海老原辰夫詰将棋手筋集5

2018-09-08 00:00:27 | しょうぎ
詰将棋小冊子である。

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3手詰40題、5手詰40題、7手詰20題。自慢する気は毛頭ないけど、5手詰まではあまり時間はかけずに解けるが、そもそも100題あると、疲れてきて目が見えなくなる。すると突然、7手詰めの途中で読めなくなり、翌日送りになる。

最近、詰将棋を始めたばかりの知人から、

「解けない問題は、答えを見てもいいのだろうか」という質問を受けた。

まだ短手数なので、5~9手詰あたりの本のようだ。

この場合、二通りの考え方がある。

1. 答えを見て納得する

2. 解けない問題は、答えをすぐに見ないで、翌日解いてみる。
  この場合、翌日解けないとどうするかというと
   ① 解けなければ、答えを見る
   ② 解けなければ、次の日に解いてみる
  この場合、翌々日でも解けないとどうするかというと
  また二択で、答えを見るか、次の日にトライするか

  つまり、解けるまで答えを見ないという方針もある。

私が、最初に詰将棋集にチャレンジしたのが金園社の『大山康晴 詰将棋200題』。7手から15手までと手ごわいのだが、その第一問がなかなか解けなかった。打歩詰打開がテーマで、飛車不成の手筋を自力で発見するまで1週間かかった。

ということで友人に勧めるのは、翌日回しにして、それで解けなければ答えをみたら、というアドバイスくらいかな。独力で馬ノコなんか発見して、詰将棋の制作までのめり込んでしまったら、人生大惨事だろう。


さて、8月25日出題作の解答。


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あまり難しい手はないが5手目の角捨てが見えないと、いきなり銀と飛を打って戦力不足になるのが怖いだろう。なお3三とはとどめの歩に再使用するためだし、別の成り駒だともっと早く詰む。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。*指摘がありまして修正しました。元図の玉型4五とを5四歩に変更しました。


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ヒントは、すっきり決まらない。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

東野流持駒論理

2018-09-01 00:00:54 | しょうぎ
『容疑者Xの献身(東野圭吾著)』の中に、チェスと将棋の違いのことが書かれている。もっとも大きな違いは、相手の駒を取った時、持駒として再び使えるか、取り切りゴメンにするのかだろう。

もちろん、チェスの駒には白と黒の色分けがなされているので、白が黒の駒を使うというのは困難なのだが、将棋の駒のように同じデザインの駒で向きを変えればできないでもない。

この中で、親友である刑事(将棋派)と大学教授(チェス派)が、勤務時間中なのにチェス盤を挟んで持駒論争をする。将棋派からすると、駒は戦利品なのでどう使おうが勝手だろうという論理だが、チェス派から言うと寝返りは騎士道に反するという主張だ。

もちろん、この論議でどちらが勝ったということはないのだが、私の意見では、チェスは盤面が狭いのに、強い駒ばかりで、持駒制度があると、さらに攻撃側が有利になるように思える。将棋の場合、弱い駒が多いので持駒を使うことになったのではないだろうか。例えば金は先手後手が各2枚を持つのだが、一枚取られると枚数が3対1になるわけだ。


さて、8月18日出題作の解答。

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4手目、同玉だと3三銀以下駒余りになる。

動く将棋盤はこちら


今週の出題。

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重厚は似合わない。

わかったと思われた方は、コメント欄に総手数と最終手を記していただければ正誤判定します。

再使用も可か・・

2018-08-25 00:00:32 | しょうぎ
少し前に、あるところから「囲碁・将棋チャンネル」の申し込みを勧誘する文書が届き、その中に加入者へのプレゼントが掲載されていた。正確に言うと、毎月一名様へ抽選でのプレゼントなので、プレゼントの契約者獲得効果はゼロだと思う。

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本題の前に、今や将棋の方が囲碁よりも人気があるのだから、チャンネルも「将棋・囲碁チャンネル」に変えた方がいいと思うが、変えると大量解約という危険もあるのだろうか。

さて、効果ゼロのプレゼントの内容だが、

将棋棋士 藤井聡太の四段時揮毫入り扇子(*揮毫は印刷です)

