【記事】
発信箱:どのツラ下げて… 山田孝男(編集局)
毎日新聞西部本社(北九州市)が発行した1945年8月16日付朝刊は1面の一部と2面が真っ白だった。当時の新聞は表裏2ページしかない。前日まで焦土決戦をあおった揚げ句、「国民も今日から転換するのだなどと、どのツラ下げて言えた義理か」という高杉孝二郎編集局長の判断で終戦勅語と行政告示しか載せなかった。彼はまもなく社を去った(毎日新聞130年史)。
検察の尻馬に乗った鈴木宗男バッシングを競いながら、今や彼を評論家としてもてはやすメディア。前日までホリエモンをもてはやしながら、検察次第で怒とうの堀江たたきに走るメディア。むかし軍部追従、いま検察追従で、変わらぬものといえば俗論迎合の卑しさしかないおまえが、どのツラ下げて明日を語り、針路を説くのか。そう感じている読者が少なくないと思う。
小泉純一郎首相はホリエモン選挙に肩入れした責任を問われて「批判は甘んじて受けるが、メディアはどうなのか」と切り返した。「新聞批判は甘んじて受けるが、テレビ、週刊誌こそ」と言ってしまいがちな私どもと似ている。
いまや政治に対する観察者、批判者であるという以上に、政治権力を生み出す装置となった感のあるメディア。その無節操な暴走癖、過剰な存在感・圧迫感と加害性を省みず、「悪いのはオレではない」と逃げ腰の醜さが読者の失望を誘っているようだ。どうにも旗色が悪いが、毎日新聞は署名記事を原則にしている。だから許せとは言わない。白紙の新聞を出す予定はないが、それを出した先達の存在を肝に銘じて進みたい。
毎日新聞 2006年1月30日 0時13分
【コメント】
昨年の暮れ、毎日新聞の方(販売拡張員ではなく)が見えられ、私の居住する地区では朝日と読売に押され、販売店の店主も替わっている現状、ともかく1ヶ月間代金はいただかないのでともかく読んでほしいとの申し出を受けた。一般紙は読まないので固辞したがどうしてもということなので了承することにした。
そんな旗色の悪い毎日新聞ではあるが、このような反省記事がでてきたことは評価すべきことだと思う。
思うに先の衆院選挙で小泉自民党大躍進の功労者にはマスメディアも挙げられるのではないか。郵政民営化論については十分突っ込みどころがあったし、郵政民営化法案に対する国民投票との位置づけの小泉首相の論法に対しても、国民の関心としてはその優先順位が低いこと、その後の増税路線が控えていることについて国民に警鐘を鳴らすこともできたはずである。
特にテレビのワイドショーは刺客だマドンナだと皮相的な面あるいは耳障りのいい面を追いかけていたように思う。
そして、郵政改革PRのために、国と特別契約を結んだ竹中平蔵郵政民営化担当大臣の知人が経営するPR会社が提出したPR企画書であり、国会でも取り上げられたPR文書で
IQの低いB層、すなわち、
(小泉内閣支持基盤 ○主婦層&子供を中心 ○シルバー層 具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層 内閣閣僚を支持する層)(もっと違うことに力を入れてほしい)
をターゲットとした戦略にうまうまと乗せられたのがマスメディアだと思う。
つまり、その文書で「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える」としてマスコミを使った大規模洗脳作戦(ヒトラー政権下のゲッペルも使った)の実施に加担した。
俗に第四の権力と言われるが権力の側にのみこまれるのではなくそれこそよく言われる「社会の木鐸」であってほしいと思う。昔は古谷綱正や入江徳郎といった優れた(と個人的に思ってるだけだが)記者がいた。この山田孝男氏のような記者が、表面には現れないが実は少なからずいることを願う。
発信箱:どのツラ下げて… 山田孝男(編集局)
毎日新聞西部本社(北九州市)が発行した1945年8月16日付朝刊は1面の一部と2面が真っ白だった。当時の新聞は表裏2ページしかない。前日まで焦土決戦をあおった揚げ句、「国民も今日から転換するのだなどと、どのツラ下げて言えた義理か」という高杉孝二郎編集局長の判断で終戦勅語と行政告示しか載せなかった。彼はまもなく社を去った(毎日新聞130年史)。
検察の尻馬に乗った鈴木宗男バッシングを競いながら、今や彼を評論家としてもてはやすメディア。前日までホリエモンをもてはやしながら、検察次第で怒とうの堀江たたきに走るメディア。むかし軍部追従、いま検察追従で、変わらぬものといえば俗論迎合の卑しさしかないおまえが、どのツラ下げて明日を語り、針路を説くのか。そう感じている読者が少なくないと思う。
小泉純一郎首相はホリエモン選挙に肩入れした責任を問われて「批判は甘んじて受けるが、メディアはどうなのか」と切り返した。「新聞批判は甘んじて受けるが、テレビ、週刊誌こそ」と言ってしまいがちな私どもと似ている。
いまや政治に対する観察者、批判者であるという以上に、政治権力を生み出す装置となった感のあるメディア。その無節操な暴走癖、過剰な存在感・圧迫感と加害性を省みず、「悪いのはオレではない」と逃げ腰の醜さが読者の失望を誘っているようだ。どうにも旗色が悪いが、毎日新聞は署名記事を原則にしている。だから許せとは言わない。白紙の新聞を出す予定はないが、それを出した先達の存在を肝に銘じて進みたい。
毎日新聞 2006年1月30日 0時13分
【コメント】
昨年の暮れ、毎日新聞の方(販売拡張員ではなく)が見えられ、私の居住する地区では朝日と読売に押され、販売店の店主も替わっている現状、ともかく1ヶ月間代金はいただかないのでともかく読んでほしいとの申し出を受けた。一般紙は読まないので固辞したがどうしてもということなので了承することにした。
そんな旗色の悪い毎日新聞ではあるが、このような反省記事がでてきたことは評価すべきことだと思う。
思うに先の衆院選挙で小泉自民党大躍進の功労者にはマスメディアも挙げられるのではないか。郵政民営化論については十分突っ込みどころがあったし、郵政民営化法案に対する国民投票との位置づけの小泉首相の論法に対しても、国民の関心としてはその優先順位が低いこと、その後の増税路線が控えていることについて国民に警鐘を鳴らすこともできたはずである。
特にテレビのワイドショーは刺客だマドンナだと皮相的な面あるいは耳障りのいい面を追いかけていたように思う。
そして、郵政改革PRのために、国と特別契約を結んだ竹中平蔵郵政民営化担当大臣の知人が経営するPR会社が提出したPR企画書であり、国会でも取り上げられたPR文書で
IQの低いB層、すなわち、
(小泉内閣支持基盤 ○主婦層&子供を中心 ○シルバー層 具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層 内閣閣僚を支持する層)(もっと違うことに力を入れてほしい)
をターゲットとした戦略にうまうまと乗せられたのがマスメディアだと思う。
つまり、その文書で「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える」としてマスコミを使った大規模洗脳作戦(ヒトラー政権下のゲッペルも使った)の実施に加担した。
俗に第四の権力と言われるが権力の側にのみこまれるのではなくそれこそよく言われる「社会の木鐸」であってほしいと思う。昔は古谷綱正や入江徳郎といった優れた(と個人的に思ってるだけだが)記者がいた。この山田孝男氏のような記者が、表面には現れないが実は少なからずいることを願う。