光画繚乱

映画と写真、どちらも「光」が関わるので、そしてそれが「錯綜し合う」ということから、ブログタイトルを光画繚乱としました。

スノーボード 金メダル

2022-02-23 20:03:06 | 私見偏在

 北京オリンピック、スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢選手。
決勝直後のインタビューで、「2本目の点数はちょっと納得いってなかったが、怒りが自分の気持ちの中でうまく最後に表現できた」と語った。
 日本では「怒り」はご法度。「アンガーコントロール」とか「アンガーマネジメント」とか言って、とかく「怒り」という感情を抑える傾向にある。「怒り」に任せるような行為はIQの低い人、「金持ちはけんかをしない」
のが日本のスタンス。
 米国の小説家スタインベックの作品に「怒りの葡萄」がある。1930年代・恐慌中の疲弊した中西部の農家の悲惨な実態を描いている。
男たちが集まって善後策を講じている状況を、女や子供たちが見守っている。男たちの顔に「怒り」が残っているのを確認すると、女は洗濯に子供は遊びに行く。男たちの顔から「怒り」が消えたときこそ心配しなければならない、ということを女たちは知っている。
 平野歩夢選手が「怒りの気持ちを 最後に表現」と言ったことで、随分前に読んだ作品の一節が思い出された。
 こういう若者が登場したことは、従来型の日本人に多くの教訓を残した。不条理に対する「怒り」をエネルギーに、結果を出すことはすばらしいという教訓だ。
 ともすれば日本人は多くの場合「泣き寝入り」を選んできたからだ。

 

 

 

 

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 東名あおり差し戻し審

2022-02-16 20:06:57 | 私見偏在

 事故鑑定の専門家が証言「一家の車は被告を回避できた」
 東名高速道路で2017年、「あおり運転」を受け停止させられたワゴン車に後続車が追突し一家4人が死傷した事故。
 自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(30)の差し戻し裁判員裁判の第7回公判が10日、横浜地裁で行われた。
 弁護側が請求した交通事故鑑定の専門家が証人として出廷。「一家の車は停車せずに車線変更でき被告(の車)を回避できた」などと証言した。
 これに対しコメントでは
 〇殺人事件でも「被害者側は被告人の攻撃を避けることができた」と言って責任を免れることができるようになる、とか
 〇百歩譲って、仮に回避できたとしても、結果的に死傷事故となり、トラックの運転手に無用な事故を生じさせたのだから、この事実だけで判断すればよい、などと、そもそも煽り運転をした側を非難するものが多い。
 この「専門家」の鑑定結果をそのまま引用するならば、「死ぬな」と言いながら相手を殴り続け、結果死亡しても責任を回避できることになる。
 「後出しじゃんけん」イコール「専門家」なら、誰でも「専門家」になれる。
 まともな「専門家」ならまだしも、なんちゃって「専門家」は無用。

 

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親が死んだら生きていけない

2022-02-09 20:07:16 | 私見偏在

  相沢光一氏の記事
 フリーライターの相沢氏が、埼玉県ふじみ野市で起きた訪問診療医射殺事件について述べている。
 猟銃で撃たれて亡くなったのは、事件の前日、無職・容疑者(66)の母親(92)を看取った医師だ。容疑者から弔問に来るようにとの連絡を受けて訪問したところ、「心臓マッサージをして蘇生を試みてくれ」と頼まれた。無理な要求だったため丁重に断ると容疑者は逆上し、医師に向けて猟銃を発射した、というもの。
 親の介護というと世間体はいいが、介護する親の年金収入で生活しているパラサイト=寄生。親の年金が頼りだから、親が死んでしまったら自分も生きていかれなくなる。それが分かるので精神的に追い詰められ、モンスター的行動に出ることが多い、という。
こういう事例を業界では「寝たきり大黒柱」と呼ぶらしい。また、親が死んでも届け出をせず、自宅内に放置する例では「年金ミイラ」
とも言われている。
 筆者は、今回と同様の事件が再び起こったり、目に余るハラスメントが多発したりする状況が拡大した場合は、国がカスタマーハラスメントに関するガイドラインを作ることも必要ではないか、と結んでいるが、モンスター化した者には、ガイドラインよりも実効性のある法律なり手段なりを早急に実施すべきだ。国はガイドラインを作ると、それだけで一旦安心してしまうきらいがある。 実効性のない「お題目」はもうたくさん。         

 

 

 

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立てこもり事件

2022-02-02 20:11:49 | 私見偏在

 埼玉県ふじみ野市の住宅で銃を持った男が立てこもり、人質の医師を撃ち殺害した事件。
男が医師に死亡した母親を蘇生するよう求め、断られると犯行に及んだ。
 容疑者は死亡確認からおよそ30時間が経過した母親に蘇生措置を行うよう求めたという。
 容疑者の年齢は66歳、母の年齢も90歳は超えていよう。死亡確認から30時間が経過しているのに医師に蘇生措置を要求、断られると発砲。とても常人の思考回路とも思われない。
関係者などによると、容疑者は数年前、母親の診察で埼玉県内の病院に通い、院内で「(母親の)内視鏡検査の順番を1番にしてほしい」「院長でないとダメだ」などと怒鳴り散らしたり、暴れたりしたことがあったという。こういう人物に銃の所持許可を与えることが普通なのか甚だ疑問だ。一旦、所持許可してしまえば、その後のことは不問なものなのか。
銃の所持継続を認めるうえで欠格事由とはならないものなのか。公安委員会は説明の義務ありと思うのだが。
 容疑者も「母の看病」というと世間的に聞こえはいいが、母の年金のために起こした事件のようにも見える。「引きこもって現在に至る」ように思えてならない。
 日本の警察は「立てこもり」事件が発生すると、必ず犯人の「説得」を試みる。状況の分析から「臨機応変に対処」すべきだ。マニュアルがそうなっているからと常に「説得優先」ではプロとは言えない。
 人質となった被害者の家族の心情を思うと、発砲があったのに「説得」を続ける警察の態度に疑問を持たざるを得ない。
 また、この親子は二人とも生活保護を受けていたという。猟銃二丁も所持していながら生活保護。いろいろな問題がを提起してくれる事案だ。 

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