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【追い詰められた欧州】金融危機:「収束」した日本と「これから」の世界②

2013-07-15 00:02:00 | 世界共通

(前回からの続き)

 90年代後半に日本の銀行に公的資金が注入されて今日に至るおよそ15年のあいだに、世界の金融セクターはおそろしいほど肥大化し、かつグローバル化しました。一方でそれに匹敵、いやそれをはるかに凌駕するほどの巨大リスクを抱えています。そしてやっかいなことに、それらのリスクは世界各地に分散し、そして互いに深く関連し合っています。つまりどこかで金融危機が起これば、国境を越えて連鎖的に危機が拡大するというシステミックリスクに発展するおそれが高いということです。

 これに対し、日本の金融機関と金融システムは、幸か不幸か、世界の先陣を切って危機に陥り、その対応として不良資産の整理に追われていたため、この間の「リスクオン」の潮流のなか、欧米金融機関が手がけたハイリスク・ハイリターンな証券投資等に手を出さなかった(手を出せなかった?)わけですが、先述のとおり結果としてはこれが大正解となりました。まったく何が幸いするか分からないという「塞翁が馬」のとおりの展開です。

 さて、そんな日本とは裏腹に、「これから」じつにさまざまなリスクが目白押しといった感じの世界の金融界ですが、思いついた順に具体例を挙げてみると・・・

 まずは欧州。以前から本ブログにも書いているとおり、相変わらずPIIGS諸国ソブリン危機に翻弄されています。ユーロ導入をよいことに、自分の実力以上に借金を重ね(国債を振り出し)、結局は返済することがままならなくなって国債価格が急落・利回りが急騰してEUやECBを振り回しています。

 たとえばギリシャは、同国の財政緊縮プログラムの進捗が不透明なことなどから、公的機関からの支援が受けられるか微妙となっています(と思っていたら、どうやらEU・IMFは68億ユーロもの追い貸し?を決定したもようです。昨年こちらの記事に書いたとおり、2010年からギリシャへの融資に関与しているIMFは、欧州以外の他国に対する融資スタンスとの整合性を示す意味でも、これ以上の同国支援から手を引くべきだと考えています)。

 同じく厳しい財政運営を強いられているポルトガルでは今月上旬、政府方針に不満感を示す閣僚が辞任するなどの政局不安が表面化しました。経済の停滞が政治の混乱を引き起こす事態になっています。

 先日S&Pは、諸般の経済情勢から判断してイタリアのソブリン格付けを「BBB+」から「BBB」に引き下げました。合わせて今年度の同国の成長率を当初予想のマイナス1.4%からマイナス1.9%へと下方修正しています。

 といった具合で、リスク表面化の後、財政健全化などの経済再建策に全力を上げているはずの?PIIGS諸国ですが、相変わらずのゴタゴぶりを露呈しています。そんなことをしているヒマはないはずですが・・・。

 以前もこちらの記事で述べましたが、PIIGS諸国は天然資源に恵まれた鉱業国でもなく高い付加価値を生み出す製造業の基盤を持っているわけでもありません。一方で伝統的な農林水産業や観光業だけで自分たちのこしらえた莫大な借金の返済原資を稼ぐことなど不可能でしょう。そのためマトモに考えれば、もはやPIIGS諸国にはデフォルト以外の道はなさそうに感じられます。

 そして・・・その借金の証文であるPIIGS国債を欧州各国の金融機関はしこたま抱え込んでいます。いったいこの先欧州では何が起こるのか。そして欧州はどうする気なのでしょうか・・・。

(続く)


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