ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

いよいよ帰国

2010年10月27日 15時11分15秒 | ケンブリッジの生活
遂に帰国が決まりました。
ケンブリッジに移る前から日本の帰り先を探していたのですが、とれも有難いオファーをいただきました。とてもアクティブな研究環境なので、すべての人が超マイペースで動いている今の状況とはかなり異なりますが、これからは指導をしつつ自分自身の実験も頑張らなければいけません。基本的に指導するのは好きだし、日本で助手をしていた時の経験からかなり向いていると思っているで自分が力を発揮できる環境だと信じています。

ということでもう残りの時間が少ないのですが、今の仕事をようやく論文にしようとしているところで、毎度のことながら実験・論文書きと引越しとで大変な最後になりそうです。論文のReviseの実験は今の環境ではできなくなるので、予想される実験で技術的に難しいものを前もって仕掛けるために隣のラボとCollaborationをしたりしています。これらの実験はある段階でおそらく必要になるということは気づいていたのですが、後手後手になってしまい取り掛かるのが遅くなってしまいました。Reviseの時もいつも思うのですが、基本的に思いもつかないことを要求されるようなことは余りなく、ある程度自分でも自覚しているところを突かれるのです。ならば前もってやっておけばいいのですが、当然そのときは別の課題に取り掛かっているわけですし、常に取捨選択して実験は行っているわけで気になる実験を全部やるというわけにも行きません。難しいです。

過去を振り返ってもなかなか論文を量産する体制になれず、ひとつの論文にとても時間がかかってしまっていることが反省点なのですが、それゆえ一つ一つの論文が自分にとってとても大事でもあります。地味なジャーナルでもしっかりしたクオリティの論文にしなければいけないと思います。

ウィーンでの3年半は本当にあっという間でしたがケンブリッジの一年はそれに比べると長かったかもしれません。とにかくヨーロッパでの留学生活は後少しでおしまいです。理想的には論文をさっさとだして日本に帰る前には有給をたっぷり使って長期休暇をとりたいなあと思っていたのですが、完全に夢と消えました(笑)。日本に帰って赴任したら即座に日夜バリバリ働く生活になりそうです。ヨーロッパよりも日本の研究環境の方が自分には合っているというのが留学生活の一つの結論なのでそれをアウトプットで示さなければいけません。

ケンブリッジはすでに秋

2010年08月31日 00時14分34秒 | ケンブリッジの生活
八月に入ってから雨が多くなりそれにつれて気温も下がり夏らしい暑さからすっかり遠ざかってしまっているなあと思っていたら、どうやら木々はすでに色づき始め夕焼けは赤さを増し、いつの間にか秋になっていたようです。暑かったのは6月と7月のはじめだけでした。思い出してみればイングランドは8月は雨ばかりで気温もすでに下がるとずいぶん前に聞いていたのでこれは通常の気候のようです。どうしてこうなるんだか分りませんが、そもそも緯度を考えると異常に温和な気候とも言えると思います。日本は異常な暑さなようなので、それを考えると過ごしやすいのは何よりですが、いつの間にか夏が終わってしまったのと、まだ夏なはずなのに暖房を使いたくなるほどの冷え込みにはなかなか体がついていきません。もう秋なんだと気づいてからは体も落ち着いた気がします。

個人的には今年の夏ほどプレッシャーを感じて仕事をした夏はありませんでした。論文の投稿を前提としてデータを集めていく時期と言うのはプロジェクトの始まりの時期のようなエキサイティングさがなくなってしまうので、ひたすら淡々と欠けているデータを埋めていく作業になってくるのですが、一方でチャレンジもしている訳で八月も最後になってやっと結果になってきました。早く論文にまとめたいという気持ちと、できるだけ上を目指したいという気持ちは相反するわけで、データが結論を導いてくれるといいのですが、なかなかどうして落ち着かせてくれません。

イングランドでドライブ

2010年05月29日 00時13分39秒 | ケンブリッジの生活
ドライブといっても基本は通勤です。ケンブリッジはシティセンターがあまりに家賃が高いのでちょっと郊外に住んでおり通勤は車+自転車の長い道のりです。そこらへんも書くと長くなるのですが、久しぶりの投稿なので無理はしないということで(笑)。

