On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

聴いたCD Ginastera : Quartets 1 & 2(Miami String Quartet)

2019年07月31日 | 現代音楽
Quartets 1 & 2
Editio Princeps
Editio Princeps

 「謎」の作曲家、ヒナステラを久しぶりに聴いてみる。

 「謎」というのは、自分にとってだけの意味で、もうけっこうな昔からこの作曲家をちょこちょこ聴いているのに、果たしてそれをどう聴いていけばいいのかいまだによく分からなくて困っている、という意味。

 ヒナステラといえば、言うまでもなく第一に思い浮かぶのは「アルゼンチンの作曲家」というイメージで、こちらとしてはその”アルゼンチンっぽさ”をまずは嗅ぎ取りたいと毎度思うのだが、しかし例えばピアノ曲を聴くと、メロディアスで可憐な曲や民謡をもとにした曲があったりするが、しかしそれらがどうも薄味でドメスティックな「濃さ」に欠けるように思えるし、オーケストラのバレエ曲などでは、まとまってはいるが、わりと普通の映画音楽みたいに感じたりする。

 どうもこの人は、すごくインテリっぽいというか、ヨーロッパの作曲家たちの影響をいろんな形でスマートに受けている分、結局器用貧乏になっているのではないかという疑いが抜けない。きっと、もっと本気でいろいろ聴いていけば徐々に蒙がひらけてくるのかもしれないが、しかし何しろこちらは最初で躓いてしまっているので、探求も結局浅いところを少しウロウロするだけ、という形になる。

 そんな中、この弦楽四重奏曲だけは以前からものすごくカッコいいと感じている曲で、今回見つけた「Miami String Quartet」というカルテットのCDが、安かった上にジャケット写真もちょっと個性的なので拾ってみる気になった。

 で、聴いてみると、曲自体数年ぶりに聴いたせいか、一層魅力的に感じる。ただやっぱり、かつて愛聴し今でも偏愛するバルトークの弦楽四重奏曲たちにとてもよく似ている、とも感じる。それに、どの楽章もすごくまとまっている分、逆に後から来るものがないのではないかとも感じる。

 でも、一方でこの2曲はものすごい演奏効果を持った名曲で、聴くたびにコーフンもしてしまうのももちろん以前から変わらない。・・・と、結局この曲を聴くと毎回こうして悩んでしまって、なかなか出口が見つからない。

 それと、今回初聴きだった Miami String Quartet については、ディスコグラフィーを見てみると他にもいろいろとマイナーな現代曲を演奏しているようで、その点ちょっと興味深い。ただ、さっきYoutubeを探して気が付いたんだけど、このCDでは男女2人ずつのカルテットだったのに、最近(?)の動画では、メンバーが変わって男3と女1になっているみたい。

 というわけで、そっちよりは、静止画で申し訳ないんだけどこのCD自体の音源が見つかったので、とりあえず「第一番」の最初の楽章を貼ってみました。しかし、再生回数20回なんて、毎度マイナーな音源に行き着いてしまうなあ。

Quartet No. 1, Op. 20: I. Allegro violento ed agitato

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聴いたCD Lush - Liszt, Bacewicz, Wos(Anna Kijanowska)

2019年07月27日 | クラシック
Lush - Liszt, Bacewicz, Wos
Anna Kijanowska
Romeo Records

〔曲目〕
 ・リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
 ・グラジナ・バツェヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番
 ・ウカシュ・ヴォシ:ピアノ・ソナタ

 これは、最近わりとよく聴いたCD。

 某DUで何度か目にしていて、ジャケットの写真がオシャレなので気になっていたんだけど、でもリストのソナタはもう飽きるほど聴いているし、その他の現代作曲家っぽい作品も全然知らない人なので、ちょっと警戒というか躊躇してしまっていた。

 でも、今回思い切ってゲットして聴いてみると、これがけっこう面白い。このAnna Kijanowska(アンナ・キヤノフスカ)は、ポーランド系のアメリカ人ということで、最初のリストのロ短調ソナタ以外は、すべてポーランドものという構成。

 で、そのリストのソナタが、どうもこのAnna Kijanowskaの(フレーズの最後の)音のタメかたがすごく淡白というか、そんなところが馴染めずにシンドかったんだけど、それも聴くうちにだんだん慣れてきたし、やはり今回目を引いたのは、後半の全く初めての作曲家2人の作品。

 このうち、グラジナ・バツェヴィチ(Grazyna Bacewicz, 1909生-1969没)は、ポーランドですごく有名な女性作曲家であるらしく、ピアノ作品ではクリスティアン・ツィマーマンがまさにこの『ピアノ・ソナタ第2番』をレパートリーにして録音したり、来日公演でも弾いたことがあるとか。

