《創られた賢治から愛される賢治に》
先日入沢康夫氏から、「宮沢賢治研究Annual」3号(1993)に佐藤泰平氏の論考「『春と修羅』(第1集・第二集・第三集)の<気象スケッチ>と気象記録」が載っていて「和風は河谷いっぱいに吹く」についてかなり詳しく論じられていることをご教示いただいた。
昨日その論文を拝見できた。そこには詳細なデータがあり、緻密な論考があった。
そこで、以前投稿した表にその中のデータの一部を付け加えさせた頂いた。それが下表である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/1c/a4a0d981362e63734e2ba5c59e713a7c.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/d8/e8eb03ff7fe1239b8dc24bc7526668ae.png)
(1) 花巻の降水量について
同論文には花巻の降水量が載っていて、それが黄色、あるいは赤く色付けした欄である。ついては、今後7月14日の降水量を何等かの方法で知りたいと思っている。また、8月の19、20日の両日の降水量と天気の関係がちょっと悩みなので今後考えてみたい。
(2) 水沢の湿度について
他の日のそれがもしわかるものならば今後調べてみたい。
(3) 花巻の気温について
『阿部晁日記』記載の気温はどのような意味の気温なのかも含めて同様に調べてみたい。
なお、「宮沢賢治研究Annual」3号には木村東吉氏の論文「『春と修羅』第二集における作品番号と創作日付に関する一考察」も載っていて、そこには
盛岡気象台等のデータによって『春と修羅』第二集所収作品の日付の日の気象状況と作品の内容を照合してみると、作品への反映の仕方の濃淡様々ながら、作品中の気象状況を窺わせる表現がない三作品を除いて、ほとんどの作品で気象データと作品内容が符合するか、少なくとも大きく矛盾していなかった。
<『宮沢賢治研究Annual Vol.3』(宮沢賢治学会イーハトーブセンター機関誌)148pより>とあった。私も以前〝『春と修羅第三集』の検証(#1)〟で調べてみて「『春と修羅第三集』において気象に関しての虚構はあまりないといえそうだ(最後の方の昭和2年7月以降はさておいて)」と思ったが、『春と修羅 第二集』においてもそのようなことであったのだ。やはり賢治はそのような態度でそれまでず~っと臨んでいたのだということを改めて確信した。
最後になりましたが、入沢氏並びに佐藤氏に深く感謝し、厚く御礼申し上げます。
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