。
原子力発電は『未だ完成していない未熟な技術』です。
そして原発推進の理由とされている、地球温暖化人為的CO2説も『未だ検証されていない未熟な仮説』でこの両者には、だいぶ時間が経って後から生まれてきた一卵性双生児のような密接な関連があるのではないでしょうか。?
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