実際には「大志」の脇に、四段 藤井聡太と記されている。

既に七段なのにどうしたのだろうか。(というか、理由は誰でもわかるが)

「大志」とは何を目指しているのだろうか。名誉かカネか。その両方か。将棋連盟会長の椅子か。引退後の参議院議員の椅子か。あるいはドンファン。


さらに、

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夏になると、各地でこども用の将棋大会が数多く開かれるのだが、そのうちの一つで、弟子が優勝したのだが、記念品が扇子だった。森内俊之元名人の「夢」だが、こちらをよく見ると、名人 森内俊之と読める。これも理由はわかるような気がする。

私も、以前の会社の役員名刺、余っているのだが、またも使っていいのかな。


さて、8月11日出題作の解答。

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思わぬ展開に進む。

3手目の▲3六銀(途中図1)と9手目の▲7四金(途中図2)がうまい手となり、上下挟み撃ちとなる。

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動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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まだ、夏は終わってないので、息苦しい問題を。手数は、今週の解答手数と同じだが、いたって地味。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

国民栄誉賞あれこれ

2018-08-18 00:00:12 | しょうぎ
最近、国民栄誉賞受賞者という肩書を積極的に利用して、引退後の華麗な転身を遂げた元女子サッカー選手(M山Kさん)がいるが、表彰状や標章盾を大公開しているわけではない(違うものを公開したようだが)。

ところが、その表彰状や盾が公開されたのが、8月の最初の週末に開かれていた東急将棋まつり。それらが展示されているコーナーには人だかりができていた。アクリルの保護ケースの中に入っている被写体にピントを合わせるには技術がいるのだが、なんとか人混みの上に腕を伸ばして文面を記録することができた。

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まず盾の方だが、金色だ。中央上部に五七の桐の内閣紋。菊御紋に続く格式第二位の紋で、明治以降使われている。下のプレートには羽生善治殿と刻まれているが、内閣総理大臣の署名のみが毛筆風で一番目立つ。

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そして、表彰状。なにげなく書かれているが、この文面の内容は受賞者ごとに業績を記述しているので、一人一人異なる。学校の卒業証書とか将棋の段位免状とは異なり、その記載内容が問題になる。

あなたは将棋界を牽引する棋士の第一人者として平成八年に初めて七冠を同時に制覇するなど比類なき功績を重ね続け将棋界初の永世七冠という歴史に刻まれる偉業を達成し多くの国民に夢と感動を社会に明るい希望と勇気を与えました
よってここに国民栄誉賞を贈りこれを表彰します

いくつか特徴を上げると、
1. 文が長大。読み上げるときに何回かに分けないと息が続かない

2. 国民には夢と感動を与え、社会には明るい希望と勇気を与えと二つを並列に書くということは、「国民」と「社会」とは別のものと政府は考えているのかもしれない。人権制限か?

3. 文末が、「・・・勇気を与えました」と過去形で書かれている。受賞者は、「・・与え続けています」と書いてもらいたかったのではないだろうか。過去形では「お仕事終わりです」という感じがある。最近、白星が伸びないのは、この「過去形ショック」からではないのだろうか。


さて、8月4日出題作の解答。

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まさに実戦からの配置。1一飛と2一金の追加配置は、詰将棋として空き王手の時の金の動きを制約するため。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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ヒントはなし。易しさに媚びる図。栄誉賞ねらい。(あなたは長年にわたり易しい詰将棋を出題し、・・)

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定いたします。

反則勝ち(将棋)のこと

2018-08-11 00:00:50 | しょうぎ
社団戦に今季限定で出場したのだが、日本のプロ野球の外国人選手のように結果を求められているようなプレッシャーは感じていた。当日は、一日4対局の最初に2つ負けて、後がないような苦しい状態で3戦目。作戦的に盤の両サイドを明け渡す代償で中央突破するという展開で、ほんの僅かに有利というところで、両者30秒の秒読みになる。その途中で、相手の反則で1勝することができた。あまり例のない反則だった。その説明の前に、過去の反則勝ちの経験を書いてみる。

まず、「二歩」だが、意外に多くない。一度か二度ではないだろうか。二歩にはいい手が多い。読みの中で、ここに打たれたら負けだなと観念して、よくみると二歩ということが多く、そこに歩を打ってくれるということだった。反対に、終盤で負けていて、唯一、二歩を打って詰ます筋があり、さらに詰み筋の途中で歩がなくなって証拠が消えるという局面があったのだが、理性が働いて指さなかったことがある。

