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【アルゼンチン:利払い猶予期限迫る】南米サッカー大国が恐れる「宴の後」①

2014-07-07 00:01:59 | その他の地域

 南米のサッカー大国―――アルゼンチンブラジルに世界の注目が集まっています。佳境を迎えているサッカーワールドカップ・ブラジル大会(W杯)での活躍ぶりはもちろんですが、それと同じくらいのインパクトを両国が世界の金融マーケットに与えるのではないか、という意味で・・・。まあこの瞬間はW杯の熱狂の陰に隠れてその実態が見えづらくなっているけれど・・・。

 まずはアルゼンチン。2001年以来、13年ぶりに債務不履行(デフォルト)に陥るリスクが高まっています

 各種報道によれば、アルゼンチンは2001年のデフォルトにかかる債務の「再編」(国債元本の削減:要するに借金の棒引き)に応じた大半の債権者(全体の約9割)に対しては利払いを続けていましたが、先月、アメリカの連邦裁判所が同国政府に対し、再編を拒否している債権者に対して優先的に返済を命じる判決を出したため、前者への利払いができなくなってしまった、とのことです。

 もし同国が米連邦裁の判決にしたがって先に後者に対して国債元本全額(13億ドル超)を支払ったら、前者への利払いも可能となってデフォルトは回避できるとのこと。しかしこの場合、後者と同じく再編に応じていない他の債権者が「われわれにも全額返せ!」と言い出すでしょう。最終的に同国政府は彼らの債権総額に相当する150億ドル―――同国の外貨準備額300億ドルの約半分―――もの巨額の支払いをせざるを得なくなるかもしれない・・・。

 となると今度は前者、つまり債務削減に合意していた債権者も黙ってはいないはずです。「元本全額を返せ、と要求した投資家にそのとおり応じるのなら、これまでの利払いに加えて、われわれの保有国債の元本も全て支払え!」ということになりそうな感じです。そうなったら上記の外準だけで足りるわけはなく、アルゼンチンの債務圧縮計画そのものが根底から覆ってしまうでしょう。

 一方、同国政府が強気にも(?)米連邦裁の支払い命令を拒否する可能性もあります。この場合は債務再編に応じた債権者に対する利払いも停止状態が続きます。このままだと、その支払猶予期限である今月末の時点で、同国は格付け会社からデフォルト認定―――より正しくは「テクニカルデフォルト」といって、国債の返済能力はあるけれど、諸事情によってその支払いが滞る状態―――とされるとのこと。そうなってしまったら同国のソブリン格付けは引き下げられ、通貨・ペソの信認はますます失われて、激しいインフレと金利の上昇が起こって同国経済と市民生活は厳しい状態に追い込まれそうです。

(続く)


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