鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

富士市新環境クリーンセンター安全祈願祭

2017年06月24日 | 議会活動

平成29年6月24日(土)

 

 富士市新環境クリーンセンター(市民が排出するゴミの焼却施設)の安全祈願祭が行われました。富士市大淵の糀窪地区で、新東名高速道路北側の茶畑などが広がる農地に設置されます。平成32年竣工までの約3年半の工期を予定しています。

(完成するとこのような施設になる)


(建設予定地を北側から南に向かって見る。現在は茶畑が広がる農地)


(担当者から建設予定地の造成工事について説明を受けた)

 

 施設は、市民から出る可燃ゴミ、し尿汚泥、下水汚泥など、一日に250tを焼却する能力があり、「連続運転式ストーカ焼却炉」と呼ばれる方式をとります。これまで、富士市民のゴミはこの場所から南西に2kmほど離れた施設で焼却されていますが、既に耐用年数を10年以上経過し、老朽化した施設に環境基準に合わせた補修を施し、「だましだまし」使用してきたというのが現状です。

 

 この施設の更新については、私が市議会議員であった平成11年から平成15年頃に検討が始まり、用地の選定や焼却方式などについて議論をした記憶があります。用地候補では当初市内に4箇所ほどが浮上し、私の任期中に現在の位置を候補地として絞った経緯があります。周辺に居住する住民の皆さんからは反対の意見が続出し、初めて現地を市議会として訪れたときには、反対のプラカードを掲げた住民の皆さんの厳しい表情を今でも記憶しています。

 焼却方式も、焼却時に発生するダイオキシンなどの有害物質が大きな社会問題となったことから、当時の最新技術である「灰溶融」などにより高温、高度な減容化(ガラス固形化)などを可能とする施設を導入することなども検討していたはずです。しかし、その技術は十分に「安全と安心」を確保することに至らなかったことや、さらに進化した焼却方式と焼却灰処理などで、現在の方式に落ち着いたと思われます。

 新しい施設は、「安全と安心」を確保した施設のほかに、「余熱を利用した体験棟」や「環境学習」などができる市民に開放される施設も設置が計画されているようです。これらの付属施設は、反対を表明していた地域住民と行政が話し合いを続け、相互の妥協の元に計画されました。市民全体から発生するゴミを、この地で集中的に処理をするのですから、本来であれば地域だけの問題として捉えず、市民一人ひとりの問題として考えなければなりません。生活をする上でゴミ問題は避けて通れず、ゴミの減量化や再使用、リサイクル(ごみの3R)をこれからも市民一人ひとりが取り組んでいかねばなりません。そのための啓発を兼ねた施設でもあるようです。

(施設全体を説明する資料が提示された)

 

 安全祈願祭では、長期に渡る工事の安全を願い、公設民営方式をとることから、発注者である富士市と工事を受注した企業、完成後の施設を20年間にわたり運営する企業などの代表者、協力いただいた地元代表らによる神事が行われました。

 

 神事の後、神主のあいさつでは興味を引く話題がありましたので紹介します。

 「市民から出るゴミの最終的な受け皿となるこの施設には大きな期待がかかる。日本ではトイレのことを『御不浄』と呼ぶが、人の排泄物を全て受ける場所は『不浄』(汚いところ)であるが、それに『御』を着けて感謝の気持ちを表している。また、安全祈願祭では『鍬入れ』が行われるが、その際、『えい、えい、えい』と声を上げ、その意味は、『永』『栄』という言霊に置き換えられ、『いつまでも栄えるように』という意味が込められている。いずれも日本らしい考え方である。」と紹介されました。

 

 何事も聞いてみると納得できるものです。なるほど、いろんな神事に出席しますが、知らないことが多く奥が深いと感銘しました。

コメント
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