<↑Fig.1 大正15年11月7日付 岩手日報>
岩手日報に載っていた、11月に入ってからの最初の記事はこのブログの最初の記事であり、その概要は以下のとおり。
【大正15年11月7日付 岩手日報】
県が花巻で 藁細工講習会 五郡選抜の青年を 一同に網羅して…
(花巻)県では優良副業奮励の一端として藁細工を徹底的に奨励させるため…本県の農村は二三年来かん害の影響をうけて極度に疲弊してゐるから、農村の経済的危機を救済する一助となるもので…
引き続く旱害に対する救済策としての、県の副業奨励の具体策の報道である。
さて、10月4日付岩手日報の記事に
『本県第一回米収穫予想 約九十七万九千石 前年より約十七万石減収』
というものがあったが、11月9日付けの記事に第二回目のそれが次のように載っていた。
【Fig.2 大正15年11月9日付 岩手日報】
県米作第二回 収穫予想高 昨年より大減収
本県米作第二回収穫予想高に就いては十月末日現在にて各町村より報告を取纏めつつあるが右報告に依れば大体昨年の百十四万石に比し二割二分二十五万石の著しい減少となり実収高九十万石と見られている之は第一回予想通り本年は旱害ため出穂が遅れたに加えて強霜が例年より早く降り第一回予想九十六万石に比し更に約七分の減少を見たは稲熱病が予想外の蔓延を来たした為である殊に本年は最も大切な収穫期に於て雨量が多く未熟米も相当の数にのぼる実で、量の減少に加へて質に於ても夥しい影響を来し三四等米のみの生産で八九割を占めるものと見られてゐる
ということで、その度に収穫予想高は減少している。あんなにほしいと思った降雨がほしいときに降らず、逆に降ってほしくないときに降雨が多かったという皮肉、そこへもってきて稲熱病の蔓延で品質も不良のため移出しようとしたって三等米、四等米が8~9割を占めそうだという。慰めの言葉すら出ない。
以前、6月の岩手日報の記事にしばしば登場していた滝名川が、再び載っていた次のような記事もあった。
【Fig.3 大正15年11月13日付 岩手日報】
紫波稗貫六ヶ村 耕整を県営に 滝名川と台川の上流に 大溜池を設置
滝名川上流に大溜池が築かれるということは、毎年水不足に悩まされている赤石村にとっては福音であったことであろう。
ところで、前述の11/9付岩手日報記事の第二回米収穫予想によれば、
『前年に比し25万石(2割2分)の著しい減収』
ということであったが、その1週間後の次の記事
【Fig.4 大正15年11月14日付 岩手日報】
によれば
『前年に比し約22万石(約1割8分)の夥しい減収』
ということで、11/9の記事と比べれば多少収穫高は増えているものの、基本的には夥しい減収だったということであろう。
そして、11月中の岩手日報に載っていた関連記事の最後のものは次のようなものであった。
【Fig.5 大正15年11月21日付 岩手日報】
移出米検査に 半分は不合格 品質がごく悪い 花巻支所の成績
(花巻)今年は出穂時に雨量が多かつたので花巻付近から産出する俵米の如きは移出検査で三等米に合格する俵米は百俵中五割位で、他は四等米に下落するといふ有様だ…
以上が11月中に岩手日報において報道なされた関連記事である。
続きの
”毎日のように報道続く旱害関連記事”へ移る。
前の
”大正15年10月の旱害関連記事”に戻る。
”みちのくの山野草”のトップに戻る。
岩手日報に載っていた、11月に入ってからの最初の記事はこのブログの最初の記事であり、その概要は以下のとおり。
【大正15年11月7日付 岩手日報】
県が花巻で 藁細工講習会 五郡選抜の青年を 一同に網羅して…
(花巻)県では優良副業奮励の一端として藁細工を徹底的に奨励させるため…本県の農村は二三年来かん害の影響をうけて極度に疲弊してゐるから、農村の経済的危機を救済する一助となるもので…
引き続く旱害に対する救済策としての、県の副業奨励の具体策の報道である。
さて、10月4日付岩手日報の記事に
『本県第一回米収穫予想 約九十七万九千石 前年より約十七万石減収』
というものがあったが、11月9日付けの記事に第二回目のそれが次のように載っていた。
【Fig.2 大正15年11月9日付 岩手日報】
県米作第二回 収穫予想高 昨年より大減収
本県米作第二回収穫予想高に就いては十月末日現在にて各町村より報告を取纏めつつあるが右報告に依れば大体昨年の百十四万石に比し二割二分二十五万石の著しい減少となり実収高九十万石と見られている之は第一回予想通り本年は旱害ため出穂が遅れたに加えて強霜が例年より早く降り第一回予想九十六万石に比し更に約七分の減少を見たは稲熱病が予想外の蔓延を来たした為である殊に本年は最も大切な収穫期に於て雨量が多く未熟米も相当の数にのぼる実で、量の減少に加へて質に於ても夥しい影響を来し三四等米のみの生産で八九割を占めるものと見られてゐる
ということで、その度に収穫予想高は減少している。あんなにほしいと思った降雨がほしいときに降らず、逆に降ってほしくないときに降雨が多かったという皮肉、そこへもってきて稲熱病の蔓延で品質も不良のため移出しようとしたって三等米、四等米が8~9割を占めそうだという。慰めの言葉すら出ない。
以前、6月の岩手日報の記事にしばしば登場していた滝名川が、再び載っていた次のような記事もあった。
【Fig.3 大正15年11月13日付 岩手日報】
紫波稗貫六ヶ村 耕整を県営に 滝名川と台川の上流に 大溜池を設置
滝名川上流に大溜池が築かれるということは、毎年水不足に悩まされている赤石村にとっては福音であったことであろう。
ところで、前述の11/9付岩手日報記事の第二回米収穫予想によれば、
『前年に比し25万石(2割2分)の著しい減収』
ということであったが、その1週間後の次の記事
【Fig.4 大正15年11月14日付 岩手日報】
によれば
『前年に比し約22万石(約1割8分)の夥しい減収』
ということで、11/9の記事と比べれば多少収穫高は増えているものの、基本的には夥しい減収だったということであろう。
そして、11月中の岩手日報に載っていた関連記事の最後のものは次のようなものであった。
【Fig.5 大正15年11月21日付 岩手日報】
移出米検査に 半分は不合格 品質がごく悪い 花巻支所の成績
(花巻)今年は出穂時に雨量が多かつたので花巻付近から産出する俵米の如きは移出検査で三等米に合格する俵米は百俵中五割位で、他は四等米に下落するといふ有様だ…
以上が11月中に岩手日報において報道なされた関連記事である。
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