名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

SS1-5 四間飛車に45歩急戦(1)

2023-04-21 | 基本定跡の研究

四間飛車に45歩急戦を調べます。

四間飛車が32銀で待つ形は、54歩なら山田定跡の端角、12香や64歩には鷺宮定跡で居飛車は攻略できそうだとわかりました。残る課題は43銀型で、左46銀はせいぜい互角にしかならないのでしたね。だからこの図で46銀ではなくて46歩を採用します。54歩ならば45歩と仕掛けます。

37桂よりも45歩を先にするのは、37桂に32銀と引かれたら攻めにくいからです。45同歩は33角成同桂24歩同歩同飛22歩31角・・・まあ居飛車良しなのはわかるでしょう。この歩が取れないのですが、自然な指し手としては、64歩37桂74歩

24歩同歩(24同角は同飛同歩31角で先手有利)44歩同銀45歩

53銀33角成同桂24飛

45桂同桂同桂同飛21飛成

竜を作った分だけ先手の駒得です。後手玉のほうが堅いですが、先手玉も金銀4枚なので大きな差ではありません。攻め駒は3対3、形勢判断としては互角なのですが、AIの評価値は+410、はっきり先手有利です。4筋から攻められても4,5筋の金銀3枚で対応できますし、33角から馬を作ると駒得が広がります。そういうところを評価しているのでしょう。後に86桂を打って端攻めがあるというのも大きいです。

後手としては45歩を同銀と取るほうが優ります。

ここは選択肢があって、45同桂同飛33角成同桂24飛

評価値は+220です。あるいは後手から角を交換する、45同桂に88角成同玉45飛

評価値は+155です、あるいは45同桂ではなくて33角成同桂88角

43飛と受けさせて45桂と取ろうという手ですが、AIによると後手は47歩を打てば互角のようで、59銀46銀

を候補にしていますが、評価値は-111、先手にとって嫌な局面です。46同銀同飛33角成39角24飛48歩成・・・

ならば33角成同桂45桂とすればよいのかと言えば、45同桂

手順前後は別の変化になってしまいます。46銀55歩

の局面で評価値は-83、後手ペースです。

結論としては、45歩を同銀と取る手が難しくて、先手としては45同銀には同桂しかない。後手から角を交換するかどうかがあるけれど、先手ペースで終盤になるということですね。先手としての好み、後手としての好みで対局者の評価は変わるでしょうが、定跡としては先手良しということにしておきます。

 

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(7)

2023-04-20 | 基本定跡の研究

あとは蛇足のようなものですが、昔の定跡を検証してみます。

12香に68金上とする形(単に38飛のほうが有効でした)です。54歩38飛43銀に、35歩ではなくて46歩を突きます。

64歩ならば45歩同歩33角成同桂28飛。

ここでAIの指摘は44角77角22飛

先手からの11角を防いでいます。44角同銀31角21飛64角成63銀

86馬24歩同歩25歩

こういう戦いをほぼ互角評価値+50近辺としています。

戻って従来だと

32銀31角46歩

42角成同銀46銀

64角47金45歩

57銀引35歩同歩44角

77桂35角34歩46歩

36銀に45桂が強い手で

45同金36歩

35金37歩成同銀47歩成

AI指摘は46角同と同銀右で先手有利です。46歩37と29飛47と45金

難しい図ですが先手良しとされていました。長い手順はどこかで間違いというか、良い手が抜け落ちているようです。

他に指されたのは66歩と止める形で

64歩に35歩同歩46銀

後手の角をさばかせないという意味ですが、45歩35銀34歩

34同銀同銀同飛46歩57銀打

ここで45銀もあるでしょうし、55歩46銀56歩37桂43金

こんな戦いで評価値-16、後手ペースなのでしょう。居飛車の角が使えていないのでは、有利になる理屈がありません。

35歩よりは97角と使いたくて

53金65歩85歩64歩96歩

86角62飛95歩86金96香

こんな実戦例があったのだと思います。77桂67金右42角

この図は評価値+268、一回94歩と伸ばしておくか、66歩と合わせて先手ペースの戦いです。途中を見てみると

62飛ではなくて45歩が正しいと。77桂には97歩成、39飛には52飛(すぐに99角成は77桂98馬65桂がある)、という感じで評価値は0近辺です。

 

鷺宮定跡は難しいので、変化を覚えようとすると大変です。でも68金上としない形だけ使いこなせれば、居飛車が十分に戦えるとわかりました。先日中学生の有段者に聞いたら、鷺宮定跡?なにそれ?という反応でした。居飛車党ならば知らなくても問題ないけれど、振り飛車党、ノーマル四間飛車を使う人ならば、対応策は知っていないと悪くなります。

