ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

ウィーン国立歌劇場の魔笛!

2006年10月04日 06時46分15秒 | 音楽(クラシック)
ただただ幸せな時間というのはこういうことを言うんだろうなあ、と帰り道に思ってしまいました。実生活では嬉しいことは沢山ありますが、その前の苦労があってとかいろいろややこしいですからね。

ということで大分久しぶりのエントリーですが、本来の(?)姿に戻って国立歌劇場でモーツァルトの「魔笛」を見てきました。

Die Zauberflöte
Dirigent Alfred Eschwé
Sarastro Walter Fink
Tamino Charles Castronovo
Die Königin der Nacht Jane Archibald
Pamina, ihre Tochter Ildikó Raimondi
Papageno Hans Peter Kammerer

どういうわけか私は小学校の3年あたりで魔笛の主要な曲を学校の音楽の授業で歌っていました。どの曲もとても好きで良く覚えていたのですが、それがモーツァルトの魔笛とはほとんど知らず、なにか先生から説明を受けたのかもしれませんが、全く記憶にありません。受験生の頃に魔笛をCDで聞いて、これ、あの曲じゃん、と言う状態でした。当時の音楽の先生とは全く交流はありませんが、素晴らしい授業をしてくださったことに本当に感謝です。

例えばパパゲーノの登場のアリアは
「おいらーはーちょっとこのー辺で・・・」
ですし、
グロッケンを鳴らしてモノスタトスの一味が踊りだす場面は
「きれいな、音だ、なんだろう?、これは?」
という日本語の歌手で覚えています。
魔笛を知らない人にはちんぷんかんぷんで申し訳ありません。
しかしなかなか秀逸な日本語歌詞なんですね。
モーツァルトは他にもドン・ジョバンニは日本語訳の歌詞で二期会が演奏しているのを見に行ったことがありますが、やっぱり字幕を見ていたのではなかなか舞台にも音楽にも集中できませんし、日本人で演奏するならこれもかなりありだなあと思いました。

そういうわけで魔笛は私にとっては特別な音楽で、特にパ・パ・パなどはもういつも泣いてしまいます。
今日の演奏はやはりまずはやはりオケが素晴らしく、序曲ですでに感激してしまいました。タタタタ・タタ・タラララと弦が掛け合う(意味不明?すみません、好きなもんで)ところではその絶妙な間合いに思わず息を呑むと言う感じでした。これは指揮者うんぬんじゃなくて彼らには染み付いてるんでしょうね。指揮者はなぜか私は日本でニューイヤーコンサート的なものをやったときに聞いたことがあるので(10年くらい前ですが。。)結構なベテランだと思いますが、手馴れたオペラ指揮者と言う感じでしょうか?時々オケの入りが謎にずれていましたが、基本的に安心して聞くことが出来ました。
歌手ではパパゲーノは舞台演技でかなり点数を稼いでいましたが、声質的に天真爛漫なところが欠けているというか、まあパパゲーノは難しいですよね。タミーノは猛々しく、そういう曲ではいいのですが、パミーナの肖像画をみて恋してしまうアリアでは甘さが感じられず、うーん。私としては一番良かったのは(欠点がなかったということですが)パミーナで、声量もニュアンスも十分でした。謎だったのはザラストロで、明らかに音程が怪しいのですが、声量は十分、観客の拍手もかなり受けていましたが、うーん、ザラストロのような役柄で音程がいまいちだとなんというか説得力が無い感じがしてしまいます。これも難しいんでしょうけど。
夜の女王は肝心の高音が苦しく、一幕はなんだか声が出ていない感じでしたが、それでも一番重要なアリアは迫力十分でした。

最後に演出は飾り付けの少ない、あっさりした幾何学的な舞台装置で、やや冷たい感じが私としてはあまり好きではありませんが、まあウィーンの人にとってはいつまでも古臭い演出でもつまらないのかもしれません。いろいろ工夫されいて、ちゃんと笑いを取るところはしっかりとるし、いい舞台であったことは間違いありません。

ドン・ジョバンニを見ても思ったことですが、やっぱりオペラの舞台は行かないとどうしようもない!平日は遅くなるし、なかなか行けないのですが、やっぱりがんばってちょくちょく通おうと思いました。今日は本当に心が洗われました。

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