とにかくこっちの運転は集中力が要ります。右側通行だからと思ってウィーンより楽かと思ったらよっぽど大変です。まず日本人になじみがないのはリンクです。これはまあ慣れてしまえば要するに自分の上流から来る車が来るかどうかさえみていれば大きめなリンクは簡単、問題は小さいそこらじゅうにある三叉路になってるリンクですが、慎重にしていればまず問題ありません。スムーズに損をしないように通過しようと思うと、結構駆け引きというか譲り合いなのですが、タイミングが分からないとみんなでお見合いしてしまったりします。さすがはイギリスと言う感じでみんなとにかく譲るのでそこがウィーンとは全然違うところ、日本とも違います。なんとなく強気に出てしまって本当は譲るべきところを譲らせてしまって後味が悪いということが初めの頃はよくありました。また信号のタイミングもせわしないので赤信号が見えたらすぐに止まるべき。ウィーンだと赤信号になったばかりくらいはみんなどんどん行くので早めに止まると追突されるんじゃないかと思ったくらいでしたが、こっちはみんなすぐに止まります。で、すぐに反対側が青になります。迂闊に行ってしまうと本当に危ないと思います。感じとしては、こっちが赤になったと同時に向こうが黄色になり一秒後には青になっている(大陸もそうですが、こちらでは青になる前に黄色になります)。

信号の速さも集中力を要する一因ですが、他にも沢山あります。ケンブリッジ周辺だと一番大きいのは自転車です。特に街の周辺に近付くとそこらじゅう自転車が走っています。日本のように道の反対側を走る人はさすがに居ないですが、それでも自転車にはルールがあるようでないようなもの。二台並列で走るような人は沢山います。狭い車道だと一台自転車が走っていれば反対車線が空いていないと安全に抜けません。日本だと道は車のもの、自転車は端っこを走らせてもらっているもの、というような感覚がありますが、こっちででは自転車でも右折ラインはもちろんどこでも走ります。車のドライバーはものすごく自転車をケアしなければいけません。もちろんぶつかってしまったらほとんどこっちの責任ですから。どんな田舎道でも自転車が走っている可能性があるのでブラインドのコーナーなどは結構危険です。道を曲がってみたら自転車が前を走っていて対向車線は車が来ていて、でも自転車と自分の車のスピードの違いは40マイルもあるから止まりきれない・・・なんてことはなんとなく飛ばしていると十分起こりうるのです。ちなみに自転車の側になってみるとかなり怖いです。みんなセーフティーに抜いていってくれますが、だれか一人でもこちらに気づかずに突っ込んできたら死んでしまうので背中からのプレッシャーを感じすぎて過剰に疲れてしまいました。

なんだか教習所の授業みたいになってきましたが、こっちで特に違和感があるのがスピード制限です。街中は30マイルで、これは遅すぎるくらいで、でもきわめてもっともな理由があるので遵守していますが、一方で高速道路は70マイルです。これは110キロちょっとで、80マイルも出していたら捕まるので実際のスピードは日本の高速の方が速いかもしれません。オーストリアは130キロ、ドイツは通常140キロ、ご存知速度無制限区間も沢山ありますからえらい違いです。高速はまあいいんですが、信じられないのは田舎道で、片側一車線で、バスとすれ違う時は結構気を遣うくらいの道路でも制限速度は60マイルです。最近では慣れてきて60マイル強で走るようになってしまいましたが、道も結構でこぼこしているので初めは50マイルでもちょっと怖い気がするくらいでした。道幅が広くない上にカーブも沢山あって、なんとなくぼおっと走ってしまったりするとこの上なく危険です。逆にレーサー気分で集中して走っているくらいがぴったりです。これが単純なはなしですが、一番書きたかったことです。この制限速度はたしか50年くらい変わっていないということらしいんですが、深刻な事故が一番多いのはこの田舎道だそうです。逆に高速はもっとも安全なんだとか。そりゃそうでしょと言いたいですが、でもきっとこういうレギュレーションと言うのはイギリスではそう簡単に変わるものではないのでしょう。

ドイツの速度無制限のアウトバーンを走った後はBMWのMやAUDIのSが存在する意味がよくわかってそういう車に乗りたいと思ったものですが、こっちに来てからはハンドリングのいいFRオープン2シーターに乗りたいと思うようになりました。だって田舎道を飛ばしているとほんとカーブがスリリングですから。こういう事情だからMGとかTVRみたいなメーカーが生まれたのでしょう。ちなみにこっちに来てやたら多いと思うのは新しいMINIです。サイズがちょうどよく、しかも速いブリティッシュカー(実情はともかく)だからなのでしょう。でも私はコーナーでハンドルを支えているのが辛いのでFRが欲しいです(笑)。