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【米大学、「学問の府」から「蓄財の府」と化す】世界大学ランキング雑感⑥

2013-12-13 00:03:23 | 世界共通

(前回からの続き)

 本稿冒頭でご紹介したイギリスの教育専門誌Times Higher Education(THE)が発表した「世界大学ランキング」には、参考データとして各大学の年間授業料も付されています。それをみて、おそらく世界中の学生の誰もが驚くのが、アメリカの大学の授業料のバカ高さ。2000年代に入って物価上昇率を上回る勢いで値上がりし、現時点では1年間で何と4万ドル以上、日本円で4百万円から5百万円近くもします。大学4年間のトータルにすると学費だけで約2000万円! これに生活費などが加わるわけだから、4年間の米留学費用は合計でいったいいくらになるのやら。日本で家を買ったほうがずっと良かったりして・・・。

 ちなみに同ランキング上位に入っているイギリスの大学の留学生の年間授業料は3万ドル前後と、アメリカの大学ほどではないにしても、こちらも相当な金額です。ということで、「世界大学ランキング」トップ10って、もしかしたら授業料の高い大学の順に並んでいるかも、などと勘ぐってしまいそう。

 それほど学費が高ければ、近年、アメリカの大学への日本人の留学生が減っているのは当然でしょう。なので、ケネディ駐日米大使には、日米の学生交流の活性化に本気で取り組むというのなら、米大学の学費をもっと安くするよう、本国政府とか大学関係者にぜひ働きかけてほしいものだ、などと思っています。

 それにしても、一部のセレブ家庭の子息子女や前回書いたボンボン中国人留学生とは別に、アメリカにこんな高い授業料を払える学生っているの?と思って調べてみたら、やはり彼ら彼女らの多くは学資ローンを組んでいることがわかりました。まあそうでしょう。いくらアメリカでも、年間4万ドルを超える学費をキャッシュで支払える家庭は多くはないでしょうから・・・。

 で、その学資ローンの残高ですが、アメリカ全体で1兆ドル(100兆円以上)にまで膨れ上がっています。さまざまなローン(要するに借金)花盛りのいまのアメリカでも住宅ローン残高に次ぐほどの額を誇って(?)います。

 さらにいうと、この学資ローンは他のローンと異なり、借り手が破産しても債務減免されることがありません。ということは、大学を出たアメリカの若者の多くは、その後の長い年月、へたをすれば一生(!?)、ローンの支払いに苦しめられることになります。それでも彼ら彼女らは大学に行きたいし、学生の親は子どもを大学に行かせたいのでしょうね。わが国と違って、アメリカでは学歴による収入差、そして失業率の差がものすごく大きいそうですから・・・。

 一方、それだけ学生からたくさんお金を取っているせいか(?)、近年、アメリカの大学は異様なほどリッチになっています。とくにスゴイのはハーバード大。世界一の資産保有大学と言われるこの学校の資産規模は数百億ドル(数兆円!)にも上ります。そのポートフォリオは米国内外の大手企業の株式や投信等といった金融資産によって構成されていて、もはや大学というよりはどこかの投資銀行とかヘッジファンドのよう。実際、同大学は投資ファンドでキャリアを積んだ人を資産運用責任者にしているそうな・・・。

 そんな実体をみると、ハーバード大をはじめとする最近のアメリカの大学は「学問の府」から「蓄財の府」に変貌したといえそうです。最高の教育機関たる大学が財テク投資に邁進! そしてその足元では、多くの若者が高い学費と苛烈な学資ローンの重荷にあえぐ・・・。そんなアメリカの大学がズラリと上位にならぶ「世界大学ランキング」って、いったい・・・?

(続く)


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