 

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(6)

2023-04-19 | 基本定跡の研究

後手の45歩は互角に近かったので、もう少し工夫をしてみます。

64歩に対して68金上と待ちます。実はこのほうが本来の鷺宮定跡で、相手の出方をうかがい、左46銀か、斜め棒銀か、鷺宮定跡(38飛)か、棒銀か、後手の手を見て決めようということなのでした。ここで54歩を突けば38飛とします。

43銀35歩同歩46銀以下は、後手から27角~54角成が消えています。なので45歩を突いて

33角成同桂(同銀でも)に31角を打てるというのが違いです。飛を逃げられても64角成とできるのです。米長森安の第43期棋聖戦第1局の手順をなぞってみると、14歩16歩の交換が入っていたのですが、44角77桂74歩66歩55歩

55同歩同角18飛41飛

22角成43銀35歩同歩32歩

51飛31歩成42金11馬

先手ペースで進んでいて、香を取って先手有利になっています。必然ではないですが、互いにほぼ最善を尽くしている手順です。

では後手が54歩以外の待ち方をしたらどうするか。74歩ならば

35歩同歩46銀の斜め棒銀を採用します。36歩35銀45歩33角成同銀77角

AI推奨手順で、評価値は+264、かなり指しやすそうです。

65歩ならば

38飛には43銀35歩同歩46銀45歩・・・後手に64角を打つ味があるので難しいです。なので55歩43銀56銀

65の歩を取りに行くというのがアイデアで、評価値は+182、まずまずでしょう。

おそらく後手の最善は68金上に12香です。

この図が悩ましいのです。AIは55角を推奨、63金には35歩同歩46銀の斜め棒銀がよいでしょう。

36歩35銀54歩88角45歩33角成同銀24歩同歩同銀、まではよいですが、22銀

後手の高美濃が中途半端で先手有利になるかと思いきや、評価値は+112、難しいようです。途中24歩同歩同銀と行かないで26飛

36歩を払う方針で評価値は+126、でもまだ先手有利までは遠いですね。

なお55角に65歩ならば

77角43銀46歩74歩37桂73桂45歩

45歩急戦になって、評価値は+197、十分な仕掛けでしょう。

ということで旧鷺宮定跡にするのもありですが、難しいわりにはっきりしません。変化というか、相手に合わせて方針が変わるから、級位者が覚えるのも難しいです。現実的には昨日まで研究していた範囲に収めておくのが良いのでしょう。

 

 

 

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(5)

2023-04-18 | 基本定跡の研究

後手にはもう一つ手段があります。

45歩を突いて角交換の力戦にしようという手。33角成同銀(同桂もあるが)28飛64歩66歩

先手は変なことを考えないで持久戦にするほうが良いです。現代で指されている角交換四間飛車と違って

この図になったら、45桂同飛32角

評価値+304、桂をすてて取り返し、馬を作れますから先手有利です。後手としては12香がうまくなかったというわけです。

後手が角交換の形を選ぶならば、12香ではなくて64歩の形のほうが良いです。

33角成同銀28飛63金66歩74歩68銀54歩67銀

居飛車は銀を立て直して雁木のような形を目指すのが良いようですが、評価値は+56、これからの将棋です。なお46歩同歩同飛と動いてもらえば、24歩同歩35歩同歩34歩とカウンターで動けます。

後手には33角成を同桂と取ることもできて

AIによると28飛41飛37桂21飛に88角を打ちなさいと。

42金46歩同歩同銀43銀26飛44歩47銀74歩35歩

こういう攻め筋を採って先手はまあまあ、評価値は+100~200です。

もっと攻撃的な順はないかと検討してみます。

55歩を突いたらどうか。後手が12香の形ならばうまくいったのですが、43銀56銀44銀37桂63金39飛54歩

これでも35歩を突いて互角の戦い(評価値は0近辺)なのですが、(12香を省略されて攻められているので)先手有利にはなりません。

66角として

手得をねらった意味ではあるのですが、後手から66同角同歩としない場合には、63金(これが最善)35歩同歩同飛

37桂~33角成同銀45桂をねらっています。66角同銀33銀にも37桂

54金に55銀とぶつけて評価値は+100ほど。別の筋で46歩同歩34歩45飛44銀

44同飛同飛55角

42飛11角成46飛21馬

飛と銀桂香の3枚替えで先手有利です。見たことのない定跡になるかもしれません。

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(4)

