sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

■写真集を読む3:風景写真

2013-02-21 | 写真
風景と言っても、雄大な大自然だけじゃなく
アウトドアの景色のポートレートみたいなものもありますね。
そして人物ポートレート以上にバリエーションがあります。
わたしは風景写真をどう見ていいのかわからず
ましてや撮るのは全くわからなかったのですが
この講義を聞いて、なんだか少し取っ掛かりが出来たような気がします。


入江泰吉
奈良、大和路の風景写真で有名。
1950年代という早い時期からカラーフィルムを使い撮影。
望遠レンズを使い、撮りたいものをきれいに入れて
余分なものをぼかして隠し
1枚でも成立する構図の美しい写真を撮る。


岩宮武二
日本の美しいものを撮る写真家だが
入江と対照的に、風景ではなくものの造形をクローズアップし
意図的にかなりモチーフに近づき切り取る写真。
造形への興味から抽象へと進み
アブストラクトシリーズへ。


アンセル・アダムス(Ansel Adams)1902~
入江と同世代の、アメリカの代表的な風景写真家
ヨセミテ国立公園が有名。
モノクロ写真を8×10で絞り64まで絞って、
肉眼以上にピントのあっている写真を撮る。
元々はピアニスト志望で、写真は独自に研究した。
ラチチュードについてゾーンシステムを考え出す。
これは明暗各所の露出をはかり撮影することで
白~黒までの諧調をすべて滑らかにいかそうというもの?
ネガは楽譜だ、情報がすべて入っている
プリントは演奏だ、と言った。


柴田敏雄
自然の中の放置された人工建造物を撮った「日本典型」。
元は絵画出身で洋画油絵を描いていた。
8×10で絞り込んだ写真。
空を入れると情緒的になるので空を入れないことにした。
当時珍しかった大きなサイズにプリントし展示した。
近年はカラーも撮る。


宮本隆司
柴田と同年代
解体されて行く建築物写真を80年代に
スクラップ&ビルドの過程を記録。
ホームレスの段ボールハウスを撮影。
滑らかで、ぬるんとしたプリン
アンセル・アダムスとは違い、一定の範囲、一定の範囲内の階調で撮影。


小林のりお
ニュータウンの造成後を撮る
赤土の表面や家が建つまでの様子を
カラーリバーサルで鮮やかでコントラストの強い写真。


畠山直哉(1958~
日本を代表する風景写真家。
石灰岩の山「ライムヒルズ」を宇宙的な美しさで撮った。
石灰岩のその後、コンクリ造る工場、機械、システムをを撮る
「ライムワークス」、
35㎜で高速スピードで撮った「ブラスト」(爆発)
は初期3部作と呼ばれる。
コンクリに囲まれた水、下水のシリーズ「アンダーグラウンドシリーズ」は
全く光源のない所に光源を持ち込んで撮った。
大都会のコンクリ、ビル街を俯瞰で撮るシリーズ、
大阪城球場が亡くなるまでのシリーズ、
模型のシリーズ「scale」、など
水脈を遡るようにテーマが繋がって変って行く彼のスタイルは
日本の作家には珍しいタイプ。
今は故郷の陸前高田の震災後の写真を撮っている。


松江泰治(1963生~
東大の地学出身で地表の写真を撮る。
わかりやすく特徴づけるものを排除し
階調を狭くしニュートラルなグレーの中
ディテールだけをきめ細かく、
地球の表面というものを8×10のモノクロで撮る。
カラーで撮った静岡上空の空撮写真集「JP22」。
カラー写真ではよりグラフィカルに。


鈴木理策
ロードムービー風の写真。
セントヴィクトワール山の写真集は
セザールの描いた山(6×7、8×10で)で
露出開いてピント浅め、自分の視点で撮られた写真集。
木の1本1本まで、そう言われるとセザールの絵だなぁと
思いながら写真集を見ました。
彼について書いた日記は→鈴木理策


野口里佳
キャノン写真新世紀でデビュー。ベルリン在住。
鳥を見るシリーズ
富士山のシリーズ


小林伸一郎
廃墟の写真集。
カラーネガで、長時間露光。
肉眼では見えないカラーバランスの写真。


本城直季
スモールプラネット
大型カメラであおり機能で
実際の景色をジオラマのように見せる。


Terri Weifenbach
アメリカ、ワシントンDC在住
すべて縦位置で
大型カメラを用い、浅いピントで印象イメージを写す。
大型カメラでこういうことをした人は少なかった。


Michael Kenna
アメリカのイギリス人
モノクロ・ランドスケープの大変美しい写真にファンも多い。
すごくきれいな写真です。


今井智己
「まひる」というタイトルだけど
長時間露光の夜の写真も含む作品集。


石川直樹
探検家、写真家。
「The Void」ニュージーランドの原生林をじっくり撮った写真集。
カメラはマキナの6×7で。
この人の小さな写真集持っています。
小さなサイズでも悪くない写真たちだなあと思う。


津田直
講演に行ったときの日記→津田直さん講演

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