ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

留学準備について1

2006年01月22日 01時51分51秒 | 留学

ずいぶん間が空いてしまいました。締め切りに追われて余裕がなかったのです。


まずは私の現在の状況。4月からの留学は決まっているのですが、とったフェローシップは一年間。その先の保障はありません。実際行って一年がんばって、フェローシップが切れてしまった場合、まともに働いていればボスは何とかして給料を出してくれるとは思うのですが、はじめからそれを当てにしているわけにはいきませんし、自分自身が辛くなりますから、早い段階で次を準備しなければいけません。ということで今はヨーロッパのフェローシップに応募を始めたところです。


日本からのフェローシップははじから出しまくったので最後はちょっと字数を調製するだけで同じような内容でどんどん出せるようになっていましたが、今度は英語。そうは行きません。それでもボスが考えてくれた骨組みを使ってなんとかするのですが、他にも将来のビジョンについてとか、どういう環境が期待されてどんな訓練が受けられるのかとか、まあいろいろ書くところがあります。時間に余裕があれば和英辞書片手(実際にはソフトです)になんとでもなるのですが、今回はとにかく時間がありませんでした。ほぼ一日だけでやることになり、その中で論文を読んだりもしていましたから、ものすごい集中力でやって、ぎりぎり間に合っただけ、と言う状況でした。英語が出来が悪いのがどれくらいマイナス評価になるのかわかりませんが、さすがにちょっと印象悪いと思われます。ヨーロッパのフェローシップはかなり沢山あるので、継続してがんばるしかありません。3月まではこちらでの実験が楽になることはないでしょうから、時間との戦いです。


というのが今の状況。これからはすこしずつ過去を振り返って留学準備について書いていこうと思います。


留学先を決めるとき、まずやり方は大きく二つに分かれると思います。(私と同じ分野で、日本のラボで博士をとるところか、とって数年働いてから留学する場合です。)ひとつはボスのコネで決める。もうひとつは自分で探す。私の場合は基本的にはいろんな理由から自分で探そうと決めていたのですが、家族の状況のこともあって早く留学を決めたいと言う面もあり、その二つをさまよっていた時期がありました。これによっていろんな人に迷惑を掛けてしまったのが申し訳なかったところです。私の同僚はまさにボスが留学していた同じラボに留学しました。この場合本人はほとんどまったくと言ってもいいほど何もしていません。もちろん留学までの手続きはいろいろあるでしょうけれども、話が決まってからのことです。この場合のデメリットは当たり前ですが、自分で選べないことです。もしくは選択肢が狭くなります。その代わり話の進みはかなりの確率で上手くいくと思われますし、労力も少なくて清みます。インタビューもいらないことが多いようです。留学をどのようにして進めたらいいかを目上の先生に聞いた場合、どうしてもその人がどうやったかを教えられることになると思います。つまりコネで決めた人はコネが一番大事だといいます。それも事実に基づいた真実だと思います。受け入れ側としてはやはりよく知っている人が推薦してくるわけではじめから安心ですし、なにか上手くいかなかったときには推薦者になんとかしてもらうことが出来るという保険が付きます。では自分で探した場合はどうでしょう?基本的にすべて正反対になると思います。つまり労力がかかります。こちらとしてもどんなボスがどんなラボかの情報が少なくなります。インタビューに行くことになります。向こうとしてもどんな人間なのか不安が付きまとうでしょうからすぐに給料を出してくれるかわかりません(アメリカとヨーロッパでは状況が違うようですが。)。しかしこうすれば留学先のラボの選択肢は無限大ですし、ボスといろいろ自分でコミュニケーションできます。なによりインタビューはとてもすばらしい経験になると思います。場合によってはいろんな国のいろんなラボを見て回れます。最後に、これは結構大きいのではないかと思うのですが、留学を決める過程というのは留学後の将来にも関わってくると言うことです。日本のボスが全部決めてくれるような場合、そのあとも日本のボスの意向が反映されます。日本のボスが帰って来いと言ってきたら断れないかもしれません。ボス通しで話が付いてしまうかもしれませんし。ただ、人生としてはリスクは少ないと思われます。自分で探して決めた場合には留学先のボスと話をつけるのは自分ですから将来の交渉も自分でやることになると思います。ただ、これは私は知り合いの先人達の例を見ているだけですから、まだまだわかっていない面も多いと思います。自分については日本の先生方は誰も知らない人のラボに行くことになりましたので未知数な部分が多く、何が起こるかわかりません。自分が直接会って話した印象を信じて、自分で交渉しているので自分で責任を取るしかありません。


