ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

渡辺明竜王著「永世竜王への軌跡」

2009年08月16日 23時01分58秒 | 将棋
ついに手に入れました。結局期待していた将棋の本の品揃えがかなりいい浜松町の本屋さんでも品切れで(数冊入ってすべて売り切れたそう)本屋で買うのは諦めかけていたところ、たまたま通りかかったお茶の水の丸善で最後の一冊をゲットしました。平積みの最後の一冊で、目に入った瞬間だれも競ってないのに詰め寄ってしまいました(笑)。竜王のブログでも第二刷がまだ間に合っていない、というような意味の記述があったようですが、ちょうど品薄状態で、しかもお盆で入荷されてこない、という状況だったようです。しかしいずれにしても将棋の本としては異常なほどに売れているのは間違いなさそうですね。

日本滞在中になんとか手に入って帰りに飛行機で読むことが出来ましたが、確かにかなり力が入っていて楽しめました。既に自戦記のところはほとんど読み終わりましたが、ほとんどリアルタイムで見ていたものばかりでしたがとても楽しめました。昨年末の対羽生の七番勝負は第四局以降全部入れて欲しいと思ってしまいました。一期ごとにまとめられているエピソードにははじめて知る話も沢山あってとても楽しいのですが、私のような低級者にはエピソードも全部織り交ぜた形の自戦記にしてもらえたらもっと自然に読める気がします。

もう一つ指摘するならば、棋譜解説のパートでどのように図面が選ばれたかが謎で、差し手の解説の無い局面をわざわざ選んでいるのはとても不自然に思われました。再び私のような低級者固有の問題なのですが、やはり図面がないところで差し手の解説を理解するのは難しく、頭の中だけで差し手を全部進めるのはかなり厳しいので(集中力がいるし、疲れるので気楽にはできない、ましてやわざわざ並べてみるような時間は残念ながらない)、スペースが有る限りは図面を多くして、差し手を追うのを少しでも楽にしてほしい。少なくとも差し手の解説のある局面の中から図面を選んで欲しい。図面と図面があまりにも離れてはいけないという配慮もあるかとは思うのですが、必ずしも全部通す必要は無くてポイントとなる、解説のある局面を見たいのでそこで図面がないのは辛い。

既に完成度の高い本書ですが、きっとかなり増刷されることでしょうから、第二版ではより完成度を高めてもらいたいところです。

永世竜王への軌跡

竜王の新刊、飛ぶように売れてるんじゃないでしょうか?

2009年08月10日 23時39分12秒 | 将棋
超久しぶりにして唐突な更新ですが、今日本に帰っています。別にお盆を狙ったわけではなくて偶然なのですが、とにかく帰ってすぐにしたかったことは評判の高い渡辺竜王の新刊「永世竜王への軌跡」を買うこと!だったのですが。。。ないんです。はじめに成田から京急で上野まで来てすぐ近くのTSUTAYAで見たら、将棋関係は入門書数冊でがっかり。でもそのあと普通に将棋の本を置いている行きつけの本屋にもどこにもなく、店員に聞いてみると一冊は入ったんだけど売れてしまったようです、という感じ。普通これだけの新刊だとだいたい置いてると思うのでどうやらかなり売れているようです。こうなったら渋谷東急の将棋祭りにいってサイン本を買うか!とも思いましたがさすがにそんな余裕は無く、未だ手に入っていません。明日は羽田から飛行機に乗るのでいつも将棋の本を買う浜松町の駅ビルの本屋さんに当たってみます。ここはかなり将棋関係が充実しているのできっと平積みになっているに違いないと期待していますが、果たして。
ちなみに梅田さんの「シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代」は平積みで見つけてほとんど読んでしまいました。期待通りの内容でした。概念的に新しいメッセージを、丁寧にかみ砕いて繰り返し一貫して展開しているところが、一般向けな啓蒙を強く意識しているなあと思わされました。そういう意味では竜王の「頭脳勝負」と同一線上にあるとも言えますね。(もちろん梅田さん自身強く意識されていることでしょう。)ただし私にとってはウェブ観戦記はかなりしっかり読んでいるし、実際に新しい部分が少ないうえに重複が多いので分量の割に刺激が少ないと言う印象は否めませんが、最後の羽生さんとの対談がまたエッセンスを加えていてさすがの構成という感じもします。どうかと思うのは内容じゃなくて、この本のたすき、もうちょっとスタイリッシュにならなかったものかと。こんなレイアウトだったら誰にでも出来そうなもので、梅田さんのイメージにはちょっと合わない気がします。
外見という意味では、ちょっと不思議に思っているのは竜王の本の表紙の写真で、なんでこんな自信なさそうな顔なのかなあと思ってしまうのですが、これはさすがに竜王の意志が反映されているはずで内容を読んだら納得するのかなあと思っています。もし時間があったら感想を書きたいところですが、まあどうなりますか。そう、運命の流れがうねりまくっていてなかなかそれどころではないんです。