Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

胃が痛むほどに追詰める

2007-06-09 | 
温暖化対応へのハイリゲンダムG8参加国の足並みは、昨晩のニュースで大きく伝えられたが、何よりも先駆けを許さず国連の枠組みを遵守する姿勢は重要である。

2050年までの1990年排出量の半減と2012年以降への対策確認で、気温の上昇を二度以内に押さえることが出来るとしても、その温度上昇は並々のものでは無く、今後世界の社会や経済に与える影響は尋常では無いであろう。

根拠となるIPCCの技術的な指標を根拠としてこれらの国が対応していく事が確認されれば、政策として最重要視していく以外に方法はないのである。

他国との調整と確認の準備万端を整えて、手練手管を駆使しながら、米国や日本などのその場逃れの政策首班を、議論の場に引き出した。彼らを追い詰めたメルケル首相の手腕が評価されていて、G8会場の周りに張り巡らされた柵はジョージ・ブッシュが逃げられないようにした檻のようだTV解説は伝えている。いつぞやの会議では肩揉みにご機嫌窺いにやって来たジョージを、今回も首を振るまでは冷ややかにあしらったこの女性の「政治的」男性経験の深さを垣間見た。その意味からも、活動家にメルケル首相は後押しされたかもしれない。

アフリカ問題において、米中の資源の奪い合いを防げたと言うが、半分の地下資源が中国に渡っており、これを牽制して今後は国連の枠組みで、中国が協調することが求められる。中国に対する不信感は強いが、北京留学のテクノクラートがまともに働けば将来もあるように思われる。それが公正な貿易投資関係で無ければいけない。

それにしてもロストックの港であるヴァルネミュンデを、嘗て、コペンハーゲン発モスクワ行きの寝台列車に乗り込み、そこの夜中の波止場を通過した思い出がある。当時は、カーテンを開けてはいけないなどのドイツ民主共和国の保安上の規制は厳しく、びくびくしながらの旅であったことを考えると、こうしてG8首脳会議を檻の中に追いやって、警察や海上国防軍と活動家が子供の鬼ごっこ宜しくネズミと猫の追いかけっこを繰り返すその地の変わりように、感慨以上のものがある。それこそが未だロシアには欠けるものである。

ATTAC代表へのTVインタヴューを観た。そして、もし黒装束の警官がナチの共産党国会放火事件のように過激派グループを先導していたとしても、黒装束の左翼セクトを排除する決断が出来ていない様子を示しているのは大変遺憾である。

如何に自由民主主義が素晴らしいものであるかを、故郷の近いメルケル首相の選挙民達が肌で感じているだろうか。左派党も必要であるかもしれないが、それ以上に議会制民主主義への懐疑と批判の輪が広がることが望ましい。



参照:
グリンピースの活躍ヴィデオ
議会制民主主義と政治参加(PDF)、渡辺 樹(国会図書館調査局)

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