「官から民へ」の地方版として「指定管理者制度」が導入されて2年。
たとえば兵庫県の宝塚市で休館していた「市立宝塚温泉」、この制度の導入で
指定管理者となったJTBグループの「ジェイコム」(大阪市)が「ナチュ-ルスパー宝塚」と改名して再出発。女性に的を絞って美容エステなど女性向けサービスを強化するなど民間のノウハウを生かして復活し来年度は黒字転換を見込むという。
これなどは「官から民へ」の成功例であろう。
ただし、コスト削減や生産性を問うのになじまないものもあるのではないか。
保育園民営化が急激な勢いで広がっている。小泉首相が掲げている「待機児童ゼロ作戦」により、定員を増やすため、「施設の運営は民間を極力活用し、最小コストで最大の受け入れの実現を図る」という目標が掲げられた。少子化対策担当の内閣府は利用児童数×開所時間数を保育所の生産性と定義している。
だが、保育園の生産性とは何だ。長い時間たくさんの子供を詰め込んでそれが健全に「育む」ことにつながるというのか。厚労省のいう保育所設置の最低基準では、4歳児以上の場合、保育士は30人に対して1人でよく、園庭がなくても認可される。
2001年のOECD調査では小学校前の教育に対する公共支出のGDP比ではOECD28ヶ国中日本は24位。ついでながら小学校以上の教育機関への公的支出のGDP比は28ヶ国中最低である(2003年)。国家百年の計は人を育てることだという。教育への投資こそ国家が繁栄する要件だと思うが、この点で日本は決定的におくれをとっている。政治の貧困だというしかない。
なぜこの国は子供にお金をかけたがらないのだろう。少子化少子化と騒いでいるのに。子供は国とっても宝であり、社会で育てるもの。保育園、学童クラブ、学校教育にもっとお金を費やすべきではないか。特殊法人や社保庁に浪費させるよりはもっと生きたお金、税金の使い方を。かけるべきところにお金をかけなかったつけは必ずやってくる。
余談ながら今度の耐震強度偽装問題における検査機関の民間委託についても、民間であれが利益を上げることが至上命題であり、このような検査機関が利益を上げる、他社との差別化を図るには早く、安くということになり、イーホ-ムズのような杜撰な検査手順を取るところとも必然的に現れるのではないか。「民にできることは民に」とのことだが、このような人命、人生を預かる建築物の検査機関にはそれが適当なのだろうか。
たとえば兵庫県の宝塚市で休館していた「市立宝塚温泉」、この制度の導入で
指定管理者となったJTBグループの「ジェイコム」(大阪市)が「ナチュ-ルスパー宝塚」と改名して再出発。女性に的を絞って美容エステなど女性向けサービスを強化するなど民間のノウハウを生かして復活し来年度は黒字転換を見込むという。
これなどは「官から民へ」の成功例であろう。
ただし、コスト削減や生産性を問うのになじまないものもあるのではないか。
保育園民営化が急激な勢いで広がっている。小泉首相が掲げている「待機児童ゼロ作戦」により、定員を増やすため、「施設の運営は民間を極力活用し、最小コストで最大の受け入れの実現を図る」という目標が掲げられた。少子化対策担当の内閣府は利用児童数×開所時間数を保育所の生産性と定義している。
だが、保育園の生産性とは何だ。長い時間たくさんの子供を詰め込んでそれが健全に「育む」ことにつながるというのか。厚労省のいう保育所設置の最低基準では、4歳児以上の場合、保育士は30人に対して1人でよく、園庭がなくても認可される。
2001年のOECD調査では小学校前の教育に対する公共支出のGDP比ではOECD28ヶ国中日本は24位。ついでながら小学校以上の教育機関への公的支出のGDP比は28ヶ国中最低である(2003年)。国家百年の計は人を育てることだという。教育への投資こそ国家が繁栄する要件だと思うが、この点で日本は決定的におくれをとっている。政治の貧困だというしかない。
なぜこの国は子供にお金をかけたがらないのだろう。少子化少子化と騒いでいるのに。子供は国とっても宝であり、社会で育てるもの。保育園、学童クラブ、学校教育にもっとお金を費やすべきではないか。特殊法人や社保庁に浪費させるよりはもっと生きたお金、税金の使い方を。かけるべきところにお金をかけなかったつけは必ずやってくる。
余談ながら今度の耐震強度偽装問題における検査機関の民間委託についても、民間であれが利益を上げることが至上命題であり、このような検査機関が利益を上げる、他社との差別化を図るには早く、安くということになり、イーホ-ムズのような杜撰な検査手順を取るところとも必然的に現れるのではないか。「民にできることは民に」とのことだが、このような人命、人生を預かる建築物の検査機関にはそれが適当なのだろうか。