と、一気に書いてみましたが、私自身、少しは苦労したものの留学について語れるほど経験があるわけではありません。書いてしまえるのはブログという形態故です。これから留学を考えられる方はいろんな先輩方の話を沢山聞いて参考にされるのがとても大事だと思います。


いかに効率よく働くか?

2006年01月03日 04時25分11秒 | 研究
本日は年末年始の移植実験第三弾。体力的に余裕があるせいかかなり順調に進み、あと2時間余りで終了しそうです。年末の二回は終わったのが両方とも8時だったので2時間早いですね。やっていることは基本的に同じなので、いかに集中力を持続するかの違いです。

こうして考えてみると、日常的に疲労を溜め込みすぎて効率悪い時間をすごしていることがよくわかります。恐ろしいのは人より多く働くことである程度の充実感が得られてしまうことです。自分は一番働いていると。大学院時代もそんな感じだったのですが、当時はもっとしっかり睡眠時間が取れていたので(子供が生まれてからはそうでもないですが)、今のようなことはなかったですね。それからラボを運営する側からすると部下が沢山働いていればある程度安心感があるのはわかるのですが、夜遅くまで働いていればよくがんばっていると評価が上がってしまうことも同じことですね。そうするとラボ全体がおかしな方向に行ってしまいます。当たり前のことなのですが、とてもよく陥りがちなことです。どうやら日本に特徴的のようですが。

逆に今度の留学先のボスは完全な放任。ちょっと把握していなさすぎじゃないかと思うほどですが、どれくらい働くか、どこでがんばってどこで充電するかなんてことは個々人の問題という考え方なのでしょう。そういう環境を望んで選んだわけですが、まさに自分の力量を試されるということになるんだと思います。留学までに遠回りした分の経験が生かされるだろうと自分ではそれなりに自信はあります。基本的に管理の厳しい条件下でやってきたので自分なりのやり方でどこまでできるか楽しみです。

ようやくすこし留学の話になってきました。留学前からこうやって書いておくと、行ってから感じることと比較して面白いのではないかと思っています。留学から帰ってくる人の話を聞くと、向こうはすべてがすばらしい!と言う感じになってしまいがちですが、そうでもないとも思うので、冷静にいいところ悪いところを見極めたいですね。

お正月の過ごし方

2006年01月02日 09時48分21秒 | ウィーンの生活
明けましておめでとうございます。

フランスではやっぱり車が焼かれたりしているようですが、今年はどちらかと言うと平和なスタートではないでしょうか?私は年末年始は帰省もせず、家族とも離れ離れなので一人で過ごしています。留学前で仕事が終わっていないとこんなものでしょうか?もちろん教授にそうするように言われたわけではないですが。

こういう正月は今までの人生で二度目ですが、元旦はなかなか働けるものでもないので、今年はのんびり過ごすことにしました。といっても優雅なものではなくて寝てばっかりです。夕方に一度ラボに細胞をチェックにし行き、家で少しデータの処理をしましたが、後ははのんびりしていました。カレンダー的にも日曜日ですし。ニューイヤーコンサート、ヤンソンスなかなか良かったですね。彼は大曲のイメージが強く、小澤征爾並に違和感があったのですが、そんなことはない、意外に肩の力の抜けた指揮ぶりでした。二つ目の引用まくりの曲はモーツァルトファンとしてはどうかと思いましたが。しかしこの勢いだと今年はモーツァルトの演奏が多くなりそうですね。92年は私がコンサート通いを始めた年で、モーツァルトってよく演奏されるもんだな、と思っていたら翌年はものすごく減ってそこで、ああモーツァルトイヤーだったんだなと気づいたことを思い出しました。企画ものはいいですが、定期演奏会などはあまり関係なくやるべきではないかとも思います。

ということで今日からは仕事です。初詣してから、また長い長い移植実験です。