八国山だより

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防衛省昇格 - いつか来た道をまたたどるのか

2006-10-29 12:10:27 | ニュース・時事
【記事】[毎日新聞 10月28日10時21分更新]

防衛省法案 衆院本会議で審議入り 今国会成立は確実

 政府・与党が今国会の重要法案と位置づける防衛庁の「省」昇格関連法案は27日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。野党は防衛施設庁の官製談合事件に対する集中審議の時間が十分に確保されていないとして、同日の衆院安全保障委員会理事会に欠席し、与党に揺さぶりをかけたが、民主党は「十分な審議」が担保されれば賛成する方針を固めており、今国会での成立は確実な見通しだ。成立すれば、防衛庁は来年1月から「防衛省」となる。
 法案は、内閣府外局の防衛庁を「防衛省」に名称変更して独立させ、国連平和維持活動(PKO)など国際平和協力活動を自衛隊の「本来任務」とするのがポイント。現在、首相が行っている法案を閣議に付す請議や予算要求も「防衛相」が行えるようになる。
 対外的な「格」を上げるのが目的だが、装備の拡充や海外派遣の恒常化に向けたステップになる可能性が指摘される。
 自民党の二階俊博国対委員長は26日の二階派総会で「我々が主張してきた法案が国会に登場し、努力が実を結びつつある」と力説。保守党時代の01年に議員立法で主導して以来のこだわりだ。
 公明党の後押しも大きい。「平和の党」を掲げる以上、来年まで先延ばしになり統一地方選と参院選の争点になる展開は避けたいからだ。「二階・公明ライン」が成立確実の流れを作ってきた。
 一方、野党は法案には賛成方針の民主党と、反対の共産、社民両党に分かれている。民主党が27日、あえて欠席という強い態度をとったのは、沖縄県知事選(11月2日告示、19日投票)の野党共闘に与えるマイナスを最小限に抑えるためとみられる。与党側が強行採決などに出ない限り「反対する選択肢はない」(民主党幹部)と判断しており、鳩山由紀夫幹事長は27日の記者会見で「(野党間で)合意する必要がない問題」と明言した。【山下修毅、坂口裕彦】

【コメント】
 交戦をしない平和の国=日本というイメ―ジが世界にはある。防衛庁が防衛省に、そして自衛隊が自衛軍となって、日米軍事同盟の下、アメリカ軍の肩代わりとして、たとえば中近東などに派遣されるよにならないとも限らない。「平和の党」を自称する公明党だが、実は自民党や民主党と同じ穴のむじなで、それほど戦争したいのだろうか。

 以前にも書いたが、防衛「庁」では防衛政策に関する法案決定の閣議開催や予算要求などはできないが、それによって制約を受けてきたとは思えない。それよりは防衛「省」となって自らの判断で法を作るようになったりしたときの方が怖い。現憲法の下でも、インド洋でいまだに外国の軍隊に油を供給し続けているのは戦争に荷担していることであり憲法違反である。先の戦争は軍部、特に陸軍の暴走から引き起こされている。先の戦争は軍部、特に陸軍の暴走から引き起こされている。残念ながら日本人は歴史に学ばない民族のようで、いつか来た道をまたたどる可能性も否定できない。ここに、改憲、集団的自衛権容認が加わろうものならさらにその危険性が増すのではなかろうか。


迎撃ミサイル配備を3カ月前倒し/高校での履修不足の問題

2006-10-26 14:55:17 | ニュース・時事
【記事 1】[毎日新聞 2006年10月24日 11時08分]
防衛庁:海自の迎撃ミサイル配備を3カ月前倒し方針

 防衛庁は24日、ミサイル防衛(MD)システムの一環で導入する海上自衛隊のイージス艦搭載迎撃ミサイル「SM3」の配備を3カ月前倒し、07年12月に配備する方針を自民党の国防関係合同部会に説明した。

 海自のSM3は、08年3月末に配備される計画だったが、北朝鮮による弾道ミサイル発射(7月)や核実験を受けて前倒しを検討。米国と協議した結果、前倒しが可能となった。

【コメント】
軍事専門家によればSM3は防衛効果がほとんどなく、壮大な費用の無駄遣い、血税をどぶに捨てるようなものということである。

<引用開始>
イージス艦搭載のSM3はノドンを迎撃できない。その理由はノドンの発射台が移動式(トレーラー車載式)だからだ。普段はトンネルなどの地下施設に配備される。そして発射時にトンネルから出て、ミサイルを垂直に起動し、数時間後には発射できるシステムとなっている。テポドンの様にまず発射台を組み立て、そこでテポドンを組み立て、最後に液体燃料を注入して準備完了ではない。もしノドンが発射されれば、十数分後には日本に着弾する。

