ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

ロンドンで健康診断

2010年09月19日 01時19分02秒 | 留学
健康診断を受ける必要がありロンドン医療センター(http://www.iryo.com/)に行ってきました。ロンドンに車で行ったのも初めてでいろいろネタになることが沢山あるのですが、まずは健康診断そのものについて。

日本の大学に居た時に健康診断といえば大学の施設で受けるもので、大学院生の時は大学の保健センターで、そのあとは医学部だったので隣の付属病院に行ったものですが、残念ながらUniversity of Cambridgeにはそれほどのサービスはないようです。大学にはOccupational Health Serviceというものがあって、特に動物実験をする場合にはここで定期的にチェックを受けるのですが、基本的には肺機能を見るだけで血液検査などはありません。日本でもオーストリアでもRIを使うようになると必ず血液検査を毎年受けて、リンパ球の数をチェックされたものですが、こちらではそういう意味ではRIに対してはあまり敏感ではないようです。動物実験に関しては異常なほど敏感なんですが。。。

そういうことでOccupational Health Serviceは助けてくれず、登録の掛かりつけの医院に行くように言われたのですが、このような健康診断は個人負担になるので、全部の設備がある大きい病院でHealth Screeningのパッケージを利用した方がいいと言われました。ところが特に胸部X線はイギリスでは一般的でないようで、これを含むものというのはもう人間ドック的なもので600ポンドとか!これはちょっと厳しいのでどうしたものかと思っていたところ、知り合いにロンドンの日本人向けの病院を教えてもらい、上記ロンドン医療センターの健康診断を見つけることが出来ました。知らないで近くの病院で受けていたらお金がかかるだけじゃなくてバリウムとか必要ない検査までたっぷり受けさせられて酷いことになるところでした。ロンドン医療センターでももちろん普通にお金がかかります。でも余計な項目がないので半分以下で済んだ計算になりました。

ウィーンを去るときに血液と尿の検査を受けて以来の健康診断でしたが、ロンドン医療センターは基本的にすべて日本人スタッフで(X-rayの検査技師だけは日本人が見つからないのか現地の人のようでしたが)看護婦さんたちのすごいきちっとしたちょっと早すぎるくらいのてきぱきした働き具合にちょっと感銘を受けてしまいました。日本だったらあたりまえなのかもしれないですが(笑)。検査は例のよって前日の夜ごはん以降は絶食、それで早朝に起きて車でロンドンまで運転するのはちょっと辛かったですが、早く着きすぎたら早めに検査を初めてくれて、オーストリアとイギリスの常識に慣れてしまった私には信じられないくらい早めに終わってしまいました。そして会計処理を待っている間に食べられるように用意してあったどら焼きに感動。うーん日本は素晴らしい。

こんなに真面目で効率的に働ける日本人・日本がどうしてサイエンスで世界一になれないのか、改めて考えなくてはと思わされました。

科学者が国から出ることの意味

2010年02月05日 08時44分14秒 | 留学
柳田先生のブログに繰り返し書かれていることなのでたびたび考えることなのですが、先生から見た今の若者は圧倒的に地元から出たくなかったり、留学を考えない人が多いということです。

自分はおそらく「今の若者」に相当しないと思うのですが、なんとなくわかるようで、自分の出身ラボの後輩たちを見ているとどんどん海外に出ているので現実としてはなかなか認められないところもあります。私の場合は学部生のころからいずれ海外に出るつもりで、ヨーロッパでの生活に憧れていたので出たくて仕方がなかったのですが、いまヨーロッパで二つの国を経験して自分を見つめてみると海外に出ることのいいところはだいぶわかったと思うし限界もかなり見えてきます。

自分の発想として普通にみんなが考えているところとはちょっと違うところを行きたいと思っているところがあって、この「ちょっと」というのがあまりスケールが大きくないところですが、たとえば留学するんだったら大物のところにいって目立つ所に論文を書いてすぐ帰ってくるのではなくて、たとえ地味な仕事でもヨーロッパの科学の哲学を学びたいし、できることなら自分のラボを持ってみたいと思っていました。いまでもその思いは変わらないのですが、現実的に日本人が海外でラボを経営するのはなかなか大変だし、逆に日本のサイエンスのレベルは十分に高いわけで、海外の難しい社会システムのなかで、国民性の違ういろんな民族の人たちと働いて苦労するよりは、勝手知った日本のシステムの中で、なにより私生活に心配なく美味しい食生活を送れる日本で頑張ったほうがいいかもしれないとも思うようになりました。海外暮らしもおそらく10年前とは全然違って、日本と電話するのにお金もかからないし、食材もそれなりに手に入るし、休暇を日本で過ごすこともできるので生活は自分にとってはクリティカルな問題ではないのですが、研究の方は良くも悪くも全く違います。結局のところ自分の性格の問題で、やはり海外でやっていくにはそれなりの鈍感さが必要なところがあるように思います。外国人とやっていくのはうまくいけばとても楽しいし、仲良くなると言葉は違っても心は同じだと思えるような人間関係も築けるのですが、社会のシステムになじむのは言葉の問題もありなかなか大変です。オーストリアはドイツ語社会だし、保守的で怠惰なところが、居心地がいいところもあるのですが、やはり難しいものがあります。イギリスは英語なのでまだしもですが、逆に英語なので全部自分でやらなければいけないところがあり、オーストリアの方が実は楽だった(ドイツ語なのでできないから訳も分からずやってもらうがまま)ということがわかりました。イギリスの方は人種差別は圧倒的に少ないし、禁煙も進んでいるのでいいのですが、たとえばPIになったらどうかと思うとボスを見ていてあれだけの量の書類をこなすのは厳しいというか時間の無駄に思えてきます。とにかく何でもかんでも書類が必要になるのは想像を絶します。

話がだいぶそれてしまいましたが、自分の人生においては留学は当然するものであったので、国から出ないなんて考えもしなかったわけですが、客観的に見て研究者としてどうしても必要ということはないし、なかなか論文が出なかったりすると余計な手間をかけて海外に出るよりも日本で頑張ったほうが効率がいいかもしれません。語学だけの問題だったらなんとか機会を作って数カ月単位で海外にいければそれで十分なような気がします。それでもやはり若いうちに海外での研究生活を送ることに大きな意義を感じるのは、自分が科学はヨーロッパの文化だと思っているからなのかもしれません。ヨーロッパの研究社会もアメリカナイズされているのでだんだん時代遅れな主張かもしれないですが、やはりヨーロッパの科学者たちは確固たる哲学を持っていると思わせてくれます。私の意見では日本は根底ではアメリカよりもよっぽどヨーロッパに近いと思うのですが、言葉の壁が底をうち消してしまっているのでしょう。どうあっても日本の科学が国際社会で認められるには独り相撲ではなく欧米に評価されなくてはならないので、そのためには国レベルでも個人レベルでもいろんな形で海外に出ていかなければならないと思います。

近況

2007年10月30日 07時58分34秒 | 留学
一度更新が滞ると何かいいアイデアがないと書かなくなってしまうのが私の癖ですが、それに加えてすっかり仕事の方が忙しくなり、家に帰るともうへとへとで創作意欲など全くわかないというような毎日、すっかり間が空いてしまいました。

日ごろたとえばトラムになっているようなときに書きたいことを思いついたりするのですが、そういうときに書きとめておいたりしないとそのうち頭のメモリーが実験のことで一杯になってそんなことは吹っ飛んでしまうようです。人間の頭のPCと違うところは、メモリーが足りなくなったときに必要性の低いものから勝手に削除、もしくは圧縮してメモリーを確保してくれるところだと思うのですが、この必要性の判断が無意識になされるようであとで考えると面白い。私の場合、昔はここらへんがひどくわがままに出来ていたもので妻の用事などすぐに忘れてよく喧嘩の種になったものですが、最近はすっかり家族のことは優先されて、自分が普段ぼおっと考えているようなことがどんどん削除されているようです。

9月以降、個人的な面で随分生活が変わってラボにいる時間が大分長く取れるようになりました。というか一時期短か過ぎたのですが、そうなると上手い具合に仕事も展開するようになりやらなければいけないこともどんどん増えてくるものです。特にマウスの実験に関しては自分の計画通りには行かずマウスの機嫌に振り回されるところもあって難しい。いま抱えているプロジェクトは、論文にするときにどうまとめるかという指標で考えると4つあって、もちろんどれもが上手く行くとは思っていないのですが、今のところそのすべてが拡大方向なのです。もっとも進んでいたマウスのプロジェクトの一つは夏の間non-scientificな理由で止まっていたのですがこれが動き出し、細胞を使ったプロジェクトは前も触れた話で夏前から急に盛り上がり、マウスのもう一つのプロジェクトもなんだか怪しげな面白いデータが出てきて実験のスケールを拡大し、最後のやや地道な仕事も細胞の種類をあと二つは増やすことになり、、、と言った調子です。この状況ならネタがなくなることはなさそうだし、有り難いことですが、もっとも気をつけなくてはいけない状況だと私の経験が訴えています。今こそ実験量を稼いで進展させる時期という反面、何が最も優先させるべきことか、オプションで最優先ではなくてもいつでも出来るように準備しておかなければいけないものは何か、というようなこと常に冷静に考えていなければいけない。ボスとも会えば話すことがあって随分頻繁にディスカッションしていますが、毎日違うプロジェクトについて話しているような状況で、そういった大局的なことは自分で考えなくてはいけない。これはまさに私が留学に望んだ状況で有り難いことですが、ボスの言うがままに働いていつの間にかいい雑誌に論文が出るような状況で満足できるならそのほうがよっぽど賢いのかもしれないと思ったりします。もちろんそんな上手い話はなかなかないでしょうけど。うちのラボでは自分でプロジェクトを見渡して考えられなければ、仕事は効率的には進まないし、いくらがんばっても論文に近づかないように思います。

グループリーダーがラボのマネージメントを考えるときに成果を出すことが一番の目標だと思いますが、働き手の主力が学生である場合話は難しい。日本にいるときは私は学生だったり助手だったりしながらラボのことばかりを考えてしまって自分の仕事を最優先できないところがあったと反省していますが、こちらではまあいろいろ思ってもラボのマネージメントに口を出そうとは思わないし、だからこそ自分の仕事に集中してサイエンスを楽しめますが、やはり考えさせられることはたくさんあります。多国籍なメンバーが集まっていえる状況ではいわゆる常識というのものがあるかどうかも分からないし、だから面白いともいえますが、日本に比べたら不確定要素は物凄く高い。うちのラボは一説には最もストレスのないラボらしいですが、先のことを考えればもうちょっとストレスがあった方が少なくともまだ舵取りの怪しい学生にとっては良いのではないかと思うことが多々あります。これはボスの性格もあるしそう簡単に変らないでしょうけど。少なくとも私にとっては望んだ環境なのでこれでだめなら自分に対して言い訳が出来ないと思っています。

研究留学のためのフェローシップ

2006年05月09日 22時53分07秒 | 留学
今日は頭が働きません。午前中で燃え尽きてしまいました。
ということで一応久々に留学関係の話です。

4月からやっとこちらのラボで働き始めたものの、結局日本での仕事のフィギュア作り、論文書きに追われほとんど実験をすることが出来ませんでした。唯一長期的なマウスの実験だけは仕掛けました。これはボスとプロジェクトの話をしていてこれだけは時間が掛かるから早めに仕掛けたいと言ったらあっという間にマウスを用意してくれて数日のうちに出来てしまいました。このお陰で二日に一度はマウスを見に行く習慣がついていい感じです。

日本にいたときにはマウスのケージ交換・その他ケアで週に一度4時間くらいマウス室にいることがあったのでまったく正確な比較ではありませんが、こちらではマウスアレルギーのようなものは微塵も感じたことがありません。換気設備がしっかりしていたり、ケージはすべてフィルターが掛かっていたり、自分ではケージ交換しなくていい等、いい条件は沢山あるのですが、一番大きいのは睡眠時間な気もします。やはり健康な体があってこその研究でありたいものです。

そしてタイトルですが、何が燃え尽きてしまったと言うと、今日が日本からのもっとも重要なフェローシップのdeadlineだったのです。と言ってもFedexで送っているのですからもっと早くやればいいのですが、どうしようもないことに論文にかまけていてすっかり忘れていたのです。週末から今日の朝に掛けてなんとか頑張って、かなりの寝不足ですが、一応一通りちゃんとしたものが出来上がりました。一年前も同じものを出したのですが、このときは留学先が決まったばかりで、というか、申請のためには受け入れを承諾してもらう必要があるので、申請に間に合うようにやり取りをしていたのですが、とにかく勉強が足らず、いいproposalが出来ませんでした。今回はさすがにそれと比べれば段違いで、充実した内容になりました。悔しいのは日本での仕事が論文になっていればかなり高い確率で通りそうなところです。しかも私は年齢制限で、今年が最後のチャンスです。

ここ一年くらいでやっと分かったのですが、日本からのものはともかく、海外のフェローシップは特に、博士を取ってからの年限を指定しているものが多くあります。ヒューマンサイエンスフロンティアは日本人にとっても有力なフェローシップですが、これは一番厳しくて博士をとって3年以内です。私は優に過ぎていました。まあ、年限の設定もないのもありますから全然だめではないのですが、応募しようと思って応募資格を隅々まで読むと結局だめ、ということが続くとちょっとめげます。自分の場合は状況が許さなかったので後悔は無いのですが、やっぱり博士をとって1,2年以内に留学するのが一番いいように思われます。私の場合はその分日本での経験があるわけですからそれを生かしていい仕事をしなければなりません。

遂に!

2006年04月03日 05時37分36秒 | 留学
すっかり間が空いてしまいました。
とんでもない最後の一週間をなんとか過ごし、家の片付けもラボの片付けも中途半端なまま必要なものだけをつかんで荷造りするような状態で出国し、そして遂に明日からは留学生活が始まろうとしています。
とはいっても日本での仕事を残してしまい、今はFigureつくりに追われています。一週間は論文書きに費やすことになりそうです。
助手になってから4年間を象徴するかのような怒涛の一週間についてはまた機をみて書きたいと思います。このままではこのブログは当初の目的をまったく果たしていないので余裕が出てきたらもっともっと書きたいと思っています。

何はともあれ夢の留学生活が遂にスタートしました。飛行機が着陸したときに本当に留学が実現したんだなあとしみじみと喜びを感じました。しかしこれからまた新しい生活が始まります。地に足をつけて頑張りたいと思います!

留学準備2

2006年02月24日 03時55分05秒 | 留学
とても久しぶりになってしまいました。続けるのは難しいことです。今回は留学準備の話の続きを。

自分で探したとは言っても、私の場合はいろんなひとに本当にお世話になりました。特に留学希望先の研究所にラボの直接の先輩と、他にも直接の強い関係はないのもののとても親切な先輩がいたことがとても大きかった。

私がしたことはまず第一希望の人の所にメールを出しました。これはごく普通のやり方。メールにCVという履歴書の自己アピール性が強くなったようなものを添付して送ります。CVがとにかく大事とよく言われるのですが、あとになってみると本当に読んでくれていたのか怪しいところもあります。もっともそんなアプライは山ほど来ると思われる人なので読んでも忘れてしまうのかもしれません。CVはどこに出すにも基本的には同じなので人にも見てもらってそれなりの完成度のものを作りました。今まで留学先を自分で見つけた人の話を聞いた感じでは、みんなかなりばら撒きまくってだいたい三分の一くらいが帰ってくると言います。私のラボの先輩で留学先でものすごくいい仕事をした人は、帰ってきたメールがとても温かみのあるメールだったので、はじめは第一希望ではなかったのだけどまじめに考えるようになったそうです。

しかしなかなか返事が来ませんでした。待ってる間は長かったです。

留学準備について1

2006年01月22日 01時51分51秒 | 留学

ずいぶん間が空いてしまいました。締め切りに追われて余裕がなかったのです。


まずは私の現在の状況。4月からの留学は決まっているのですが、とったフェローシップは一年間。その先の保障はありません。実際行って一年がんばって、フェローシップが切れてしまった場合、まともに働いていればボスは何とかして給料を出してくれるとは思うのですが、はじめからそれを当てにしているわけにはいきませんし、自分自身が辛くなりますから、早い段階で次を準備しなければいけません。ということで今はヨーロッパのフェローシップに応募を始めたところです。