2023-04-17 | 基本定跡の研究

今日は鷺宮定跡で後手が64歩と待った場合を検討します。

35歩同歩46銀45歩

33角成同銀35銀46歩

46同銀27角28飛54角成

この局面で評価値は-64、互角とは言え、定跡研究としては失敗です。

では35歩同歩同飛のほう。

43銀46歩32飛45歩同歩44歩22角

評価値は-170、43歩成は王手飛車の筋が無いので成立しません。32飛成も45飛も同じような評価で、後手良しです。

AIは45歩同歩に33角成同飛同飛成同桂

シンプルに飛角の総交換のほうがましだと言いますが、評価値は-12、全くの互角では序盤研究として失敗です。

いっそのこと最初から聞いてみましょうか。

55歩を突けと言います。位取りで持久戦にするのではなくて、43銀ならば35歩同歩46銀

銀を繰り出して攻めるのです。66歩を突いてから攻めなさいという定跡はあったのですが、55歩のほうが良いのか。45歩35銀54歩

34歩55角同角同歩11角

というのが一例で、評価値+166はまずまずでしょう。55角成と馬を作れそうです。

後手としては45歩のほうが積極的です。

56銀43銀35歩同歩45銀

先手の調子が良さそうですが、54銀が格好良いさばきで、56銀43銀57銀

これで力比べです。評価値+75。

もっと良い攻め筋を見つけたようで、45歩56銀43銀には37桂と跳ねなさいと。

44銀には39飛、何を考えているのかわかりにくいですが、63金ならば35歩

評価値が+244あります。35同歩には45桂同銀同飛34銀の筋で

瞬間は二枚替えの変化なのですが、そのあとで駒を取れます。39飛は49銀の割打ちを防いでいたのですね。

戻って35歩に同銀ならば45桂22角46歩

これもわかりにくいですが、44歩ならば36歩46銀24歩同歩53桂成同金47歩

銀を取れるから先手有利だと。面白そうな定跡ができました。

 

 

 

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(3)

2023-04-16 | 基本定跡の研究

38飛の鷺宮定跡に対して、43銀とするのは先手がまずまずだったので

後手が54歩と待ったらどうなるか。攻めるならば35歩同歩46銀45歩

33角成同銀35銀64角

この角筋は受けにくいのです。34歩22銀は入るのですが、37角と合わせると

53角28角33歩

33同歩成同銀16歩43金34歩44銀

22に追いやった銀をさばかれてしまいます。評価値は-356で後手有利。

ならば64角には28角と合わせるのですが、

28同角成同飛64角37角53角

26角64角37角で千日手になります。先手としては失敗ですね。

先手に工夫が必要です。左銀を繰り出すのではなくて、35歩同歩に同飛としてみましょう。

43銀46歩32飛45歩

45同歩には44歩がぴったりで、44同銀でも44同角でも同角と取って先手有利になります。と思っていたら22角

こんな手があって飛交換で難しい、のでは無いようです。43歩成88角成同玉35飛52と同金71銀

銀を捨てて王手飛車に踏み込みます。でも71同玉44角に62角と受けられるのですが、35角同角31飛

王手で角を取れるので、歩2と金の交換になり、駒得で先手優勢です。飛角を打ち込まれることもないです。後手が54歩の形のときだけこれがあるのですね。

よって後手の最善手は42金くらい(他に53金もあるか)です。

44歩同銀38飛53銀

33角成同桂34歩45桂46銀44歩

AIの示す最善手順ですが、まあ妥当なところでしょう。43歩同金21角31歩32角成同歩

この図で評価値83、22飛42金21飛成49角28飛36角・・・を読んでいます。途中で24歩同歩を入れたら22飛に14角で-67なのか。ほぼ互角で力量次第なのでしょう。

詳しい定跡本に、似た形で(68金上64歩の形)33角成に同飛が載っていました。

飛交換は後手良しなので34歩43飛22角27角

28飛45角成22角成44馬

44同馬同飛24歩34飛23歩成27歩

27同飛38飛成で難しいと書いてありましたが、24飛35竜46角

24竜同角とした図で評価値は+217、先手ペースの終盤です。だから33角成に同桂だということなのでした。

さて定跡本には書いてないのですが、54歩には97角

41飛86角

山田定跡の端角のほうに習ってみます。この図の評価値は+200、先手の模様が良いです。方針としては飛は2筋に戻して66銀~68角と攻める感じです。手損でも後手の12香は角交換するとマイナスだし、86角のにらみがあるから後手から大した手が無いというわけなのでした。

