八国山だより

ノーサイレントマジョリティ!ごまめの歯ぎしりといえど、おかしいと思うことはおかしいと自分の意思を発信しなければ

耐震強度の偽装問題

2005-12-01 03:37:45 | ニュース・時事
たとえば、この記事(耐震強度の偽装問題)で筆者は、”今メディアはなだれをうって悪者探しをしているが、社会問題とは個人の問題・特定企業の責任ではなく、社会全体の問題・責任として捉えるべきであり、事件の意味を真剣に考え、未来に生かすため、建設的な方策や行動を、今すぐ起こそう”と訴えている。

またどこかのブログで”震度5強で倒壊すると言われているが、そんなものはざらにある”と書いていた。「ざらに」というのは1981年(宮城沖地震だったかな)以前に建てられたものはそのような耐性がなく病院にもそんなところがあって補強工事の話も出ていると記載されたいたように思う(どこのブログだったか思い出せない (^^;)。つまり古い建物や家も同じように危険な状態であり、そんなに悲嘆にくれるなと言いたかったのかも知れない。
それに対して読者のコメントがあり、自分の家は40年経過した木造建築でありもう危ないと書かれており、それに対してコンクリートより木造の方が安心とのレスが付いていたりしていた。

テレビなどでよく業者の手抜きによる個人の欠陥住宅の問題などが採り上げられているのを目にすることがあり、そのたびに不思議に思うのは、電器製品には製造物責任法(P/L法。P/LはProduct Liabilityの略)があり消費者が泣き寝入りすることはないのに、電器製品よりはるかに高く一生の買い物といえる住宅にどうしてそれに相当するものがないのかということである。

私の仕事の対象は電器・電子製品のマニュアル(取扱説明書)であり、このような技術文書の作成にあたってはテクニカル・ライティングという技術をマスターしたライターが行うが、そのようなライターは最初にこのP/Lについて学ぶがその事例としてよく聞くのが、アメリカであるおばあさんが飼っていたペットの猫が濡れたので乾かそうとして電子レンジに入れたら死んでしまい、その損害賠償金として何百万ドルを得た、といういかにも訴訟社会アメリカらしい、本当ともジョークとも取れない話である。おばあさん曰く、マニュアルにはそんなことをしたらダメとは書いてなかったから猫をレンジに入れた。ことほどさようにマニュアル作成にはユーザーに読んでもらえるよう、ユーザーを危険にさらさないよう細心の注意が必要とされる。

最初の記事の著者の方は業界に属しておられるようなので、人とその家族の生命、人生にまでかかわる仕事をしているということをよく認識してもらいたいと思う。

また、マスコミ、相変わらず付和雷同的(日本人の特性?)で連日こればかりだが、日歯連疑惑や造組合費の詐欺事件と政治家の癒着疑惑はどうなったの。この事件が大きくなってほくそ笑んでいる連中はきっといるはず。そっちの方も忘れずにフォローしてほしいな。

さらに国や行政の責任は? 関係者の証言によれば国土交通省(旧建設省)は関係者の指摘を受けてもなお、適切な対応をとらなかった、とれなかったという。薬害エイズを引き起こした旧厚生省と同じ不作為の罪だ。建築基準に関しては絶対的な権限を有する国交省の関与と責任は。国交省へ仲介の労をとったことや業者から政治献金を受け取っていたと報道されている伊藤公介元国土庁長官や公明党議員、さらに日刊ゲンダイが伝えている小嶋社長と小泉首相のつながりは。マスコミはそれこそ、「悪者探し」をするのではなく、こうした政府、行政、政治家の関与と責任を追及するべきではないか。案外武部さんの発言も(業界擁護ではなく)そのことを言いたかったんだったりして… (・・ ? ) エッ