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里ことば

2024-01-09 23:12:49 | 文化・教育

私の知人や同期の中には、執筆されて出版される方々が何人かおられる。

彼は高校の時、野球部で活躍していたが、昔商業界に携わっていた頃、プリクラと云う代物が世に出始めた時、いち早く新潟市内の、商業施設に設置したお一人である。

当地に何か用事があっ時、当店に立ち寄って行き何度か顔を合わせた事がある。

最近本を書いたのうわさを聞いた数年前。しばらくぶりに顔を出し、それは「新発田の里ことば」と云う本で、まさか彼がこんな事に興味があるなどとは思いもしなかったが、当時せっかくなので買い求めている。

本書の“はじめに”の段落には、彼の思い入れが多いに語られていて、里ことばの生い立ちを語りつくす見事な文面なのだが、少々長いのでここでは割愛。

子どもの頃、よく使っていた里ことば(方言)を表わしたもので、本には1000近くの里ことばを、あいうえお順に整理して、意味合いの説明をされている。

集落、集落での語尾の違いや、伝わり方の違いもあるのだろうが、こんなに多くの里ことばは子どもの頃は、使った事もなく、よくもマ~調べたもんですナ。

この書は、「ああ」の項目から始まって(例)「ああいわったけどもなあ」(あのように言われたけれども)・・・からはじまって、ひとつひとつの言葉、137ページの本を読み終えるのに、2年チョっとかかったが、ようやく昨日読み終えました。

辞書みたいな物を1ページ目から、全部一つ一つ読みますか?普通、読みませんよね。それは同期が出版したものだから全部読まなくちゃと思っただけで、全部覚えている?かと言われれば、それほどの能力もないのだが、この地域で言ったり聞いたりした、覚えの有るものをチョッとご紹介すると、例えば、あつばたもん・いだましょで・がき・ごっしゃげる・しょうし・そっぺね・どうしょどうしょ・なじょが・めちゃくちゃ・めんどうくせ・もじゃくる・やっぱ・よっぽど、とかまだまだ、ことばが並ぶのですが、そこからからチョッとご紹介すると。

〔ごしゃげる〕   相手の言動や態度が生意気なことに対して、腹を立てる、癪に障ることの意です。癪(しゃく)や古癪(こしゃく)の変で、怒る、頭に来る等と同義の語です。他に、ごしゃいで、ごせやいで、ごせやける等と言います。また、安田地区では、ごしゃける、ごせやげる。会津地方では、ごせやける、ごせあける、ごしぇあける。秋田県では、ごしゃがれる。岩手県では、ごせがやけて、等と言うそうです。

〔そっぺね〕  「そっぱいない」は、「塩っぱいない」のことで、味気が無い、冷淡だ、愛想がない等の意です。元々、煮物などの味が薄いことの意が転じて、客人に対してのもてなし方が不十分なことの意で良く用いられる語です。(例)「御馳走なくてそっぺねがったね」(大した御馳走もなく申し訳ありません)

〔もじゃくる〕  「もじる」の変で、ねじる、よじることの意です。他に「もんじゃくる、もじくる」とも言います。金沢弁では「もんずくる」と言うそうです。(例)「かみをもじゃくる」(紙をくしゃくしゃにする、もみくちゃにしてしわしわにする)また、幼児等が人見知りをして、故意にすねることを「もじける」と言います。

等々、紹介されているのだが、最後に彼の“あとがき”の文面もご紹介。

人との出会いの数だけことばの発見と物語がありました。そして、会話を通じて感じることばの表わし方の豊かさに驚かされました。

高校に入学して、広域から集う仲間達のことばもそれぞれでした。とりわけ印象深かったのは、「なまら」ということばでした。豊栄(今の新潟市北区)の友人は「なまらでっけぇ」(ものすごく大きい)などとよく使っていました。

東京での学生時代、全国から上京した人たちの言葉はさらに多彩でした。それぞれのお国ことばやイントネーションの違いなどに、日本文化の多様性と日本語の奥深さに感じ入ったものです。そんな折、北海道出身の友人があの「なまら」を口にしたのです。よくよく調べてみますと、元々は北海道の方言であり、北前船などにより新潟に渡り定着したことばのようです。益々ことばの魅力の虜になりました。

1975年、柳田国男生誕100年。これを機に民俗学を学んでみたいと思うようになりました。遠野物語の里へ何度も足を運びました。まさに河童や座敷童が出てきそうな山間の集落の不思議な空間に迷い込み、北川の婆さまの昔語りを聞き、民話の世界に足を踏み入れて行きました。

そして、長い年月を経て転機が訪れたのは、還暦を迎え、民生委員の任に就いた時でした。地域の高齢者の方々と重ねてお会いしているうちに、思った以上に「里ことば」が生き残っていることに気付かされました。それは、既に採り留めておいた里ことばの検証と拾い漏れていたことばの収集にまたとない機会を得ることができました。

やがて、新発田市在郷のフィルドワークにも限界が見えはじめた頃に、新発田の里に伝わる昔話を伝承者から原形を忠実に採録された故・佐久間惇一氏の著書に出会いました。この書により新発田の里ことばの精度が大きく向上したことは言うまでもありません。そして、多くの方々の御協力とご指導をいただき、一冊の書にまとめることができましたことをここに心より感謝申し上げます。

と結ばれているのだが、私が知らず知らずにしゃべったり、聞いていた里ことば(方言)は、思い浮かべてみても30種類もないのではないかと、かってに思うのだが、これだけの量の中に、チョと残念なのは、私が昔聞いていた里ことばの中で、ここに組み込まれなかったことばがある。

この分野の地盤がまだ漂う中、それを見つけるのも、パッパッと云うわけにもいかぬのだろう。

本を読んでいて気付いたその里ことばは、今は使わないが子どもの頃、よくしゃべったり聞いた「だだわけね」「いきれる」[こっちょいい」「こっちゃばか」「やでもか」 と云うことばで、近々に彼と会う機会もあろうが、収録時の苦労、出版した後の反響などを聞いてみたいですネ。

 

 

 

 

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