ということで後手の54歩の待機は端角でなんとかなりそうです。

 

 

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(2)

2023-04-15 | 基本定跡の研究

後手の工夫としては、

64歩ではなくて12香のほうが良いとされています。(54歩は山田定跡の端角になる。)38飛とまわるのが鷺宮定跡で、後手に選択肢がありますが、43銀35歩同歩46銀を片付けてしまいましょう。45歩と反発して

33角成同桂35銀25桂34歩32飛(32飛34歩25桂の手順でも良い)

28飛24歩33角

と進むと、香取りになっていないから後手に選択肢があります。最善とされているのは64角26飛33飛同歩成54銀

64に角を打てるし、19角成を防げないから互角だというのですが、評価値は+108、先手ペースです。

昨日書いた28飛に34銀のほうをなぞると

34同銀同飛25飛24歩45飛(28飛39銀16角25角同飛同歩59銀もあるらしい)38飛成41飛成29竜

後手陣の12香と64歩のどちらが良いかという違いです。美濃囲いは64歩を突いてあるほうが堅くて(55角~74桂の筋がない)、前は-92だったのが-35、互角です。例えば59銀に19竜とできないというのが理由ですね。ともあれシンプルに進んで後手が悪くない(細かい工夫もできる)のですから、先手に何か工夫が必要です。

昨日は28飛ではなくて36飛で先手良しとなったのですが、

49角18角は先手有利で大きな違いはありません。でも64角があります。対して11角と返すのが好手です。

42金37桂(ここでAIは44銀34飛同飛同銀も先手有利だといいます)

37同桂成同銀33歩44桂

34歩32桂成35歩42成桂36歩、そこで銀を取り合って(43成桂37歩成)難解だとされていたのですが、AIによると36同銀

と取るのが正しいです。評価値は+542で先手有利。結論が変わりました。後手に54銀と逃げられても、22飛から攻めが続きます。

右46銀の場合の振り飛車32銀型、38飛に43銀35歩同歩46銀とするのと同じ結論になりましたが、居飛車の速攻は有利になりやすいようです。そしたら振り飛車の対応策は同じことが考えられますね。また明日検討していきましょう。

 

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SS1-4 四間飛車に鷺宮定跡(1)

2023-04-14 | 基本定跡の研究

次に検討するのは鷺宮定跡、青野照市先生が考えて、米長邦雄先生が採用して有名になりました。2人とも鷺宮(東京都中野区)に住んでいたので、この名前になったのです。

右46銀急戦でもあったように、(左46銀では斜め棒銀もできたのですが、)32銀型に38飛とする形です。43銀と受ければ35歩同歩46銀

45歩33角成同桂35銀32飛34歩

25桂28飛24歩33角

これがうまくいった例で、先手有利です。評価値は+518。

後手としては28飛とされたところで

24歩ではなくて34銀、あるいは22角77角同角成同桂34銀(こちらがより良い)が良さそうです。34銀同銀同飛24歩45飛

38飛成41飛成29竜とするか、44歩16角25銀同角同歩同飛24歩34歩・・・という順ですが、わかりやすい28飛成のほうを選んでも

評価値は-92で後手ペースです。駒の損得は無く、攻め駒も4枚ずつですが、玉の堅さが違うので、妥当な評価でしょう。

先手としては28飛ではなくて36飛と浮くのが最善です。(比較的新しい定跡。)

49角には18角と受けるのですが、その図で評価値は+221の先手ペース。AIは22角77角同角成同桂49角18角が最善だとしていて、

この図の評価値は+104、一応は先手ペースですが、58角成同金28金以下は難しい戦いです。

でも斜め棒銀よりは鷺宮定跡のほうが良い攻め方のようですね。

 

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SS1-3 四間飛車に山田定跡(3)

2023-04-13 | 基本定跡の研究

先手の工夫を見ます。

後手の64歩型で、35歩同歩46銀36歩

35銀45歩33角成同銀24歩同歩

ここで24同銀は難しいけれど、後手もちでした。先手の最善手は77角など、元のラインに角を打つ手です。対して後手も54角と打ちます。

24銀同銀同飛28歩

後手の54角は21飛成を防いでいます。28同飛もあるけれど、11角成のほうが簡明で、29歩成21馬

評価値は+376、先手有利です。なので山田定跡はここでも優秀なのかと思えたのですが。AIによると、後手としては24銀のときに

46歩が最善のようです。33銀不成同桂同角成37歩成同桂27歩

55歩63角29飛47歩成同銀46歩56銀47銀

必然の手順ではなさそうですが、この図で評価値は-1、全くの互角です。少なくとも先手が好んで指す定跡ではなさそうです。

後手としてはこれで問題がないわけですが、最初の35歩の仕掛けに、35同歩の1手でもありません。

43銀と受けたら、先手に選択肢があって、46銀とすれば形のちょっと違う左46銀急戦にすることができます。38飛35歩46銀はこの後に検討する予定の鷺宮定跡に近づきます。34歩同銀38飛43金はよくわからない力戦です。