 それに数隻のイージス艦を日本海に常時配備しておくことは無理である。また10年度に4隻体制が完成しても、沖縄方面、関西方面、関東方面、東北方面などをカバーするにも無理がある。地上配備のパトリオット・PAC3も射程は20キロ程度という。命中精度を議論しなくとも、ほぼ垂直に落下してくる弾道ミサイルの弾頭を迎撃できる範囲は、直径10キロも満たない狭い範囲である。これでは都市や工場を防衛するのではなく、米軍基地を防衛するのがやっという程度である。
<引用終了>

いや、「どぶに捨てる」は正しくない表現で、正確に言えば、軍事利権族の久間防衛庁長官と役に立たない兵器で稼ぐアメリカ軍産複合体体制を喜ばせるだけ、というこになる。

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【記事 2】[毎日新聞 2006年10月26日 12時14分]
履修不足:文科省と教委の監督責任指摘 塩崎官房長官

 塩崎恭久官房長官は26日午前の記者会見で、高校の履修単位不足問題で一部の学校が履修を装った虚偽の報告を教育委員会にしていたことについて「残念で遺憾。虚偽の報告を許していたという状態で、監督がきちっとできていなかった」と述べ、文部科学省と教育委員会の責任を指摘した。塩崎氏はまた、教育再生会議でこの問題を議論することを明らかにした。【西田進一郎】

【コメント】
 この問題のそもそもの原因は、現在の大学入試で出題される内容が、高校での授業を一生懸命勉強しただけではとうてい解けない難度の高いものである(言い換えれば指導要領に沿って学習したのでは入試合格はおぼつかない)ことにあるのではないか。

 生徒数が減少している現在、高校も生徒を集めようと思えば一流の進学校を目指し、そのためには入試対策が重要になってくることは言うまでもない。学校だけにその非を負わせるのは筋違いだと思う。入るのは難しいが出るのは優しいと言われる日本の大学、一定の基準をクリアしたものはすべて入学させ、また一定の基準をクリアしなければ卒業させない仕組みにするなど、入試制度や大学のあり方を変えるべきではないか。

 安倍さん、あんたの出番だよ。「各学校は緊張感持って」なんてコメントしてるようだけど、それはピント外れだよ。やっぱり小学校からエスカレーターで大学にも行き、入試の苦労や入試がなんたるかわかってないからそんな頓珍漢なことを言うのかな。でも、せっかく教育再生会議を設けたんだから評価の定まっていない教育バウチャー制度なんぞよりこの問題を先に処理してくださいよ。






衆議院補選、栗東市長選に思う

2006-10-24 04:39:39 | ニュース・時事
 神奈川、大阪の統一衆議院補選では2選挙区ともに自民党の勝利に終わった。勝因として、ニュースでも取り上げられていたように北朝鮮の核実験がありその対応が与党側に有利に働いたことは否めない。

 が投票率の低さ(それぞれ47%、52%)も与党側には幸いしたことだろう。与党側の公明党には学会という固定票があり、投票率が低い場合には威力を発揮する。学会員でなところにも縁故を使って投票の呼びかけにくる。昨年の911選挙の際、私の家にも小学校の同級生が数十年ぶりに遠方よりみえて投票を呼びかけてきた。与党側が考えるゆおな安倍政権の信任では決してない。拡大する格差や社会保障費の負担増などの問題に対する具体的なアクションを示していない現状では。

 栗東市では、新幹線新駅設置を推進する自民党滋賀県連推薦の候補が凍結派の候補をを破って当選した。ここで注目すべきはその確定得票数である。

国松正一   無現(自)    12,082   推進派
田村隆光   無新(民,社)  11,053   凍結、中止も含む再検討
杉田聡司   無新(共)    5,992   中止

民主、社民と共産党が小異を捨てて結束すれば推進派の候補を破ることができたはずなので。共産党は結果的に自民党を援助したことになる。

 衆院補選では、野党側候補の得票数を合計してもわずかに自民党候補に及ばなかったが、あるいは結束して候補を一人に絞っていれば野党側の本気がうかがえてあるいは野党側の得票数が上回っていた可能性も否定できない。それぞれの地域での自党の勢力を確認するために候補を立てるという狭い了見ではなく国民のための大同団結を考えないと来年の参院選でも芳しい結果を得られないのではないか。



「優良企業」キャノン御手洗氏のコンプライアンス感覚

2006-10-21 19:17:09 | ニュース・時事
【記事】 [朝日新聞 2006年10月18日(水)23:39]