個人的に今まで最高の珍プレー勝ちは、職団戦で「王手千日手」。何しろ周りに敵味方のギャラリーがいる。2回目あたりから、奇妙な空気が流れる。相手がルールを知らないのか、4回目で手を変えるのか、確認のすべがないのだが、悟られないように、読むふりをする。さらに、4回目の時にどうやって対処するかを考える。そして、4回目の王手の時に、相手に口頭で確認する。「千日手ですね。」「そうです。」「反則です!」。確認しない前に反則の話を持ち出すと、「まだ3回」とか言われる危険を防止したわけだ。奇妙なことにプロ棋士の対局でも過去に一回の事例がある。


次点は、王手放置。自玉が詰まされコースに入り、横から飛車を王手に打たれて、合駒を打っても無駄な展開で、あえて飛車で合駒。実は相手の王様への逆王手になっているのだが、それでも詰まされる方法は無数にあるのだが、別の王手を掛けられる。先に王を取ったのだが、相手が私の王を取り返した時には、もっと驚いた。

プロで王手の掛け合いで有名なのは1962年度のA級順位戦ラス前の塚田×大野戦。大野必勝局面で塚田九段の形作りの飛車王手に、これを放置して角で王手返しをしてしまう。この時の塚田九段の名言が「悪いけど、いただいておくよ」。感想戦の中でも「星が苦しいので」と言ったそうだ。塚田九段は最下位で3勝5敗だったそうだ。破れた大野八段はこの一敗で名人挑戦権に届かなかった。後日談が数十年後に明らかになり、この対局の間接効果で当時26歳でA級2年目の芹沢八段は、「私を陥落させるために、わざと負けたのではないか」と疑い始め、精神的不安定を続け、負けが込んでいき、陥落後、A級に復帰することすらできなくなる。

行けない場所に行く、というのは何度かあって、たいていは桂と角。あるいは4段目で成る。読んでいるときから間違いが始まっているようだ。プロでも時々あって、笑ってはいけないが、ある女流棋士が不慣れな着物対局で、袖が触れて盤から落ちた右隅の香車を駒台に置いてしまい。ついにそれを打ってしまったことがあった。相手の棋士は駒台の香にいつごろから気付いていたのだろうか。島九段もテレビ対局用の一文字駒の銀を裏返して駒台に置き、金と勘違いし成銀を打ってしまった。


で、冒頭の私がいただいた反則勝ちなのだが、対局時計に関係がある。といっても押忘れとか時間切れとかの単純なものではない。実は類例がないので、一般的用語が存在しない。

秒読みが進んでいき、ついに時間切れの前に、手を指すことなく対局時計を押されたわけだ。

つまり、「一手パスします。次の手もどうぞ。」ということだ。

反則の一類型として、「二手指し」というのがあり、相手の手番の時にもう一回自分で指すことなのだが、それには当たらない。逆に、一手パスした相手に対して指すと、私の反則になりそうな気がする。

もちろん、「反則勝ちでいいですね」と確認したわけだ。


さて、7月28日出題作の解答。

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暑苦しい配置で申し訳なし。原図を余詰め修正しているうちにさらに密集してしまった。気温40度問題。暑い部屋で作っているので・・。よくみると、変化手順も暑苦しいか・・

動く将棋盤はこちら



今週の問題。

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かろうじて入玉しているが、安住の地を追い出されることになる。ヒントは「探偵と刑事」。もっともヒントの意味が判るときには、ほぼ解けているはず。

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長蛇を逸し反則勝ちで帳尻合わせ

2018-08-04 00:00:46 | しょうぎ
7月29日、社団戦2日目。都合により二日間だけ参戦ということだったので今回が最終回。目標は1日目と同じ4局中、2勝2敗。ところが、前から知っていたのだが2局目の対戦相手は「詰将棋パラダイス」チーム。しかも対局の前日に本誌が到着し、開いてみると初日の成績を誇らしげに自慢している。4試合で28局指して、22勝6敗。4局のうち1敗が決まっているようなものだから残りを2勝1敗にしなければならない。

