台風がまだ遠い長野でなぜ?
南木曽町の土石流ニュースを聞いた時、まずよぎったのはそんな疑問でした
が、高温多湿の厚い雲に覆われていた日本列島・・・
どこでゲリラ豪雨が降ってもおかしくなかったのですね (現に、新潟や山形でも)
朝 日新聞が伝えた 《避難勧告、土石流発生10分後 被害再び 長野・南木曽》 (7月11日朝日新聞デジタル) をもとに、あれこれ感じるところを・・・
≫ 今回、町の避難勧告が出されたのは土石流発生の約10分後だった
なぜもっと早く・・・と思いました。土石流が発生したのは9日午後5時40分ごろですが
≫ 長野地方気象台が大雨注意報を警報に切り替えたのは5分後で、町が一帯の673世帯に避難勧告を出したのはさらに5分後だった。気象台と長野県が町に土砂災害警戒情報を出したのは午後6時15分だった。
・・・レーダーで刻々と雲の動きをとらえ、アメダス (国内約1300観測所) を張り巡らし、ピンポイント予報もされている昨今ですが、大自然相手にはまだまだということ。
≫ 町では午後3時の段階では強い雨は降っていなかった。同3時40分ごろに強まり、同4時40分からの1時間で97ミリの猛烈な雨に。宮川正光町長は「雨の降り方が急すぎて、あれが精いっぱいだった」と話した。
「急発達する雲の発生予測は極めて難しい」(気象庁)中では、町のリアルな対応としては精いっぱいだったかもしれません。
≫ 「白い雨が降ると蛇(じゃ)抜けが起こる」。長野県南木曽(なぎそ)町では、たびたび起きる土石流を「蛇抜け」と呼び、白く視界が遮られるほどの雨に注意を促してきた。
≫ 半世紀前にも土石流を経験しているという妻は「今回の木曽川の濁流は、過去と比較にならないくらいすごくて怖かった」と話した。
歴史に裏付けられた伝承や、過去の体験は大事にしたいですね。が、今回それが生かされなかった?!逆に、警報や避難勧告が出されていなければ安心してしまう?予知や予報、警報や勧告だけに頼りすぎることは危険かも。まずは自己判断・自助努力でしょうか・・・。
で、ここからはoyaji なりの教訓です
基本的なことは国・県や市町村にお願いするとしても、一番肝心なのは歴史や体験、地勢や住民構造をよく知っているそこに住む人たち・・・
南木曽の場合は
◇梨子沢上流の3カ所の砂防ダムのうち2か所は満杯
◇急な支流
◇曲がりがある (乗り越えて直進しやすい)
◇一帯は花崗岩で表土が浅く土石流が発生しやすい地質
・・・で、過去にも土石流が起こっている危険地域でありながら、犠牲者まで出してしまったのは悔やまれます
(日本の川は急こう配が多く、土石流が発生しやすい:テレ朝ニュース)
国 交省によると、土石流やがけ崩れなどの恐れがある危険箇所は全国で約52万5千カ所・・・
南木曽のような歴史的・地勢的なリスク情報は、その地域が常に認識し、共有していなければなりませんね (嫌なことであっても)
そこで思い至ったのは、集落や区(自治会)単位の(仮称)「減災・救災会議」・・・
防災訓練はどこでもおこなわれますが、ともすれば形式的になりがちで、ましてや末端部分での対応は脆弱
集落や区(自治会)単位で、人命にかかわる現実的な自然災害についてに話し合っておくことが有効だと思います
【イメージ】 この○○の 「減災・救災会議」
●構成・・・区長(自治会長)など・自主防災会・消防団・民生協・PTAなどトータルな関係者 (行政防災担当や消防署がサポート)
●知る・・・ここでは過去にどんな災害があったか?どんな地勢、自然環境なのか?どんな要救護者が住んでいるか?どんな災害が起こりうるか?その場合、どんな、どの程度の被害が予想されるか?
●減災・・・そのためには何をしたらいいか?整備しなければならないものは?
●救災・・・行政や消防はどこまで頼れるか?ここでは誰が指揮をとるか?本部などとの情報連絡システムは?救助のための機械や用具は?救急救命はどうするか?(AEDのある場所・看護や消防の経験者・救命講習会など)
・・・みたいなことです
ち なみに当方 が住んでいる区(自治会)は戸数80余で平地・・・
土石流・土砂崩れ・落石(勿論、津波も)のリスクはなく、一番は巨大地震による家屋倒壊、二番はそこから発生しかねない火災・・・が「想定される深刻な災害」です
消防車や救急車の出動はほとんど期待できないとすれば、第一線の救急救命は住民自ら・・・
そのためには重機やチェーンソー・バール・ジャッキ・消火器などの機器や用具の手だても必要でしょう
で、ここは周囲が田畑の田舎・・・
食糧や水やトイレよりも、何と言っても人命です