以前、評論家の石平氏は「歴史的に見て、日本が中国に近づいた時に日本によくないことが起こる」と述べたことがある。
今、ウイルスの震源地が中国なのに、日本の産業が立ちいかなくなる現象が起きている。こぞって日本の産業が中国に進出した結果、部品供給が滞るとこの通り。
とりもなおさず、製品を安く売りたいがために、比較的安い労働力を当て込んでの生産者側の目論見があったのだろう。しかし時間の経過とともに、賃金上昇率がほかのアジアの国と比較しても高くなり「旨味」は確実になくなったと言っていいだろう。
2012年当時の記事では「トヨタ自動車やホンダの販売店やパナソニックの電子部品工場、総合スーパーのイオンなどの日系企業が相次ぎ襲われ破壊。略奪行為を繰り広げた」とある。中国政府の命を受けているため「警察も見ているだけ」だった。
日本人は古来からいまだに農耕民族。農耕民族は両隣や横並びの誰かが先に取り掛からないと、自ら率先してやることはない。裁判も行政も「前例」を踏襲するだけだ。誰かが中国に生産拠点を移すと、こぞってなびく。その「しわ寄せ」が今やってきた。
中国からほかの国へ拠点を移した企業も多い中、いまだに踏ん切りがつかないところも多い。独裁国家のため引き上げることを表明した段階で、何らかの法令に引っかかることもある。行くも引くも地獄。これがチャイナリスク。(続く)