そして1局目だが、実は朝の一局目はよく負ける。職団戦では1局目に負けた方が良い結果を得ることが多いが、社団戦はそうはいかない。早起きしてソフトに一回負けてから出場すればいいのだが、早起きは苦手だ。

ということで、押されっぱなしになり、ようやく「角を手に入れればトン死勝ち」というところにたどり着き、しかも角を切ってくれたのだが、そのまま詰まされた。

そして問題の詰パラ戦。いわゆる半手有利というような僅差で終盤になだれ込む。7七の地点で何枚かの駒交換会があり、最後に残った飛車に対し後手が△8五桂と打ち、▲7二飛成に△7七銀と打たれる(初型図)。

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ここで▲9九銀と受けるのは自信がないので、後手玉の詰をだいぶ前から探索していた。といっても7七の駒交換会の時、30秒の秒読みを有効に使っているだけなので合計5分間程度。

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ここで▲52竜、△同玉、▲64桂(途中図1)を中心に読んでいた(▲74角でも詰んでいた)。これに対して、△62玉(変化1)は、

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▲72成銀、△63玉、▲41角、△54玉、▲63角打、△44玉、▲45角成、△33玉、▲25桂以下で詰む。

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次に、最も長いのは△41玉(変化2)。▲52銀、△31玉、▲32金、△同玉、▲43銀成、△同玉、▲52角、△33玉、▲25桂、△44玉、▲45歩、△55玉(途中図2)の時に、

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▲46角(あるいは▲37角、△46合、▲同角)、△同玉、▲56金以下、2九の飛と4八の金が大活躍して詰む。

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そして実戦では最も簡単に思えた△42玉(変化3)コースに進み、これが読み切れていなかった。図面を簡略化し詰将棋的に仕立て直した問題が、今週の問題。

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13手詰だが、11手目を読み切れなかった。もっとも、詰みが見えても指したかどうかははっきりしない。私は詰パラのスパイだからだ(嘘)。

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そして、2連敗の後の第三局だが一手勝ちコースで両者秒読みに入ったのだが、突然の反則勝ちを得ることになる。今まで長年の間に様々な反則勝ちを得ているが、まったく初めてのパターンだ。過去の反則勝ちと合わせて、次週に書いてみる。

そして、4局目は長い対局になったが、中盤から狙っていたトン死コースの必要駒セットが揃ったところで着手。結局、××○○。2勝2敗。帳尻合わせだ。


さて、7月21日出題作の解答。

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人生いろいろ相談室(カラフル)

2018-07-28 00:00:43 | しょうぎ
ゆうちょバンクのポスタルクラブ会員誌に「カラフル」というのがあって、年会費を引き落とす月に限り、郵送される。その中に「人生相談室」というのがあって、今月は、53歳の男性のお悩み。

現在、53歳の男性です。年齢から考慮して、これからの仕事のスキルや、趣味である将棋や囲碁の腕前など、年齢を重ねて行っても向上していくものなのでしょうか?不安です・・・・・


趣味で将棋をやっているなら、努力してどれくらい上手になるのかとか想像がつきそうなものだし、むしろ趣味よりは仕事のスキルを高める方がいいのではないかとは思うのだが、読者六人からの意見が掲載されている。かいつまんで書くと、

Aさん:我々はプロではないので、スキルはそんなに考えなくても明るく楽しく・・・

Bさん:私も60歳から卓球、ウォーキング、気功、山登り、俳句、水墨画始めました。

Cさん:人生100年時代、向上しなくても好きなことができるならよいではないですか?

Dさん:無駄な経験はない!

Eさん:不安な分だけ、しっかりと花を咲かせるよう頑張って下さい。

Fさん:たとえ上手でなくても好きでやっているなら、「まあいいか」と開き直って・・

努力すれば必ずうまくなります」というような意見は全国から一通もなかったのだろうか。それにしてもDさん、そこまで・・・。


私なら、こう言いたい。

大丈夫です。将棋の世界には、初段免状を乱発する将棋普及指導員がいるし、囲碁の世界にも関西棋院という強い味方がいますから。



さて、7月14日出題作の解答。

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初手5九飛までの一手詰、ではない。もちろん、相手が「負けました」と言ってくれれば、それでいいのだが。

