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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:チョコレートドーナツ

2014-05-15 | 映画


これの原題は、Any Day Now。
映画の中で主人公が歌うボブ・ディランの歌の歌詞のようです。
これを「チョコレートドーナツ」にしたのは、中々いいセンスと思う。
甘く懐かしい感じがするし、映画の中でチョコレートドーナツは
重要なモチーフだし、いい邦題です。珍しく。

ドーナツはわりと好きで、昔は家でよく揚げてたけど
オールドファッションタイプのドーナツはもう重くて、
最近はイーストを使ったタイプのドーナツしか食べないです。
でもブラックコーヒーにこんなに合う食べ物はないと思う。
そして、このブログもここ数年ずっと
湯気のたつコーヒーとドーナツのテンプレートですね。
夏は暑い気もするけど、甘いドーナツと熱いコーヒーってほっとするので
ここに来てくれる人も、ほっとしてくれたらいいなぁと。
(そのわりに、ほっとする内容でないことも多いけど。笑)

さて映画ですが、
女装をしてショーの舞台で踊るルディは、
店のお客で弁護士のポールと出会い、お互いに惹かれる。
ポールは自分がゲイであることはずっと隠して生きて来て離婚歴もある。
ルディのアパートの隣人、麻薬中毒の女性が麻薬所持で逮捕されてしまい、
残されたダウン症の息子マルコが、ひどい施設に送られるのを放っておけず
ルディはポールに相談して、なんとか一緒に住めるように手配するが・・・

これは、ストーリーは非常にわかりやすい勧善懲悪な映画です。
単純な、泣かせる御涙頂戴映画とも言える。
でも、わたしがあんまり意地悪な見方をしようと思わないのは
やっぱり映画の中でゲイの人たちが受ける差別や偏見に、
見過ごせないものがあるからかな。

マルコを取り戻すための裁判で二人が「同性愛者でいることが自然だと
子どもが思ってしまう環境を与えた」と、責められるところがあって
見ているわたしは、もうわけわかんない。
多数派じゃないかもしれないけど、それ、自然じゃないの?え?と。
あと子どもの前でキスをしたかとか。キスするのを見せると、
「同性愛者を自然と思ってしまう」ので、NGなんですね。
男性と女性の父と母のキスは子どもに見せても構わないけど、
ゲイだとキスは見せてはいけないものってことで責められてて、はぁ?

で、観たあとにググったら、
現代の話だと思ってたけど、79年の設定だったのか。
舞台は70年代後半のカリフォルニアでした。
服装などがもそういう雰囲気なんだけど、最初、現代の話と思ってたので、
映画中の差別や偏見を法が後押ししている様子にびっくりしてしまった。
今はもっとまともになっているのでしょうか?世界は、アメリカは?
日本では今もゲイの人の権利はもっと認められてないですね。
ゲイの人だけじゃなく、とにかくみんな「普通の」結婚をし
「普通に」子どもを持ち、子どもはこのように育てなさい的なことを
推し進めるような動きがあって、ああ窮屈だし鬱陶しくてやってらんない。
自分や自分の周りの偏見のない(あるいは少ない)人たちの間にいると
こういう差別や偏見の実状に、ときどき本当にびっくりする。
世の中ってどうしようもないなぁと思うことも多いです。

さて、
映画の役者さんたちはとてもいいです。ルディはすごく魅力的だし
そんなルディを好きになって、世間的ないろんなものをなくしても
一緒に戦うポールもいいし、マルコもいい。
途中の、3人の幸せな日々をビデオで撮った映像を見るシーンは
これ超ベタな泣かせどころや~!と思いながらも、
甘くて切なくていい雰囲気です。
ラストは悲しくてやりきれないけど、
そのあともこの二人には愛し合って一緒に生きて行ける相手がいるから
不幸ではないよな、と思える。

いや、ホント意地悪言おうと思えば言えることもいくつかあるし
(その演出ちょっとくさいとか、そこの動機付け弱いとか・・・)
評判ほど素晴らしい映画かと云うと、どうかなぁと思うけど
そうですねぇ→「最強のふたり」と似た感じの、人に薦めやすい映画です。

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