昨日の記事に関連したことが出てきたのですが、
後手が43銀ではなくて、52金左と待った場合は話が変わってきます。
同じように46銀54歩35歩とした場合には、すぐに45歩を突かれてまずいでしょう。35歩ではなくて、37桂としておけば一局なのですが、昨日の後手の工夫で、43銀と上がっていたのを32銀と引いていた形がありましたね。あれを手損なしでやられると面白くないわけです。
なので、今日の話は46銀ではなくて38飛を先にしようというのが基本図です。後手が普通に受けると、43銀35歩同歩46銀
32飛35銀45歩
33角成同飛34歩32飛66角
AIの評価値+291、ほぼ先手有利です(64角を考えていてまだアヤはある)。途中で
この図から45歩33角成同桂35銀27角
28飛36角成34歩35馬33歩成41飛43と同飛
というのがAIの考えている最善の手順で、評価値+147です。55角~11角成も見えるので先手の駒得が広がりやすく、まずまずでしょう。
ということで、従来の定跡では
64歩と待って、35歩同歩46銀45歩33角成同銀35銀
46歩同銀27角37飛54角成
これで互角であるとされていましたが、評価値は-245、先手の失敗の図です。やはりそうなのか、馬が大きいですよね。
だめな場合は35歩同歩同飛
とする手は指されていて、43銀46歩32飛45歩同歩33角成同飛同飛成同桂
という激しい順はあるのですが、これまでやった図で、先手の47歩が後手の持ち駒になっているのがありましたね(63歩型で)。それより悪いのです。これもだめならば45歩ではなくて36飛
22角には35歩を打って我慢するのですが、先手良しには見えません。評価値は-237、後手としては22角よりも45歩と突いて十分なようです。
戻って、他に従来の有力な変化としては
後手が54歩を突く形があります。35歩同歩46銀45歩33角成同銀35銀64角
これで後手有利とされていました。評価値は-305、その通りです。
ゆえに54歩には97角としなさいということになっていて、
41飛86角から持久戦に移行します。
歯切れが悪いのですが、評価値は+107でこれからです。
他の作戦としては、後手の変化ですが45歩を突いて
33角成同銀28飛から
端に角を打って44銀~35歩と攻めようとするものがありました。本も出ています。
AIによると、先手から33角成と交換する必要はなくて、28飛などと待ち、後手から角を交換しないならば66角同角同歩のほうが手損しないし、先手の作戦勝ちだろうという評価です。(後手が45歩を突いたところで+155)
最初に戻って、
この図などでは35歩同歩46銀と攻めてはいけないというのはわかりました。ではどうするか。例えば68銀上と待って54歩を突かせたら
35歩同歩(35同飛が有効な場合もある)46銀45歩33角成同銀35銀
後手から64角はないし、46歩同銀27角~54角成もないですね。37歩同飛28角24歩同歩66角
19角成23歩同銀33歩成同桂同角成29馬
この図で評価値はほぼ0、互角の戦いです。先手は23銀を取って駒得になるけど、18馬~36香と飛をいじめられて難しいのだそうです。
何かして待っているというのは有力で、もう1手囲いに手がかかりますが、エルモ囲いならば
この図の評価値は+167、先手もちです。
これで右46銀急戦の研究は終わります。うまくいく形、だめな形は覚えておきましょうか。居飛車がちょっと工夫をすれば使える戦法だとわかりました。