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今週の問題。

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余詰め対策をしているうちに平凡作になってしまったかも。

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将棋完全英語化はあきらめた方が・・・

2018-07-21 00:00:21 | しょうぎ
将棋連盟が支部会員に配布している「支部ニュース」の最新号の中で、ますます強豪化してきた女流棋士のカロリーナ・スティチンスカさんが海外普及の困難さについて書かれていて、そのいくつかの要因の一つとして、「駒」や「棋譜表記」のことが書かれていた。

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感想だが、確かに駒はチェスとは違って、敵味方の判定は駒の色ではなく向きで区別するし、敵陣に入ると裏返しになるし、取った駒は敵味方逆にして使える。機能的にはそれらを満たしたものが将棋駒であるし、チェスやシャンチー(中国将棋)とは異なっている。チェスとシャンチーの駒の形状の違いは、立体的か平面的かの差だけといってもいい。

一方、将棋駒とシャンチーの共通点は漢字の使用で、西欧人には門が高い。さらに日本の駒は正式には「王将」というように二文字表記だし、駒の裏は崩し文字で日本人でも正しく読めない。

また、日本の棋譜は、たとえば初手の7七歩は数字と漢数字の組み合わせだし、たまには5三銀右不成とか厄介なことになる。チェスのもっとも簡単な表記は、例えば7六歩は、7776と書いて、77の駒が76に進むことを表現するが、これだけでは「成」と「不成」が区別できないのと、駒を打つ場合、打つ場所と打つ駒を記載しなければならない。そうなると対局図の駒の表記問題になり、英語を使おうかということになるが、そもそも英語は180度回転しても同じ文字があるので、どちらの飛車(H)か王将(O)かわからない。桂馬、香車、角とKで始まる駒が3枚もある、銀と桂は左右に分解できる漢字で、読みにくい。

一方で、駒の種類は8しかないし、ルール上で使われる日本語は、「詰み」「勝ち」「負け」
「打つ」「指す」「先手」「後手」「王手」「二歩」「待った」くらいだろうか。戦術名は色々あるが、「シケンビシャ」とか「コシカケギン」とかそもそも記号のような名前だ。柔道よりも日本語使用は少ないような気がする。

そう考えると、駒は一文字化し裏は赤文字、(銀と桂は文字を変えた方がいいかも)で、基本単語は日本語読み(含むローマ字読み)位が妥当なのではないだろうか。


さて、7月7日出題作の解答。

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7月7日にちなんで、7手詰。水門開閉問題。

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今週の問題。

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手数のヒントは、ワールドカップのサッカーチームの選手の人数。(洞窟サッカーの方ではない)

途中で進展する。

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スマホ詰パラ解答数再集計

2018-07-14 00:00:32 | しょうぎ
弊ブログ6月30日号『スマホ詰パラ、全問クリアかな?』に、全問解いたはずなのに、記録ページでは10,879題中、9,369題を解いた(つまり、1,510題は解けていない)ということになってモヤモヤしていると書いたのだが、後にスマホ詰パラのアプリではなくWEB版の方に「解答数再集計要請」機能を見つけ、依頼をした結果、数日内に解答数を追加していただいた。

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7月13日現在10,954題中、11,165題解いたことになっているが、問題数より解答数が多いのは、解答後、何らかの原因(不完全、同一作など)で没問になった作があることを意味している。引き算すると211題がつぶれている。さらに、現在の発表番号が11,441番ということは、0番から始まるため11,442題が発表され、488問が没問になったことがわかる。没問率は4.26%となる。

ということで、やっとモヤモヤ感を一掃することができた。


さて、6月30日出題作の解答。

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本来は9手詰だったものを引き延ばしてみた。二つの詰将棋が合体したものだった。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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大駒図式、究極の6枚版。

最後のコーナーキックで、一発で仕留めようとして大失敗したキッカーの伝説を思い出した方がいい。一手詰ではない。すべての駒の位置が変わります。

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社団戦に初参加

2018-07-07 00:00:45 | しょうぎ
職団戦の他に社団戦という団体戦がある。自分の中では「想像上の幻の大会」になるだろう思っていたが、思いがけず、チャンスがめぐってきた。あるチームが一時的にメンバー不足と言うことで、今年度5つの試合日のうち2回だけ参加することになった。職団戦のようにトーナメントではないので1日4局で2回で、計8局。自己目標は4勝4敗。

