反則勝ち(将棋)のこと

2018-08-11 00:00:50 | しょうぎ
社団戦に今季限定で出場したのだが、日本のプロ野球の外国人選手のように結果を求められているようなプレッシャーは感じていた。当日は、一日4対局の最初に2つ負けて、後がないような苦しい状態で3戦目。作戦的に盤の両サイドを明け渡す代償で中央突破するという展開で、ほんの僅かに有利というところで、両者30秒の秒読みになる。その途中で、相手の反則で1勝することができた。あまり例のない反則だった。その説明の前に、過去の反則勝ちの経験を書いてみる。

まず、「二歩」だが、意外に多くない。一度か二度ではないだろうか。二歩にはいい手が多い。読みの中で、ここに打たれたら負けだなと観念して、よくみると二歩ということが多く、そこに歩を打ってくれるということだった。反対に、終盤で負けていて、唯一、二歩を打って詰ます筋があり、さらに詰み筋の途中で歩がなくなって証拠が消えるという局面があったのだが、理性が働いて指さなかったことがある。

個人的に今まで最高の珍プレー勝ちは、職団戦で「王手千日手」。何しろ周りに敵味方のギャラリーがいる。2回目あたりから、奇妙な空気が流れる。相手がルールを知らないのか、4回目で手を変えるのか、確認のすべがないのだが、悟られないように、読むふりをする。さらに、4回目の時にどうやって対処するかを考える。そして、4回目の王手の時に、相手に口頭で確認する。「千日手ですね。」「そうです。」「反則です!」。確認しない前に反則の話を持ち出すと、「まだ3回」とか言われる危険を防止したわけだ。奇妙なことにプロ棋士の対局でも過去に一回の事例がある。


次点は、王手放置。自玉が詰まされコースに入り、横から飛車を王手に打たれて、合駒を打っても無駄な展開で、あえて飛車で合駒。実は相手の王様への逆王手になっているのだが、それでも詰まされる方法は無数にあるのだが、別の王手を掛けられる。先に王を取ったのだが、相手が私の王を取り返した時には、もっと驚いた。

プロで王手の掛け合いで有名なのは1962年度のA級順位戦ラス前の塚田×大野戦。大野必勝局面で塚田九段の形作りの飛車王手に、これを放置して角で王手返しをしてしまう。この時の塚田九段の名言が「悪いけど、いただいておくよ」。感想戦の中でも「星が苦しいので」と言ったそうだ。塚田九段は最下位で3勝5敗だったそうだ。破れた大野八段はこの一敗で名人挑戦権に届かなかった。後日談が数十年後に明らかになり、この対局の間接効果で当時26歳でA級2年目の芹沢八段は、「私を陥落させるために、わざと負けたのではないか」と疑い始め、精神的不安定を続け、負けが込んでいき、陥落後、A級に復帰することすらできなくなる。

行けない場所に行く、というのは何度かあって、たいていは桂と角。あるいは4段目で成る。読んでいるときから間違いが始まっているようだ。プロでも時々あって、笑ってはいけないが、ある女流棋士が不慣れな着物対局で、袖が触れて盤から落ちた右隅の香車を駒台に置いてしまい。ついにそれを打ってしまったことがあった。相手の棋士は駒台の香にいつごろから気付いていたのだろうか。島九段もテレビ対局用の一文字駒の銀を裏返して駒台に置き、金と勘違いし成銀を打ってしまった。


で、冒頭の私がいただいた反則勝ちなのだが、対局時計に関係がある。といっても押忘れとか時間切れとかの単純なものではない。実は類例がないので、一般的用語が存在しない。

秒読みが進んでいき、ついに時間切れの前に、手を指すことなく対局時計を押されたわけだ。

つまり、「一手パスします。次の手もどうぞ。」ということだ。

反則の一類型として、「二手指し」というのがあり、相手の手番の時にもう一回自分で指すことなのだが、それには当たらない。逆に、一手パスした相手に対して指すと、私の反則になりそうな気がする。

もちろん、「反則勝ちでいいですね」と確認したわけだ。


さて、7月28日出題作の解答。

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暑苦しい配置で申し訳なし。原図を余詰め修正しているうちにさらに密集してしまった。気温40度問題。暑い部屋で作っているので・・。よくみると、変化手順も暑苦しいか・・

動く将棋盤はこちら



今週の問題。

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かろうじて入玉しているが、安住の地を追い出されることになる。ヒントは「探偵と刑事」。もっともヒントの意味が判るときには、ほぼ解けているはず。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
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2 コメント

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Unknown (蛇塚の坂本)
2018-08-14 09:29:14
最終手〇〇〇の〇〇手詰みとなりました。
面白い。収束〇〇コンビペアによる犯人逮捕小説に出てきそう。
Unknown (おおた葉一郎)
2018-08-14 09:41:43
坂本さま、正解です。
探偵と刑事が追いかけた場合、探偵は、捕まえないで、隠し金を巻き上げた上、消すのですよ。小説では。

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