 そして、もう一人のLukasz Wosは、今現役バリバリの人のようで(1967生)、フェイスブックでみるとけっこういかつい感じの男性なんだけど、どうやらこの作品は Anna Kijanowska の依頼作らしい。そして、この2作品、有りがたいのは現代曲にしてはすごく聴きやすいことで、解説にはそれぞれ2者の作風を"neo classical"、 "neo romantic"と書いてあるけど、現代的な感覚のロマン派作品というくらいの感じで聴くことができる。そして、どちらもピアニスティックである点がピアノ好きにはまたうれしい。

 それと、Lukasz Wos のソナタは、もともとリストのソナタにインスパイアされて作曲された曲らしく(ただ、このCDで2曲が並ぶことは知らなかったらしい)、同じ単一楽章であるほか、曲想も少し似ております。

 で、最後に Youtube でバツェヴィチのソナタなどを少し紹介できないかな、とさっき検索してみたのですが、・・・あれれっ、このCDって今、全曲公開されているんですか?

 なんだ、じゃあ自分もCD買う必要なかった? ・・・と、ちょっと動揺してしまいましたが(でも、事前に気づいてもやっぱり買っちゃってたかなあ。やっぱり現物持っていると安心だし)、一応バツェヴィチの第一楽章とヴォシのソナタを、下に貼っておきます。

Piano Sonata No. 2 - Maestoso

Piano Sonata

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聴いたCD Nedly Elstak Trio + Voice : The Machine

2019年07月22日 | ジャズ(フリー系)
The Machine
Nedly Elstak Trio + Voice
Esp-disk

 Nedly Elstak (tp,p)  Maarten Van Regteren Altena(b)  Martin Van Duynhoven (ds)  Sofie Van Lier(vo, Maracas)

 ぬ~っ、またこの変な顔に出会ってしまった。

 ・・・と、見つけるたびに思ってしまうこのアルバム。でも、そういうわりになぜか毎回聴いてしまうのだが、ジャケット同様、やっぱり音楽もかなり変。そして、変だなあと思いつつ、それからまた2,3年忘れてしまうということを何度か繰り返し、そしてまた目が合ってしまったのがまさに昨日(笑)。

 でも演奏としては、実は一面ものすごくカッコいいというか、惹かれるところはあるのですよ。そもそもレーベルがあのアイラーで有名なESPで、まさに60年代フリー・ジャズど真ん中という雰囲気。冒頭、いきなりドラムスの迫力あるソロ(民族的なパーカッションも混ぜていると思う)から始まって、そこにベースとリーダーの Nedly Elstak のトランペットが絡み、臨場感と迫力ある録音も手伝って、そこだけに限ればかなり痺れてしまう演奏だと思う(むしろ、ドラムスとベースのトラック(と、トランペットの時のリーダー)だけ取り出して聴くと、めちゃくちゃカッコいい盤じゃないかと思ったりする)。

 ところが、・・・2曲目以降もそのまま進めてくれればいいのに、リーダーの楽器がなぜかピアノに変わってしまい、しかもクラシックっぽい発声の女性ヴォーカルが変な歌を歌い出して、あっという間に雰囲気が一変。その歌の歌詞も、「the machine is more perfect than you」とか「my morality is controlable」とかの、スピリチュアルっぽい世界に。まあ何となく時代性みたいなものは分かるんだけど。

 で、ヴォーカル入り以外のところは、またトランペットが戻ったりしてカッコいいところもあるのだが、やっぱりまたすぐにヴォーカルが復活してしまうので、どうしても最後まで乗り切れない。

 そしてまたこの「The Machine」というグループ、かつて全く意表を突かれたのが、ESPというイメージと演奏の雰囲気からして個人的にすごく黒めの音楽と思い込んでいたのだが、実はこれ、ヨーロッパのフリー・ジャズで、基本的にメンバーはオランダ系の人たち。「え~っ、何だよそれ?」って感じで自分の耳の不確かさにちょっと不貞腐れたりして、でもそうはいいつつ、すでにこのアルバムには反感と同時に好感もが相半ばしてしまっていて、今となっては何だか容易に忘れらない盤となってしまった(気がします)。

 (実際、今秘かに恐れているんだけど、もしも中古屋でこれのLP盤に出会ってしまったら、自分はどうなってしまうのかと考えると、ちょっと不安。たぶん、これの中古価格はそれなりに高値だと思うから大丈夫だと思うけど、でももし手が届く値段だったら・・・、もしかしたら自分はそこでしばらく考え込んでしまうかもしれない。それにこのジャケット、部屋に飾っておけばちょっとした”魔除け”っぽい効果もありそうだし)

