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日銀の金融緩和は万能薬にあらず④

2012-05-06 00:01:55 | 日本

(前回からの続き)

 それにしても、最近は金融政策への行き過ぎた期待と金融緩和に及び腰(?)な日銀への批判の声ばかりが高まっているように感じます。今回の日銀の決定会合前に多く聞かれた「追加緩和は当然」といった一部の政治家や市場関係者の発言を見ていると、日銀への緩和プレッシャーは強まる一方に思えます。

 しかし、これまでも書いてきたように、現状のわが国は「流動性のワナ」に陥っているために金融政策の効果は乏しいうえ、欧米諸国でマネー増刷が繰り返されているなかでは金融緩和による円安効果も長続きしないばかりか、かえってインフレという悪影響を招くおそれがあることから、さらなる金融緩和はリスクが大きいと考えられます。

 日銀の白川総裁が3月の米国講演で「金融政策には副作用や限界があることを意識する必要がある」と述べていますが、これは腰が引けているということではなく、中銀総裁として金融緩和のデメリットを十分に認識しているからこその発言と思います。金融緩和が継続的に実施されている欧米諸国の経済情勢をみれば分かるように、金融政策が万能薬ではないことは明白です(そもそも物価の安定を図り通貨価値を守るべき立場の中央銀行が「実質マイナス金利」(=「通貨価値の毀損」と個人的には思っています)の状態すら許容せざるを得ない欧米経済のほうがむしろ異常といえるでしょう)。

 だからこそ、金融政策とは違う政策がいま求められているのではないでしょうか。わが国の優秀な政治家や経済学者ならば、副作用が大きいマネーの過剰な増刷以外の手を考えられるし、また実施できるはずです。巨額の需給ギャップ、円高(外貨安)、日本国債の堅調な価格推移、そして1%を割り込むほどの低い長期金利などの数々の指標が、わたしたちが取るべき次の政策を示唆してくれているような気がします。

(「日銀の金融緩和は万能薬にあらず」おわり)


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