実は、1チーム7人といっても、知っている人は1人だけ。職団戦と違って、チームの席も不明だし、そもそも会場の場所も不案内だし、浅草の台東館にいっても、社団戦の案内はなく、将棋用品展示販売会場の表示があるだけ。そこにいくと社団戦の会場内で中古本などの展示販売コーナーがあった。席に座るまで30分かかった。

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雰囲気は職団戦のような緊張感はない。開会式のゲストのスピーチは会場内を覆う私語のざわめきの中で、ほぼ聞こえない。ルール説明も、「初参加の人は少ないと思うので」と前置きされて「簡易説明」で終わる。ずいぶんな話だ。千日手説明は、二回千日手になると引分けというように聞こえたが、持時間のことがわからなかった。

どうも、「一見緩い社会を装い、底流には封建主義が流れる」日本の現状と同じなのだろう。

結果は○×〇×。二局目の相手がずいぶん強かった。先手だったが千日手に持ち込むべきだった。二回連続の千日手にすれば引分けというルールが頭をよぎったのだが、ルール説明が完全には聞こえていなかったので、やめたのがいけなかった。4局とも相手はバシバシと駒音を立てる相手で苦労した。パワハラするタイプだろうか。(私はプラ駒でも木製でも素材を生かして、技巧的に小さく高い音を鳴らす流儀。)

ところで、『詰将棋パラダイス』チームが社団戦に初参加するということを知っていたので、遠目で観察してみた。黄色の目立つゼッケンだった。実力はまったくわからないが、外観的には二つの特徴があるようだ。一つは体重分類。50キロと80キロの方が多いように見えた。もう一つは年齢分類。あくまでも遠目の感じだが20代と60前後の方が多いように見えた。錯覚かもしれないが。


さて、6月23日出題作の解答。

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8種類の駒を1枚ずつ使ってみた。単にそれだけともいえる。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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余詰め修正しました。


2014年の6月に作ったもの。当時もW杯だっただろうか。いつロングパスを蹴り込むかが課題。

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スマホ詰パラ、全問クリアかな?

2018-06-30 00:00:17 | しょうぎ
今や紙媒体の「詰将棋パラダイス」をはるかに上回る読者を持つと推定される「スマホ版詰将棋パラダイス」だが、大量の問題がある。難易度の上下は激しく、瞬間で解ける問題から試行錯誤的あるいは虱潰し式に1時間以上必要な問題もある。スマホ上は1ページ7題で、6月27日現在で、1554ページ+1題なので10879題のはずだが、連番は11361になっている。この483題の差は出題後、同一作があった場合や不完全作であることが指摘された場合に「没問」になるケースがあるのでその差であろうと推定される。

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もともと全部解くというようなことは考えなかったのだが、ちょっとした時間の隙間などに攻めているうちに相当数になっていたので、ある時から全部攻略をはじめていた。といっても第一問から始めたわけではなく、ある時は300ページ目から前に行ったり900ページ目から後ろに戻ったり、レベル順(レベル1から30まで)に解いてみたりということで虫食い状態になっていたのだが、ついに今週に完遂。と思って、全ページ検査したら1問抜けていたが。(どうしても解けなかった3問は柿木さんに聞いてみたのだが)

ところが、自分の記録を検索すると、6月27日段階では、10879題中9369題解答ということになっている。1510題の食い違いがある。少し前からこの差に気付いていて、調べてもよくわからない。おそらく途中でスマホの機種変更したことと関係あるのではないかと想像しているが、問題はすべてクリアになっても気持ちはクリアにならないわけだ。

ところで、こうなると問題があって、毎晩、寝る前に脳が疲れきるまで、解いていたのだが、次なるナイトキャップを見つけなければならない。それと、作者側に回る方法を研究しようかな。


さて、6月16日出題作の解答。

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途中で飛車と香の持駒になるが、飛車を捨てて香車を残す。4二が生飛車だと手順前後が発生する。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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ヒントは、詰将棋2回分(延長戦あり)。最後にパスミス禁止。