御手洗氏、偽装請負の基準緩和訴える 経財諮問会議(朝日新聞) goo ニュース

御手洗氏、偽装請負の基準緩和訴える 経財諮問会議


 御手洗冨士夫・日本経団連会長が、経済財政諮問会議で、請負の法制について「無理がありすぎる」と発言していたことが、18日公表された議事要旨でわかった。厚生労働省が違法な労働形態である「偽装請負」への指導を強めているなかで、あえて財界トップとして、現行制度が企業に厳しすぎることへの不満を表明したものとみられる。

 諮問会議は13日に開かれ、安倍首相や御手洗氏ら11人が出席した。要旨によると、偽装請負の判断基準に絡んで御手洗氏は、「請負の受け入れ先が仕事を教えてはいけないことになっており、矛盾がある」などと指摘。法律を守るのは当然としつつも、現行制度の緩和が必要と訴えた。

 御手洗氏は8月、偽装請負について「(企業側の)現状を見直す必要がある」と述べ、解消に向けた対策を経団連で検討する方針を示していた。

【コメント】
 ソニーを抜いて日本の優良企業となった、なおかつ経団連会長というエライさんの感覚がこの程度である。法を犯しておいてその法律が悪いという。盗人たけだけしいとはこのことである。

 10月3日、大阪労働局は業務請負最大手クリスタルグループの中核企業「コラボレート」(大阪市)に、労働者派遣法に基づく事業停止命令を出した。
今回の摘発は偽装請負の蔓延を許してきた産業界に対する警告でもある。コラボレートは今年に入って、トヨタ自動車系の部品会社「光洋シーリングテクノ」(徳島県藍住町)や松下電器産業の子会社「パナソニック半導体オプトデバイス」(鹿児島県日置市)でも、立て続けに当局の指導を受けている。

 日本の製造業を代表するトヨタ、松下の両グループに絡む案件の違法性を指摘することで、厚労省は産業界に向かって、「本気度」を示したわけだ。


確かに御手洗会長が言うように、”「派遣と請負」が空洞化をとめている”のだろう。バブル崩壊後、存続の危機に追い込まれた日本の工場の多くは、世界との競争に伍していくため偽装請負という禁じ手で急場をしのぐこともやむを得なかったかもしれない。だが、いつまでもそのままでいいのだろうか。本気で日本の製造業の足腰を鍛え直すため、また真に優良企業でああるためにも、違法な偽装請負というコスト削減から決別する時が来ているのではないか。

 偽装派遣とは、正社員の半分の賃金で、将来設計も立たない不安定な雇用を強制し、必要な期間だけ若者を縛りつけ後は使い捨てにする。そうした犠牲の上で成り立っている。自分さえよければいいというのでは子供に恥ずかしくないか。

北朝鮮 核実験「成功」の歓迎集会 - 自滅の道を歩み出したか

2006-10-21 16:55:38 | ニュース・時事
【記事】 [読売新聞 10月20日 20:32 ]

金日成広場で核実験成功歓迎大会、10万人が参加


 【ソウル=福島恭二】朝鮮中央通信によると、北朝鮮・平壌の金日成広場で20日、「核実験の成功を歓迎する平壌市軍民大会」が開かれ、労働党や政府の幹部、軍人、市民ら約10万人が参加した。

 9日の核実験を祝う大規模集会が行われたのは、これが初めて。

 集会では、崔泰福(チェ・テボク)書記が党を代表して演説、核兵器製造を「米国の核による脅威と制裁・圧力策動のため」と正当化した上で、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議を「断固として糾弾、排撃する」と強調した。

【コメント】
 中国の唐家旋国務委員は金正日に、核武装を放棄し、朝鮮半島を非核化すること、そのために6カ国協議に復帰するよう胡錦涛主席の命令を伝えたが、その答えがこの集会である。

 メンツをつぶされた中国はもはや北朝鮮には手加減をしなくなっており、北朝鮮への送金停止や、北京~平壌便の運行停止、石油や電気製品の輸出に一定の制限をかけている。北朝鮮の消費原油の9割、消費物物資の7割を中国が提供しているとされ、貿易額も4割を中国が占めている。文字通り北朝鮮の生命線は中国が握っている。中国は徐々に北朝鮮への援助を絞って、その体力(体制維持能力)を奪っていく作戦なのである。

 一般国民どころか兵士にまで食料が不足してきており、陰でもできなかった金正日批判が公然と今まで恵まれていた兵士にすら行われるようになっている。これ以上援助が制限されればいくらマインドコントロールされている北朝鮮の国民とはいえ、暴動などを起こす可能性もある。洪水で必要な食料の大部分も失われたと聞く。北朝鮮はこの冬を越えられるか。金正日体制の崩壊も遠い未来ではない。