鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

現場主義とは

2017年03月01日 | 議会活動

平成29年3月1日(水)

 

 「現場主義」という言葉が頻繁に使われるようになりました。

 私自身もその一人であり、「現場を知る」という意味とそこから得られる情報を基に様々な議論が成されるべき政治の政界では、誰もが使いたがる言葉の一つです。

 この「現場主義」という言葉を引用したからには、それを背景とした行動の全てが注目されることになり、本会議場でも質問対象となる大きな課題です。

 今日の本会議でも昨日に引き続き、「知事の政治姿勢について」と題し、「現場主義」を標榜する知事の行動や考え方に対する質疑がありました。

 

 質問者は、知事は就任以来、県内各地への訪問回数が2,000回を超えていることに触れ、「現場主義」がどのように活かされているかを質しました。

 質問者によれば、「現場に出向く機会はセレモニーのような場面が多いのではないか。また、知事広聴などでは、地域代表で参加する市民には、予め質問内容や意見などに「枠」を設け、フィルターがかかった状態で臨んでいるのではないか。そのような状況であるとすれば、県民の意見や要望が知事に正しく伝わっているかどうか疑念を感じる。」との説明がありました。

 

 これに対し知事は、「『現場主義』とはその場所に行くだけでなくそこにいる人に会いに行くこと。じっくりと印象に残る会い方が大事で、その意識付けにより問題解決につなげることができる。2,000回以上の訪問のうち、静岡市や浜松市は人口が多いのでそれに応じた数の訪問であるが、地方にもしっかりと足を運んでいる。行った回数云々よりもどのような意識を持って相手に会うかである。また、知事広聴などでは、予め決められた地元代表の意見を聞くだけでなく、傍聴している会場の一般県民からの質問や意見もしっかりと受け止めている。県の職員も同行しているので聞き漏らすことはない。どのような場面でもそのように心がけている。」と答えていました。

 

 なるほど、「現場主義」に対する知事の考え方には一理あります。しかし、知事がそのような思いであっても、周囲の受け止め方が必ずしもそうではないことを質問者は指摘しています。

 その指摘とは、知事は大きな権力を持ち発信力も強大であるため、知事を前にして相手は「言いたいことを言えない雰囲気になりがち」だというのです。正直、私達議員でも知事と対峙する立場を権利として持っていながら、力の関係を意識することは少なくありません。それが一般の県民であれば、なおさらそう感じることがあるかもしれません。

 知事が各地に出向くときには、私達も同行することが多々あります。そのような時に知事と会話している方々を見ていると、確かに相当緊張している場面に遭遇することがあります。

 

 質問者は、知事に対し「現場主義」の考え方を問うとともに、相手が知事に対してものが言いやすい雰囲気かどうか。それができなければ、県民の本音を聞き出すことは困難だということなのでしょう。また、大きな権力を持つ人の発言の影響は計り知れないことを指摘したかったと理解しています。

 

 私達議員も、知事ほどではないにしても知事と同じ立場にいることを忘れてはいけません。そのような反省を込めてやり取りを聞かさせていただきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする