ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

健康診断

2006年10月30日 06時01分03秒 | 研究
お久しぶりです!

このブログを読んでくださっている人は確実に増えているようなのですが、申し訳ないことにすっかり更新が滞ってしまいました。いろいろとイベントが重なってその分、書くネタには困らないはずなのですが、今回は当たり障りの無い話題で。。

ということで研究所で健康診断の問診がありました。10月の頭に血液と尿の検査を受けていたのですが、今回はその結果を受けての問診。大分時間が経ってしまってからでした。そもそもドクタールームがどこにあるのかも良く知らず(実は検査を受けた同じ部屋でしたが)、女性の先生は思いっきり普段着で医者と思わずなんだか不自然に始まってしまいました。健康診断に出てくるような言葉は私は全然対応しておらずかなり問診は手間が掛かりましたが、いつも感心するとおり、そんなことで嫌な顔をしたり適当にごまかしたり一切せず先生は丁寧に話を聞いて、そしていろんなファクターについて説明し、最後は心機能疾患のリスク判定もしてくれました。日本でも大学の正規の職員でしたが、若いとそんなところまで全然心配してくれません。やっぱりヨーロッパはそこら辺の感覚が違うと言うか、みんなリスクが高いんでしょう。私はコレステロールの値がかなり低く、very niceを連発されました。血圧もちょっと低めだし、一応少し運動もしてると言うことで、リスクは0-10の11段階の1。見た感じ0はかなりあり得ない条件だったので、一番いい結果と言うことですっかり気を良くし、きっと日本人の食事がいいんだね、とか舌を滑らせると、先生は興味津々でした。印象的だったのは家では野菜と魚がメインというと、肉は全然食べないの?と即座に聞かれたことで、カフェテリアの昼食で食べてるよ、と答えましたが、全く肉を食べないのは良くないと思っているようです。

他にはeisinophil(好酸球)の値がやや高く、これはアレルギー体質を反映していると思うのですが、何のアレルギーなのかなぜか執拗に聞かれました。季節に依存するのかとか。小さいときからアレルギー性鼻炎で、どこか旅行に行ったりすると喘息っぽくなることがあるからハウスダストでしょう、とまで説明して許してくれました。日本だったら花粉症なんてありふれているから逆に全然問題にならないような気がするのですが、こっちはどうなんでしょう?

それから書く順序が逆になりましたが、採血の時はとてもスムーズで先生はべらべらしゃべりながら全く迷い無く針を突き刺し、かなりいい勢いで血が出て行きました。針、太くない?と思っていたら翌日かなり激しく内出血。数日色がひきませんでした。まあなんというかこういうところの繊細さは日本とはかなり異なりますね。

EU国内旅行

2006年10月06日 05時45分11秒 | ウィーンの生活
先日仕事でこっちにきてから初めてオーストリアを出たのですが、日本の国内線と同じ時間飛行機に乗っただけで、入国審査もなく別の国にいけてしまうのでとっても不思議な感覚でした。通貨も同じだし。まあ要するに国内旅行扱いなのです。

飛行機でなくてもオーストリアは隣国に取り囲まれているわけで、電車でもかなりいろんなところにいけてしまいます。プラハ、ブタペストなどは3,4時間ですからほんとに国内旅行のようなもの。ただし通貨は変ってしまいますね。ミュンヘンもすぐだし、ミラノには夜行でいけるようです。検索していたら楽しくなって沢山調べてしまいました。OBB、要するに国鉄で外国に行けてしまうのだからやっぱり日本人にとってはとても不思議です。

なかなか余裕はないですが、一年くらいたって今より落ち着いたら(結婚して以来そんな日が来たためしは無いですが)、せっかくの地の利を活用していろいろ飛び回ってみたいと強く思うようになりました。計画的にチケットをとれば格安系のAIR BERLINなどはかなり安いです。お隣のスロバキアのブラティスラバまで電車で一時間で行ってからSKY EUROPAという手段も有効のようです。まあウィーンは空港のアクセスがとてもいいので隣の国から飛ぶのも面倒ですが。

ウィーン国立歌劇場の魔笛!