また大山流で35歩に43金

というのも力戦です。AIはいずれも先手にとって悪くはないと評価しているようですが。

 

仕掛けの前の後手の第3の選択肢に12香があります。

35歩同歩46銀36歩35銀45歩33角成同銀24歩同歩

同じ手順をなぞると、77角54角24銀同銀同飛28歩

今度は11角成で香を取れません。28同飛46歩同歩37歩成同銀27銀

48飛38歩49飛

これは従来互角と言われていました(68金上64歩の形だったかも)。でも評価値は+618、先手有利です。後手としては27銀を打たない変化、28歩同飛37歩成同銀27歩

48飛76角11角成

とするほうが優りますが、評価値は+347、これも先手有利です。AIは後手の54角を良いとは思っていないようで、64角を推奨します。

55歩22飛38飛43金

こんな展開を考えていて評価値は-144の後手良しです。

先手の77角が無効だというならば24同銀と進めてどうかにもどるのですが、

34銀35歩64角55角

55同角同歩43銀23銀不成44角77角54歩

こんな手順で(必然ではないですが)評価値は+47の互角です。

従来の理由とはちょっと違うのですが、斜め棒銀はせいぜい互角にしかならないというのが結論です。ということで次は鷺宮定跡を検討します。

 

 

 

 

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SS1-3 四間飛車に山田定跡(2)

2023-04-12 | 基本定跡の研究

次は斜め棒銀を見ていきます。導入として

振り飛車が32銀型では先手が46銀としないのはなぜでしょうか。定跡書はどう書いていたかの記憶がないのですが、すぐに45歩33角成同銀57銀引

となったら評価値は+226、先手良しです。なので後手はもう1手は待つわけですが、43銀とすれば左46銀急戦に戻ります。64歩と待って、35歩45歩

33角成同銀34歩46歩33歩成同桂34歩

と進行します。評価値は+55、互角です。先手としては不満なのでしょう。

斜め棒銀と呼ばれる攻め方は35歩から入ります。35同歩46銀36歩35銀45歩

この銀の進出を斜め棒銀、あくまで棒銀で早繰り銀ではないというのが不思議なのですが。途中36歩35銀を入れておくのが振り飛車にとって少し得です。(初心者のころには36歩の突き出しを忘れて45歩としてしまうことが多いものです。)

なお右46銀急戦の時は48に銀がいないので、この攻め方はできません。(対藤井システムで採用されることはあった。)

33角成同銀24歩同歩同銀

ここで後手に選択肢があり、24同銀ならば同飛33角21飛成22飛

22同竜同角77角同角成同桂28飛59銀29飛成

先に竜を作られて、玉の堅さが劣るので後手もちです。評価値は-75。思ったほど先手が悪くないようですが。

後手としては銀交換に応じないで34銀

66角64角26飛

19角成35歩43銀11角成41飛

評価値は-188、後手もちです。飛は先手のほうが使いやすいけれど、持ち歩や玉の堅さを重視しているのでしょう。

変化の中で、後手が64角を打てるのが大きいです。なので後手が54歩を突いた時には、昨日やった端角のほうを選択しなさい、ということになっています。

ということで、斜め棒銀は後手が64歩を突いた時にでてくる定跡です。ここから46銀54歩35歩45歩は

互角だけど先手が得ではない、というのは前にでた図と同じです。よってその前の図から35歩同歩46銀36歩35銀45歩

33角成同銀24歩同歩同銀

ここは34銀や44銀もあります。24同銀同飛33角21飛成22飛同竜同角

もしも後手の74歩が突いてあったら、66桂が先手で入るので居飛車良し、と言われていました。この図は評価値-104、55桂が最善なようですね。定跡書には載っていなかったと思います。それ以外の55角、77角、66銀などは後手もちか後手有利(評価値-300前後)です。

後手が銀交換に応じて、先に桂損しても、先手が思わしくないのですから、何か工夫が必要です。

 

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