日本からのフェローシップははじから出しまくったので最後はちょっと字数を調製するだけで同じような内容でどんどん出せるようになっていましたが、今度は英語。そうは行きません。それでもボスが考えてくれた骨組みを使ってなんとかするのですが、他にも将来のビジョンについてとか、どういう環境が期待されてどんな訓練が受けられるのかとか、まあいろいろ書くところがあります。時間に余裕があれば和英辞書片手(実際にはソフトです)になんとでもなるのですが、今回はとにかく時間がありませんでした。ほぼ一日だけでやることになり、その中で論文を読んだりもしていましたから、ものすごい集中力でやって、ぎりぎり間に合っただけ、と言う状況でした。英語が出来が悪いのがどれくらいマイナス評価になるのかわかりませんが、さすがにちょっと印象悪いと思われます。ヨーロッパのフェローシップはかなり沢山あるので、継続してがんばるしかありません。3月まではこちらでの実験が楽になることはないでしょうから、時間との戦いです。


というのが今の状況。これからはすこしずつ過去を振り返って留学準備について書いていこうと思います。


留学先を決めるとき、まずやり方は大きく二つに分かれると思います。(私と同じ分野で、日本のラボで博士をとるところか、とって数年働いてから留学する場合です。)ひとつはボスのコネで決める。もうひとつは自分で探す。私の場合は基本的にはいろんな理由から自分で探そうと決めていたのですが、家族の状況のこともあって早く留学を決めたいと言う面もあり、その二つをさまよっていた時期がありました。これによっていろんな人に迷惑を掛けてしまったのが申し訳なかったところです。私の同僚はまさにボスが留学していた同じラボに留学しました。この場合本人はほとんどまったくと言ってもいいほど何もしていません。もちろん留学までの手続きはいろいろあるでしょうけれども、話が決まってからのことです。この場合のデメリットは当たり前ですが、自分で選べないことです。もしくは選択肢が狭くなります。その代わり話の進みはかなりの確率で上手くいくと思われますし、労力も少なくて清みます。インタビューもいらないことが多いようです。留学をどのようにして進めたらいいかを目上の先生に聞いた場合、どうしてもその人がどうやったかを教えられることになると思います。つまりコネで決めた人はコネが一番大事だといいます。それも事実に基づいた真実だと思います。受け入れ側としてはやはりよく知っている人が推薦してくるわけではじめから安心ですし、なにか上手くいかなかったときには推薦者になんとかしてもらうことが出来るという保険が付きます。では自分で探した場合はどうでしょう?基本的にすべて正反対になると思います。つまり労力がかかります。こちらとしてもどんなボスがどんなラボかの情報が少なくなります。インタビューに行くことになります。向こうとしてもどんな人間なのか不安が付きまとうでしょうからすぐに給料を出してくれるかわかりません(アメリカとヨーロッパでは状況が違うようですが。)。しかしこうすれば留学先のラボの選択肢は無限大ですし、ボスといろいろ自分でコミュニケーションできます。なによりインタビューはとてもすばらしい経験になると思います。場合によってはいろんな国のいろんなラボを見て回れます。最後に、これは結構大きいのではないかと思うのですが、留学を決める過程というのは留学後の将来にも関わってくると言うことです。日本のボスが全部決めてくれるような場合、そのあとも日本のボスの意向が反映されます。日本のボスが帰って来いと言ってきたら断れないかもしれません。ボス通しで話が付いてしまうかもしれませんし。ただ、人生としてはリスクは少ないと思われます。自分で探して決めた場合には留学先のボスと話をつけるのは自分ですから将来の交渉も自分でやることになると思います。ただ、これは私は知り合いの先人達の例を見ているだけですから、まだまだわかっていない面も多いと思います。自分については日本の先生方は誰も知らない人のラボに行くことになりましたので未知数な部分が多く、何が起こるかわかりません。自分が直接会って話した印象を信じて、自分で交渉しているので自分で責任を取るしかありません。


と、一気に書いてみましたが、私自身、少しは苦労したものの留学について語れるほど経験があるわけではありません。書いてしまえるのはブログという形態故です。これから留学を考えられる方はいろんな先輩方の話を沢山聞いて参考にされるのがとても大事だと思います。