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将棋ペンクラブ、関西では活動休止か

2018-06-23 00:00:28 | しょうぎ
将棋ペンクラブの機関紙が『将棋ペン倶楽部』という複雑な関係になっているのだが、6月に届いた第51号通信の誌上で、『本年をもって、関西交流会を休止しました』との告知があった。

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毎年、関東(東京)と関西(大阪)で一回ずつ交流会が開かれていて、私は関東で二回、関西で一回参加した。どちらかというと出し物は関西の方が魅力的(ただし私が関西に参加した時は告知不足だったのか参加者3名でゲストは現れないという謎の会になったのだが)と思っていたのだが、どういう事情なのだろう。

関西の幹事の方の健康状態が良くないというような書き方ではあったが、交替要員がいないのだろうか。それとも参加率が低いということだろうか。

関東は将棋会館に集まって、単に将棋を指して、数名のプロ棋士を交えてごく軽い打ち上げをするだけなのだが30人位は集まるのだが、その差は何だろうと思うと、いくつかの問題点があるのだろう。列挙すると、

 1.関西交流会の開催日はここ数年はGWの中にあって、いかにも忙しい。
 2.会場が関東のように将棋会館ではなく、将棋の雰囲気がない。
 3.関東もそうなのだが、「ペンクラブ」という趣旨の企画がない。
 4.そもそも大阪でいいのだろうか。詰将棋全国大会のようにいくつかの都市を回るとか。

もっとも、なくなったものは仕方がないわけで、あとは関東交流会の行く末を案じるしかないが、ペンクラブ大賞受賞の方々のうち1名でも来てもらって(できればプロの方)、「受賞作成立のいきさつ」でも話してもらえると嬉しいのですがね。


さて、6月9日出題作の解答。

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合駒請求、質駒作り、打歩詰回避、駒取、直打ちとありふれた手筋を連発。駒取りについては好きな人と嫌いな人がいるのが現状だが、個人的にはやや駒取り肯定派である。

取った駒を使うのだから使用駒数が少なくて済むので見かけがすっきりする。また駒取りによって持駒が復活すると、複雑さが増すことになる。一方、取る手があると必ず打つ手を増やさないと最後に駒が余るので合計4手長くなる。その分、作品の濃度が薄くなるという欠点は感じている。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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サッカー観戦及び株主総会ウィークでもあり簡単作。簡単にもほどがある、と怒られそうなので、一応「八種駒使用」。本当は盤上11枚で持駒多数のサッカーバージョンも考えたものの・・持駒のうち3枚だけ使っていいというルールなのだが・・

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

藤井流は達人の域に達したらしい

2018-06-16 00:00:48 | しょうぎ
最近、藤井聡太七段(現在)の棋譜を鑑賞している。また日経電子版でも紹介されていたが、彼の初手(つまり先手なら初手、後手なら2手目)は常に飛車先の歩を突いているわけだ。本来、初手と二手目の組み合わせにしても、飛先か角道かに限定しても組み合わせで4通りあるのに、要するに決めてあるわけだ。

基本は角換わり腰掛銀で、相手が振り飛車なら原則は穴熊だが、場合によっては急戦。相手が矢倉なら矢倉か雁木とか。

つまり、序盤がパターン化されていて、とりあえず不利にならないように慎重にことを進め、中盤の終わりごろに魔術のような手をひねり出し、やや優勢に持って行き、熟考の末詰将棋を基盤とした超速の寄せで仕留める。ギリギリで詰ませるので詰将棋のように駒台の駒を全部使って詰ませるわけだ。

最近思うに、今後タイトル戦に登場すれば、トーナメントではなく番勝負になるので、ほぼ全タイトルを手中に入れるような気がする。7番勝負なら4勝3敗(勝率5割7分)、5番勝負でも3勝2敗(勝率6割)でいいわけだ。8割以上勝っている彼なら一度タイトルを取ってしまえば手放すようなことはないだろう。あまり想像したくないが。


さて、6月2日出題作の解答。

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装置が大げさだが、合駒選択と逃げ道封鎖の捨駒。

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今週の問題。

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ワールドカップも開催となり、テレビ観戦で忙しい方も多いと思い、比較的簡単作を出していくつもり、サッカーもポジショニングは詰将棋に似ている点もあり、守備陣をバラバラに分解して、ロングシュートやオーバーヘッドみたいな派手な決め方が好まれる。ハンドの反則は打歩詰めにあたるのだろうか。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

