鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

富士山の麓から医療健康産業を世界に発進

2016年09月05日 | 議会活動

平成28年9月5日(月)

 

 タイトルが少し大げさのように書きましたが、これでも地味かなという施設がオープンしました。

 

 静岡県の東部には、国内でも上位三指に入るというがん治療の専門医療機関である静岡県立がんセンターがあり、古くから国内有数の湯治場として知られる温泉地帯でもあります。また、国から「ふじのくに先端医療健康産業総合特区」に指定され、もはや地域資源を代表する「高度医療」と「温泉などを利用した癒やしの空間」が、新たな地域の発展に期待が集まる地域です。県ではこの地域を、「ファルマバレー」と呼んでいます。

 医療と健康をリンクし、それを活かした産業化が「医療健康産業」です。今日は、この産業化を揺らぎないものとする研究施設が誕生しました。その名は、「静岡県医療健康産業研究センター」といいます。

(祝辞を述べる川勝知事)


(テープカット)


(高校の校舎を改装した施設。背景は、静岡がんセンター)


(施設全景)

 

 1994年頃、静岡県ではがんの専門医療を行う「がんセンター」の設置と、そこから派生する医療を活かした「医療城下町」を作ろうという計画が持ち上がりました。

 

 「静岡がんセンター」の役割は、先端がん治療拠点であり、患者家族支援、臨床研究を推進する機関として。「医療城下町」は、がんセンターの支援により、医療健康産業の拠点であるファルマバレーセンターを中心に、関連企業が実際にモノを作るという関係があります。

 

 静岡県は2015年度、医薬品の製造出荷額は約5,000億円で全国第4位、医療機器生産額は約4,000億円で第1位、化粧品生産額は3,000億円で第1位、栄養補助食品出荷額も第1位という状況で、医療機器などは更なる向上が見込めます。

 静岡がんセンターの医療水準の高さは先に触れたとおりで国内トップクラス。特に、患者に対するケアは海外からも注目されています。

 また静岡県環境衛生科学研究所には、創薬に欠かせない世界でも有数のデーターベースがあるといいます。

 このことから、医療機関と企業間連携は、更なる大きな可能性を秘めていることは間違いありません。

 その連携は「ファルマバレープロジェクト」と呼び、この中核をなすのが、今回誕生した「静岡県医療健康産業研究センター」です。

(人工骨の製品例)


(人工臓器の製品例)


(内覧会の様子)


(玄関に表示された入居企業案内)


(世界一を期待して)

 

 ファルマバレープロジェクトの目標は、「ものづくり」、「ひとづくり」、「まちづくり」、「かねづくり」を掲げています。

 「ものづくり」とは、大企業の次世代製品開発と製造支援、医療者や患者の要望を活かした製品作り支援、創業や診断薬・機器を開発する橋渡しなどを支援します。

 「ひとづくり」とは、医療機関で働く人や医薬・医療機器を研究する・製造するなどの技術者の養成を実現しています。

 「まちづくり」とは、がんセンターやファルマバレーセンター周辺に、医薬・医療機器に関連した工業団地が誕生し、それに伴う勤労者や家族などが増えることで、周辺の土地価格もかなり上昇し、まちの活性化に大きく貢献しています。

 「かねづくり」とは、持続的な発展のためには経済的に潤わなければならないということです。

 

 話は飛びますが、先週の月・火曜日で、新素材であるCNF(セルロースナノファイバー)の調査を行いましたが、その応用分野は医療関係でも大きな期待がかかると信じています。例えば、気体を通しにくい性質や、軽い、強い、などは人工臓器や人工骨になるかもしれません。

 がんセンターの山口総長に伺ったところ、既にそのような動きはあるようでした。本県の得意な分野にも新しい技術が投入されることを期待します。

 

 もう一つの特徴は、廃校となった高校を改修し、研究拠点として全面リニューアルしたことでしょう。

 旧県立長泉高校が統廃合で廃校となりましたが、静岡がんセンターに隣接していたことが目にとまりました。今日の視察時点では、まだ12社が入居したようですが、何よりも研究本意の環境は、今後の発展に大きな期待がかかります。

 

 設置者である知事や静岡がんセンターの山口総長の挨拶では、「世界に発信する施設」という表現を引用していましたが、その可能性を秘めた施設であることは間違いなさそうです。

コメント
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