鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

知事の市町に対する政治姿勢とは

2016年09月26日 | 議会活動

平成28年9月26日(月)

 

 県議会9月定例会が再開され、各会派の代表質問と一般質問が始まりました。

 今日は、トップバッターとして、我が会派所属の宮城県議が代表質問に立ち、知事の政治姿勢や地域外交、高校生のグローバル人材育成、若者に対する消費者教育について、地方創生、大規模地震対策特別措置法に基づく防災対策の見直し、児童虐待への対応、健康寿命日本一の延伸について、農業分野の強化、新しく着任した県警本部長の所信について、それぞれ、知事・関係部局長、教育長、県警本部長に質しました。

 

 そのやり取りの中から、知事の市町に対する政治姿勢について報告します。

 

 質問者は、知事の静岡市長との対応に触れ、知事の記者会見や県議会などで発言する内容が過激で、市との協調性に問題があるのではとの投げかけをきっかけに、知事は来年7月に任期切れとなることから、これまでの任期を通じて、県内各市町や外部との対応にも、同じような課題があるのではないかとの趣旨で質問したものです。

 指摘した事業は、静岡空港に就航していた航空会社の搭乗補償問題のほか、二期目に入ってから話題になっている、沼津貨物駅高架化事業、航空自衛隊静浜基地の静岡空港移転発言、静岡市内の病院の旧清水市庁舎跡地への移転問題、静岡市御幸町通りの景観をはじめとする整備、県都構想などについて列挙し、知事の考えを質しました。

 

 質問者は、冒頭、知事の政治信条である「和を以て貴しとなす」(何事をやるにもみんなが仲良くやり、いさかいを起こさないことが良いこと)を引き合いに、どのように理解しているかを答弁として求めました。

 この質問は、3年前に知事が二期目の当選を果たした直後、私が会派を代表して質問した内容で、改めて、最近の知事の言動が当時の答弁と食い違っているのではとの疑問が生じていたからでしょう。

 この質問に対して知事は、「最も重要なこと」と理解し、さらに、五箇条の御誓文第一条「万機公論に決すべし」(天下の政治は世論に従って決すべし)を引用して、その考え方を堅持していることを強調しました。

 

 知事は、「何事においても『現場主義』を貫き通し、答はその現場に行って導き出されるもの」と常日頃から言っています。

 指摘されたそれぞれの事業や発言について、現場で見聞きしたことを尊重して取り組んでいることや、「その経緯に触れないまま発言することで、『唐突に』と捉えがちだが、県議会議員が出身地以外の情報を全て知っているわけではない。やむを得ないことではあるが、調べていただければなるほどと納得できると思います。」と説明していました。

 

 知事流の現場主義を聞いて、理解できないわけでもありませんが、私達議員が、また、県民が知りたいのは結果に至る過程で、「唐突」と捉えられることが問題ではないでしょうか。

 また、政治家に求められるのは説明責任であり、「調べてもらえばわかる」というのは、いかがなものでしょうか。

 

 私達議会は、県政のチェック機能を果たす権限を持っていて、県民の代表として疑問を「調べる」ことが求められます。

 前触れもなく知事が記者会見で言葉を発した時に、県民代表である私達も、県民と同時にその言葉を初めて耳にすることがあります。

 その真意を知るために、疑問を知事にぶつけても求める答が得られないこともありますし、こちらが調べるといっても全て調べきることに限界もあります。

 

 県民から求められていることは、「迅速に物事を進めること」であり、そのためには情報を共有することが重要と考えます。県民のために目指すところは同じであり、知事と議会は車の両輪と言われるように、目的を達成するための十分な議論は必要ですが、前に進めるための議論であるべきで、必要な情報は惜しまず出していただき、迅速に進むよう互いの努力が必要です。

 

 真に「和を以て貴しとなす」が、そして、「万機公論に決すべし」が、知事も議員も尊重すべきことだと肝に銘じるべきです。

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