北村憲一「詰将棋八景」

2018-06-09 00:00:30 | しょうぎ
七手詰集である。少し前に「七福神」という詰将棋集を発表したのは、初型盤面七枚という限定だったが、今回の「八景」は初型盤面八枚。となると次は初型九枚だろうか。命名が楽しみだ。辞書から推測すると、『九天(全宇宙)』とかいいかもしれない。『九死』とか『九州』とか『九回裏』とかはないだろう。予想外の『ナイン』とか。ベートーベン以降、交響曲に第九とつけるのは不吉という考え方もあるが、だからといって『10』という数字も、「最後」を意味するらしく、良くない。「ナンバーテン」というナンバーワンの逆の意味の俗語もある。

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ところで、七手詰というのもかなり難しく、手筋は出尽くしているようなそうでないようなところもあり、さらに枚数制限を付けるとは私にはとても考えられない。本作では、一題、きわめて難しい作品があった。第73問

いわゆる超難解作。二日がかりになった。自分は他人の新作を直ちに公開する気はないので、誰かが広く知らしめていただけないかと期待する。

なお北村氏は、今月の詰将棋パラダイス誌に北海道の古棋書のことを書かれている。函館出身の花田桂英少年の詰将棋を発見されているようだ。なお、花田桂英少年は、後年は花田長太郎として大活躍。弟子の弟子の弟子がひふみんである。


さて、5月26日出題作の解答。

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飛、銀、桂の捨駒連発(桂は取れない)で危険地帯を作り出す。銀捨が見にくいかもしれない。普通は下から飛車を打って詰むのだが、うまく詰まないので、追いかけることになる。運良く拾った金で最後の捨駒にあてる。潔くない図だ。

実は、詰め上りが、八種の駒が1枚ずつになるが、あまり気が付かれないはず。

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今週の問題。

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「無しゃっきん図」であり、金銀のない「預金ゼロ図式」でもある。

バラエティ番組のように、色々詰め込んでみた。密着打ち、合駒選択、駒取り、捨駒。四つの手法の順番や回数は秘密だ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

黄金の駒

2018-06-02 00:00:39 | しょうぎ
新聞を読んでいたら、三面記事の下にデパートの広告があった。当日の新聞記事の中で、アメフトや核廃棄を超え、最も衝撃的な記事(じゃなく広告だが)だった。

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入場無料の『大黄金展』。柏タカシマヤである。タカシマヤというのは高島屋のことだろうか。あるいは大黒屋のような質流れ即売会なのだろうか。高島屋(百貨店)のHPを調べると、確かに柏タカシマヤは百貨店だ。漢字を覚えられない外国人にも門戸を開いているということだろう。さらに、当日のカラー版のチラシを見つける。

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どうも新聞広告では、K24将棋駒一式(40点セット)で1600gで28,360,800円となっているのだが、チラシでは駒の種類によってバラ売りしているようだ。40点というのは駒が40枚で一組ということらしい。値段までは不鮮明でよく見えないが、歩兵は60万円ぐらいで、小駒が80万円ぐらいで、大駒が100万円以上のように見える。たとえば、王将一枚売れたあとで、40枚全部買いたいという人が現れたらどうするのだろう。一枚はプラ駒になるとか。

しかし、金そのものであれば1gが5000円位なので、1600gで8百万円程度。28百万円とは加工料がずいぶん高い。加工といっても既存のプラ駒の型に流すだけかもしれない(そんなことはないかな)。

とはいっても、うっかりしているうちにセール期間が終了してしまったわけだ。


さて、5月19日出題作の解答。何か解きにくかった方もいるようだ。“香は下段に打て”という格言があった。詰将棋で一番下から香を打つことはあまりないので、盲点だったかもしれない。もう少し盲点度を上げた作品に改造中。

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今週の問題。

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嫌われ者の入玉図だが、さっさと玉を追い出してからサバキを始めればいい。突然に高額収入を得ても、貯金しないですぐに使うこと。詰ませた時に自らも無一文になっているというのが、詰将棋の持つ宗教的無常観だ。

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