ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

VISA更新への道3

2007年05月30日 06時01分40秒 | ウィーンの生活
「更新への道」なんて題ではじめちゃったせいじゃないでしょうけれど、どうしてこんな簡単な事がなかなか片付きません。

 周りの同じ立場の人たちは別に研究者である証明など要求されていないので、研究所の担当の人がうまく交渉してくれるだろうと期待して休みから帰ってきてみましたが、そう上手くは行かないもので、「あなたには二つ選択肢があります。一つはドイツ語を習っている証明を出すこと、もう一つは日本から取り寄せて研究者であることを証明する書類を用意すること」と言われました。当然日本から取り寄せるのは時間が掛かるので、ドイツ語は一応習ってるし、それをじゃあ今回はドイツ語のコースの証明を出すことにするよ、と言ったら、そんなに簡単な事ではなくて、一度ドイツ語を習ってるということで更新してしまったら研究者としての例外扱いがなくなり、3年のうちに300時間のドイツ語のコースをしなければいけなくなるということでした。これはとんでもないのでもちろん日本から取り寄せることにしました。でもこれは時間が掛かるし、公的に認められた翻訳家によるドイツ語訳もつけなければいけません。ふう。まあでも博士であることの証明はあってわるいこともないのでポジティブに考えることにしました。

 しかしすべては思ったように行かないもの。昨年同じ博士取得証明を出してもらったときには出身研究室の秘書さんにお願いしてとても迅速に対応してもらえたのですが、何でも大学の事務の手続きが変って本人が申し込みしなければならないとのこと。メールでお願いしてそれでOKと思ったら最後に「郵券を貼付した返信用封筒をお送りください」などという項目がありました。そんなのこっちから送ってたらまた時間掛かるし、第一日本の切手なんか手元にあるはずがありません。よくよく調べてみると国際的に通用する返信用切手というのがあるらしいのですが、こっちのドイツ語しか通用しない郵便局の窓口で果たしてそんなものが買えるのか?まあ僕一人では無理です(笑)。結局ドイツ語が出来ないことが発端でいろいろやることが増えて、でもってドイツ語が出来なくてやっぱり困ってるのですからなんともどうしようがありません。結局いろんな手段を駆使してなんとかクリアされそうですが、あー日本の事務仕事ってこうだったなあと思い出してしまいました。こういう理屈で考えて明らかにおかしいことに縛られるようなことはこっちではあんまりないような気がします。まあどっちがいいんだか良く分からなくなってきました。

最近言葉をそんなに完全に理解できなくてもお互いの頭が前向きに働いていれば十分にコミュニケーションは成立するし、Scientificには少なくとも問題ない気がしてきました。まあ程度の問題はもちろんありますが。それよりも言葉の端々まで良く分かってしまう間柄で簡単なことを理解してもらえないとよっぽど疲れるんですよね。

プラハの印象

2007年05月22日 05時13分13秒 | ヨーロッパ旅行
忙しくしているとあっという間に時間は経つもので一ヶ月近く放置してしまいました。。。この間いろいろありましたが、先ずはプラハのことから。プラハはもちろんオーストリアの北に位置するチェコの首都。モーツァルトがプラハで物凄く人気になったこと、ドンジョバンニが初演されたのがプラハであることは有名です。

ウィーンからプラハまでは鉄道でもっとも早いもので4時間。近いといえば近いですが、4時間はやはりそれなりにあります。下の写真はその道中のもの。道中といってもウィーンから一時間も経たずに国境を越えるのでもちろんこれはチェコの風景です。ちょっと天気が悪かったのでいまいち冴えませんが、あまりに鮮やかな黄色なのではじめは何か分かりませんでした。広大な菜の花畑が続いています。



プラハに行く前にオーストリア人の一人から聞いた印象はとにかくプラハはヨーロッパの中でも中世の雰囲気を残してる街でウィーンとはかなり違うよ!ということだったのですが、それは確かにその通りでした。ウィーンはたとえばStephants Platzのようなところでも現代的な建物が混在していますが、プラハの旧市街などはそれとは全く違います。建物の色もウィーンとは大分違い、パステル調の個性的な色が塗られていて、それが長年維持されて色あせていないのです。



この写真は別になんてことプラハ城近辺ですが、現代的な車が無ければやはり中世を舞台にした映画がすぐに撮影できてしまいそうです。(ちなみに車は結構新しい高価なものがガンガン走っているのも驚きました。まあちょっと中心から外れるとシュコダだらけになりますが)

プラハで嬉しかったのは食事で、系統としてはウィーンにとても近く、グラーシュもシュニッツェルもありますが、お店によってはなんだか日本の洋食屋さんのような妙に懐かしいような味付けの食事にありつけました。ウィーンではこんなことは全く無いのでとても不思議です。ただし、驚いたことに値段は全然安くありませんでした。というか観光地を歩いて食べている分にはウィーンよりも大分高くつくかもしれません。(ウィーンの観光名所的なところをあまり知らないという話もありますが。。。)

そしてもっともウィーンと違うのは人々が良く働くということです。こればかりは全く違います。良くも悪くもウィーンの人は先ず急がないし、きびきび働くというような風景にお店で出会うことはありませんが、プラハでは皆良く動きます。そしてとても綺麗な英語を話す人が沢山いることに驚きました。ウィーンではやっぱりドイツ語話してよ、という雰囲気があって英語で話すと明らかによそよそしいのですが、チェコの人はまさか外国人にチェコ語を話すことを期待するはずが無いので、そういったところでよそよそしさがありません。これは外国人にとってはとても大きいかも。そんなことを考えていると、プラハにも最近先進的な研究所が出来たみたいだし、場合によってはここに住むことなんかもあるかなあなどと思ったりもしました。

が、やっぱり東欧は東欧、ウィーンとは違いました。何が起きたか、想像ついてしまいそうですが、これについてはまた次回。