新春経済講演は、なぜ景気がいい?

2015-01-22 00:00:28 | 投資
倉敷市の企業経営者を対象とした経済講演会があり、経済評論家の岡田晃氏の講演を聴く。

岡田氏は日本経済新聞社出身で、その後テレビ東京で活躍し、現在は経済評論家として有名。テレ東の経済番組では、わかりやすい解説をされている。

そして、講演のテーマは、「2015年の景気を展望する‐日本経済再背の行方」ということ。

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基本テーマは、「アベノミクスをどう評価するか」という点で、アベノミクスの目的、目標、戦略についての評価を行い、デフレ脱却のための円安誘導の合理性と経済再生の必然性を力説される。つまり、先進国で「デフレ」になったのは、今まで日本だけで、その背景にはいくつかの要因で発生した円高が、さらにデフレ方向に経済を引っ張ってしまったからということだそうだ。詳しくは、著書「やさしい経済ニュースの読み方(三笠書房1200円)」を購入していただけないと、営業妨害になるのでこの辺りにする。

そして、アベノミクスの効果が表れた指標として、有効求人倍率や、鉱工業指数などを説明。そして、消費税増税についての議論。元々、消費税については懐疑的かつ批判的だった首相が第二弾を延期したのは当然のことで、解散に踏み切ったのも、財務省抑え込みの目的だったとのこと。(その餌食となったのが次世代の党という思わぬ結果になったが)

で、今年の日本経済については、

絶好調!!の予感。

ということだそうだ。

まず、追い風としては「アベノミクス政策、賃上げ、原油安、米国経済好調、円安」。

そして中長期的にも、

絶好調!!と予測されているようだ。

日本企業の競争力回復、資産デフレからの脱却、東京五輪の経済効果があるそうだ。

ところで、新春講演というのは、いつも明るい話(景気がいい)になるのだが、それはなぜかということを考えてみた。

要するに、新春講演は1月に行われるものなのだから、問題は1月とその年の年末の12月を比べて、上向きになるか下向きになるか、ということだろう。

言い換えると、次の4パターンになる。

「今年の景気は上向き」といって、その通り(上向き)だった。
「今年の景気は上向き」といって、はずれ(下向き)だった。
「今年の景気は下向き」といって、その通り(下向き)だった。
「今年の景気は下向き」といって、はずれ(上向き)だった。

実際には、上向きと言おうが下向きと言おうが、予測が当たった場合は、どこからも非難の声は上がらない。問題は予測がはずれた場合だ。

上向きと言って下向きだった場合、それには原因があるのだから、○○のせいだったとか、△△のせいだった、と予測不能な言い訳を考えればいい。

一方、下向きと言っておいて、景気が良かった場合は、あまり言い訳は見つけにくいものである。その場合、単に「バカ評論家」とか「弱気評論家」と呼ばれることになる。つまり、「今年は好景気」と言っておけば、結果としてなんとかなるが、「今年は不況」などと言ってしまうと、翌年から、出演ギャラが大幅に減額、あるいは自宅待機となってしまう可能性があるわけだ。