2006年10月04日 06時46分15秒 | 音楽(クラシック)
ただただ幸せな時間というのはこういうことを言うんだろうなあ、と帰り道に思ってしまいました。実生活では嬉しいことは沢山ありますが、その前の苦労があってとかいろいろややこしいですからね。

ということで大分久しぶりのエントリーですが、本来の(?)姿に戻って国立歌劇場でモーツァルトの「魔笛」を見てきました。

Die Zauberflöte
Dirigent Alfred Eschwé
Sarastro Walter Fink
Tamino Charles Castronovo
Die Königin der Nacht Jane Archibald
Pamina, ihre Tochter Ildikó Raimondi
Papageno Hans Peter Kammerer

どういうわけか私は小学校の3年あたりで魔笛の主要な曲を学校の音楽の授業で歌っていました。どの曲もとても好きで良く覚えていたのですが、それがモーツァルトの魔笛とはほとんど知らず、なにか先生から説明を受けたのかもしれませんが、全く記憶にありません。受験生の頃に魔笛をCDで聞いて、これ、あの曲じゃん、と言う状態でした。当時の音楽の先生とは全く交流はありませんが、素晴らしい授業をしてくださったことに本当に感謝です。

例えばパパゲーノの登場のアリアは
「おいらーはーちょっとこのー辺で・・・」
ですし、
グロッケンを鳴らしてモノスタトスの一味が踊りだす場面は
「きれいな、音だ、なんだろう?、これは?」
という日本語の歌手で覚えています。
魔笛を知らない人にはちんぷんかんぷんで申し訳ありません。
しかしなかなか秀逸な日本語歌詞なんですね。
モーツァルトは他にもドン・ジョバンニは日本語訳の歌詞で二期会が演奏しているのを見に行ったことがありますが、やっぱり字幕を見ていたのではなかなか舞台にも音楽にも集中できませんし、日本人で演奏するならこれもかなりありだなあと思いました。

そういうわけで魔笛は私にとっては特別な音楽で、特にパ・パ・パなどはもういつも泣いてしまいます。
今日の演奏はやはりまずはやはりオケが素晴らしく、序曲ですでに感激してしまいました。タタタタ・タタ・タラララと弦が掛け合う(意味不明?すみません、好きなもんで)ところではその絶妙な間合いに思わず息を呑むと言う感じでした。これは指揮者うんぬんじゃなくて彼らには染み付いてるんでしょうね。指揮者はなぜか私は日本でニューイヤーコンサート的なものをやったときに聞いたことがあるので(10年くらい前ですが。。)結構なベテランだと思いますが、手馴れたオペラ指揮者と言う感じでしょうか?時々オケの入りが謎にずれていましたが、基本的に安心して聞くことが出来ました。
歌手ではパパゲーノは舞台演技でかなり点数を稼いでいましたが、声質的に天真爛漫なところが欠けているというか、まあパパゲーノは難しいですよね。タミーノは猛々しく、そういう曲ではいいのですが、パミーナの肖像画をみて恋してしまうアリアでは甘さが感じられず、うーん。私としては一番良かったのは(欠点がなかったということですが)パミーナで、声量もニュアンスも十分でした。謎だったのはザラストロで、明らかに音程が怪しいのですが、声量は十分、観客の拍手もかなり受けていましたが、うーん、ザラストロのような役柄で音程がいまいちだとなんというか説得力が無い感じがしてしまいます。これも難しいんでしょうけど。
夜の女王は肝心の高音が苦しく、一幕はなんだか声が出ていない感じでしたが、それでも一番重要なアリアは迫力十分でした。

最後に演出は飾り付けの少ない、あっさりした幾何学的な舞台装置で、やや冷たい感じが私としてはあまり好きではありませんが、まあウィーンの人にとってはいつまでも古臭い演出でもつまらないのかもしれません。いろいろ工夫されいて、ちゃんと笑いを取るところはしっかりとるし、いい舞台であったことは間違いありません。

ドン・ジョバンニを見ても思ったことですが、やっぱりオペラの舞台は行かないとどうしようもない!平日は遅くなるし、なかなか行けないのですが、やっぱりがんばってちょくちょく通おうと思いました。今日は本当に心が洗われました。