名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

「もんじゅ」廃炉決定

2016-12-21 21:35:16 | Weblog
2016.12.21(水)
 「もんじゅ」とは、日本の福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉である。
MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化のための原型炉であり、高速実験炉常陽でのデータをもとに建設された日本で2番目の高速増殖炉である。
 エネルギーの自給自足を実現するものとして夢の原子炉とされてきたことから、各国が開発に取り組んだが、技術的な困難さや経済性の問題などから撤退が相次ぎ、実用化されるところまでいっていない。
 もんじゅは、1994年に試運転を始めたが、翌95年暮れにナトリウム漏れの事故を起こして停止。約15年後の2010年5月に試験運転を再開したが、3か月後の8月に炉内での機器落下を起こし、再び運転凍結の事態を招いた。
 その後も、点検漏れが相次ぎ、昨年11月には、原子力規制委員会が運営主体を変えるよう文科大臣に勧告する事態にまでなり、ついに今日の午後、原子力関係閣僚会議で廃炉が決定したというものである。
 この過程の中で、西川一誠福井県知事は廃炉を容認できないとごねていたが、しぶしぶ黙認したという。情けない知事である。
 しかし廃炉は決定したが、政府は原型炉のもんじゅを再稼働しないで、原型炉より実用化に一段階近づく「実証炉」の開発は進める方針である。そして、来年改定される国のエネルギー基本計画に反映する見通しという。この国の為政者たちはどうしても原発から離れられないようである。
 もんじゅは廃炉が決まったが、廃炉するためには、30年間かけておよそ3,750億円という巨費を投じなければならないと試算されている。もんじゅの設置許可から30年以上かけてすでに1兆円以上もの税金を投入した上に、その廃炉にさらなる巨費を投入しなければならないとは、めまいを覚えるような話である。しかもこの責任を誰も取らない。政府にとって御しやすい国民である。 





最新の画像もっと見る

コメントを投稿