 ・・・ということで、今回はすごく気に入ったアルバムとは言えないという点はちょっとアレなんだけど、でも手持ちの変なアルバムを紹介してみたいという欲求って、きっと誰にもあるだろうし、ずっと自分の心の底のほうでモヤモヤしていたこのジャケットをこうしてここに吐き出すことが出来て、今はちょっとスッキリしております。

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聴いたCD ジョージ・ウィンストン:サマー

2019年07月20日 | アンビエント・ニューエイジ・イージーリスニング

 

Summer
Windham Hill Records
Windham Hill Records

 これは、さっき久しぶりに出てきたアルバム。う~ん、懐かしいです。

 ジョージ・ウィンストン及びウィンダム・ヒル・レーベルといえば、流行ったのは80年代から90年代ってところだったか。オーナーのウィリアム・アッカーマンをはじめ、何人か著名なアーティストがいたけど、やっぱりこのジョージ・ウィンストンが一番人気で、特に『オータム』が中でも有名なアルバムだった。

 ぼくにとっても、当時聴く音楽がクラシック一辺倒という状態が次第に自分の中で苦しくなってきて、かといってほかにどんな音楽を聴いたらいいか分からないという時期に、このジョージ・ウィンストンは最初に耳に入ってきた音楽だった。

 で、当時代表的なアルバムをいろいろ聴いてみた中で、この『SUMMER』は、オータムほど耳に残る曲がない分、逆に構えることなくスッと入って浸ることができたCDだったと思う。

 でも、それがいつの間にか思い出すことが少なくなってしまい、今やウィンダム・ヒル・レーベル自体が、中古屋で見つけたとしても(実際、かなりよく見かけるけど)ほぼいつも最安値、みたいな状態。ぼく自身もいつも素通りしてしまっていた。なので、実はさっきこうしてCDの山の中から発見された時も、よっぽど他のCDを聴こうかと思ったんだけど、でもちょっと待てよと気が向いて聴いてみると、ずいぶん遠ざかっていたせいもあってか、素晴らしく美しく感じる。

 いやあ、この昔のゆったりした生活のリズムを思い起こさせるような、しっかりとゆるぎないテンポ感。いつもその正反対に焦っているばかりみたいな自分には、何だかむしろズシリと響いたりもします。

 これからは、もう少し頻繁に帰ってくるようにしたいなあ。

George Winston, Summer - Loreta and Desiree's Bouquet - Part 1

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聴いたCD Teemu Viinikainen : Hit It !

2019年07月13日 | ジャズ(弦:Guitar,bass 等)
Hit It!
Prophone
Prophone

 Teemu Viinikainen (g)  Ville Herrala (b)  Mika Kallio (ds)

 これは、DUの特価コーナーで見つけた盤。

 Teemu Viinikainen って、例によって全く知らない人だけど名前は一見して北欧っぽいし(実際はフィンランド)、それでもしも耽美っぽい雰囲気だったら最近はあまり食指が動かないんだけど、今回はジャケ写をみるとけっこうアグレッシブな感じだし、それもすごくシンプルに(ドラムセットとかも)勝負しているような雰囲気が漂ってくるので、ゲットしてみた。

 で、聴いてみると実際に1曲目からそんな感じ。疾走感のあるアグレッシブな演奏で、最後には「ヒャッホー」みたいな奇声も。しかし、その後聴いてみると、どうもそれが主調というわけではなく、曲想がかなり色々と変化。非常にヴァラエティーがあるのだが、むしろ後半は動きの少ない曲が多い印象。それも、分かりやすい抒情的な曲でもなく、まったりしたけだるい感じの曲想がかなり続いていったり。それが、何だかつかみどころがないようで、意外と耳に残るようでもあって、なかなかはっきりと分からない。

 しかし実は、今回それが一番興味を引き、かつ個性を感じた点でもあったというか。

 これまでフィンランドって、ぼくが聴いてきた限りでは(クラシックでは)シベリウスとか透明な合唱曲くらいで、要するに全然馴染みがないのだが、ジャズでもECMほかの北欧ジャズでまれに接してきたとはいえ、こういう「やや幻想的、かつけだるい」感じの雰囲気の曲はあまり接した記憶がない。

 それが、もともと地元の伝統に根ざした曲の伝統があってこのCDによって初めてぼくにまで届いたということなのか(それだったらすごく面白いのだが)、それともこの Viinikainen 個人の個性なのかと、いろいろ想像しながら聴いてしまった。ともあれこの Viinikainen 、まだ知ったばかりだけど、作る曲の幅も広いし、ネットで検索するとすごく高い評価する向きもあるようで、面白い人みたいです。

 それと今回、実は主役の Teemu Viinikainen のほかにもう一人気になった人がいて、それがドラムスのMika Kallio というおじさん。

 いうのはこの人、明らかに「小さくて細かい音が好き」という、秘かにぼくが愛好しているタイプのドラマーで、このアルバムでは無論サイドメンだから、あまりそういう傾向は大っぴらに出してないけど、しかし細かいところで色々と片りんは見せていて、こういう人の音はそれだけ聴いていても面白い。それと、何よりドラムセットがゴテゴテしないないのもいい感じ。

