非国民通信

ノーモア・コイズミ

デフレ脱却が優先されていない

2017-08-06 23:08:59 | 政治・国際

安倍晋三首相、消費税10%増税は「予定通り」 デフレ脱却最優先で

 安倍晋三首相は5日、読売テレビの番組に出演し、2019年10月に予定している消費税率10%への引き上げについて「予定通り行っていく考えだ」と明言した。10%への引き上げをめぐっては当初、平成27年10月の予定だったが、2度にわたって延期した。

 一方、景気については「デフレマインドを払拭するには至っていない。デフレから脱却すれば税収が安定的に増えていく」と述べ、デフレ脱却が最優先であると重ねて主張した。

 

 先週は、安倍政権の賃上げ目標を「中小企業に重荷!」と批判するメディアを取り上げましたが、まぁ批判するにも「右から」か「左から」で全く内容は変わるわけです。そして現政権に批判的なメディアや政党も存在していますが、総じて「批判する方向を180°変えた方が良いのではないか」と思えるものが多いですね。安倍政権を批判する人の主張を聞くほど、安倍政権の方が相対的にマシと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

 ……で、上記引用にて伝えられている通り、消費税率10%への引き上げについて「予定通り行っていく考えだ」と首相自ら明言したそうです。これまでの延期の判断は正しいものだと考えられますが、それを批判する人もいました。消費税率の引き上げ延期を批判していた人は、今回の引き上げ宣言をどう評価するのでしょう。安倍内閣が引き上げに動くなら、今度はそれに反対する、みたいな節操のない人も多そうですが。

 ともあれ安倍首相は、この場面で「デフレ脱却が最優先である」とも主張したことが伝えられていますし、別の場面では「経済最優先」という言葉をよく使います。しかし安倍内閣の最大の問題は、実際には経済最優先ではない、デフレ脱却最優先ではないことにあるのではないでしょうか。ちょっと景気が上向いて支持率が良い方向に動くと、改憲などの趣味に走る、お友達へのサービスを優先してしまう、それが実態ですから。

 消費に課税する、なんてのはデフレ脱却とは絶対に相容れない狂気の沙汰でしかありません。過去3回の消費税増税はいずれも景気を致命的に悪化させて来ました。デフレ不況を放置し国民が経済苦に喘ぐ様を高台から見下ろしてきた政党・政治家や省庁が消費税増税を説くのは、筋としては通ります(野田佳彦とか財務省とか)。しかし曲がりなりにもデフレ脱却を「最優先」と語りながら消費税増税を約束するというのでは、「頭は大丈夫ですか?」と問われるのが当然のレベルです。

 「ちゃんと経済を優先しろ」と、そう批判する勢力が国会なり大手メディアなりに欲しいと願うばかりですが、いかがなものでしょう。安倍政権批判につなげられれば主張の中身はどうでも良い、みたいな反政府勢力はいますけれど、そういう類いは安倍内閣を「他の内閣よりよさそう」と思わせるだけの存在にしかなっていません。むしろ経済的な豊かさを追うことをネガティブに捉えている人も今なお幅を利かせているところがありまして、まぁ説得力のある政府批判は盛り上がりを欠くばかり、そうなると不祥事叩きぐらいしかなくなるわけですが……

コメント (1)
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