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非国民通信

ノーモア・コイズミ

薄毛じゃ駄目なんですか?

2014-06-07 12:02:16 | 社会

 先日は神奈川県藤沢市による子宮頸がん予防ワクチンの接種者を対象に行ったアンケート結果をネタに取り上げたりしたわけです。神奈川新聞の「接種者44パーセントが発症」という煽りとは裏腹に挙げられた症例はと言えば「注射部の痛み、かゆみ」が1118人で最多で、他には「注射部の腫れ、あかみ」「だるさ、疲労感、脱力感」「手足の痛み」「頭痛」「発熱」「めまい」等々、要するに「注射をすれば普通にあること」や「注射の有無とは無関係に普通に起こりうる体調不良」でしかなく、それがワクチン接種に起因するのかどうかはまったく示されていないものでした。

 むしろ私には思われるのですが、もっと他の症例だってあり得たのではないでしょうか。子宮頸がん予防ワクチンは肩付近に打ち込むわけで、ならば「肩こり」とかもあって良さそうなものですし、ワクチンが作用する部位を鑑みれば手足ではなく「下腹部の痛み」とかが想起されても不思議ではないはずです。その他にも「抜け毛」とか「嘔吐感」とか「食欲不振」あるいは「肥満」「学校の成績が下がった」そして「鼻血」とか諸々、こういった類は例によって注射の有無とは無関係に起こりうるものですけれど、この辺を「ワクチン接種のせいだ」と考える人がいなかったとしたら、ちょっと奇妙な話です。果たしてワクチンに容疑をかけるものと、ワクチンとは無関係と考えるものの違いはどこにあるのやら。

 被曝して鼻血が云々と、荒唐無稽なことを言い出す人がいます。そもそも鼻血が出るほど被曝したら鼻血だけでは済まない、鼻だけではなく体中の至る所から流血して遠からず死んでしまいそうなものですが、不思議と鼻血の訴えばかりが突出して、肛門から血が出たのは放射能のせいだなどと言い出す人はいません。鼻ではなく歯茎から血が出ることだってあったはずです、それを「被曝したからだ」と訴える人がいないのに、何故か鼻血ばかりが放射能のせいだと叫ばれる、このような主張では自家撞着も甚だしく信憑性を落とすばかりだと、被曝との関連性を唱える側の人は考えないものなのでしょうか?

 漫画『はだしのゲン』では、主人公の髪の毛が抜け落ちます。まぁ、放射線の影響で頭が禿げるというイメージも、昔は結構あったはずです。実際に脱毛するほど被曝する可能性は、やはり今回の原発事故ではなかったわけですが、それは鼻血に関しても同様です。イデオロギーに染まって事実を歪曲してでも原発事故の被害を大きく見せかけたがっている人が、なぜ鼻血ばかりをピックアップしたのか、なぜ頭が禿げるぞとは言い出そうとしなかったのか、その辺の「選択」には色々と興味深いものがあります。

 鼻血が被曝に関係がないとは証明されていないというのなら、頭髪が薄くなるのだって同じこと、メタボになったのもインポになったのも同様ですし、膝が悪くなったり治療した歯が痛んだりするのもそう、物覚えが悪くなったのも春先に鼻水が止まらないのも郵便ポストが赤いのだって、やはり原発事故との因果関係が「ないとは証明されていない」わけです。子宮頸がんワクチンも然りなのですが、普通に起こりうる症状の中から「これは○○のせいだ」というのものが取捨選択される過程は、ちょっとした研究テーマになり得るものなのかも知れません。どうして鼻血なのか、薄毛では駄目なのかと、その辺は一見すると下らないようでいながら、デマゴーグ達の心理を探る上では真面目に考察される価値があるような気もします。

 

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コメント (5)
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