 ・・・で、今回この記事を書くにあたって、例によってYoutubeでご紹介しようと音源探してみたんだけど、なかなかこのアルバムのちゃんとした音源がみつからない。「Teemu Viinikainen Trio」で出てきても、面子が変わっていたりするし。 取りあえず、下の動画が同じ面子のものだと思うけど、クレジットついていないので今一つよく分かりません。

Teemu Viinikainen Trio

 で、このご時世、さっき言及した Mika Kallio の動画もみつかりました。Mika Kallio、やっぱり変な人だった。そして、(最初、ドラに目が行っちゃうけど、)やっぱりたくさんの小物がいっぱい。こういうの、すごくたまらないです!

Mika Kallio at Tulkinnanvaraista 11/2012

 おおっ、それから短いけど、女性舞踏家とのコラボ演奏も発見。う~ん、でもこれって、ちょっと酔っ払いみたいだなと思ってしまいました。このまま放っとけば別に害はなさそうだけど、一旦絡まれちゃうと面倒臭そうだな、というか(失礼)。

Mika Kallio - Satu Rinnetmäki IMPULSION

 で、今回のトリオではないけど、この得意の銅鑼(?)セットが Teemu Viinikainen との舞台でも使われているようです。やはり、本当にやりたいのはこういう感じの演奏なのか、CDの演奏は表向き(というべきか)の演奏だったということでしょうか。

Niklas Winter / Teemu Viinikainen / Mika Kallio - Blue Monk

 

 それと今夜、最後に、上の「Blue Monk」を見た流れで、セロニアス・モンクの本家「Blue Monk」を見始めてしまったのですが、そのドラムセットのあまりのシンプルさに気づいて、思わず見惚れてしまいました。いやあ、ドラムスって、これが基本だったというか、こういうところから始まったんですかね。

 それと、ソロのオーダーで、サックス→ピアノと徐々に消えていき、最後にベースも消えてドラムスのソロになるのもオシャレです(それで、特に表情も変えずに淡々と演奏するところもまたオシャレ)。

Blue Monk, Thelonius Monk

 

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聴いたCD ジミー・ジュフリー:ウェスタン組曲

2019年07月10日 | ジャズ(管:Sax,trumpet 等)
ウェスタン組曲
ジミー・ジュフリー,ボブ・ブルックマイヤー,ジム・ホール
ワーナーミュージック・ジャパン

 これは、昔1度聴いていた盤。でも、その時は全然分からなかった。

 それが、先日すごく久しぶりに出てきて、せっかくだから聴いてみようと思って聴いてみたら、意外に今度は面白い。この3人のプレーヤーの中でジム・ホールは今ではギターでは比較的よく聴く人なので、当時それにも気づいてなかったということは、よっぽど前に聴いたんだと思うけど、こういう風に以前は分からなかった音楽が今はついていけるようになったという体験はいつでもうれしい。

 (ただ、悲しいことだけど、今の「分かる」自分から見て、以前の「分からなかった」自分が、時々理解できないことがある)。

 で、これは気づけばものすごく独特な雰囲気の演奏で、なぜそうなのかと思ったら、そもそもまず編成がクラリネット(サックス)、トロンボーンとギターという、全く初めて見るような組み合わせ。ドラムスもベースもなしなので、そもそも普通の「ジャズ感」みたいなものが少ない(と、解説を読んで気がついた)。

 こういう、ジャズなのか室内楽なのかよく分からないような編成って、クラシックの現代音楽の分野でもあるにはあるんだけど、しかしそういうのは概して作曲(演奏)ももっと新しいので、それがこんなに古めの(雰囲気も含めて)録音っていうのは、逆にすごく新鮮にも感じてしまうのかもしれない。

 それに音楽も、何だかのどかな時代の雰囲気がある一方で、アンサンブルそのものはしっかり組み立てられていて、そんなギャップも面白い。そして、シンプルですごく生な臨場感があって、繊細で静か。あと、最近こういう古い録音での、トロンボーンのややくぐもった音を聴くのもちょっと気に入ったりもしているので、そこもひそかに快感。

 それと、後半のスタンダード2曲も、さっきネットで少し他のレビューを見てみたらあまり評価していない人もいたけど、今はとりあえずこの3人の音の組み合わせ自体が気に入っているせいか、すごく面白く感じる。そして、やっぱりこれはすっごく白人の音だよなあとも。

Jimmy Giuffre Trio - Western Suite

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ラザール・ベルマン プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番変ロ短調,ラフマニノフ:楽興の時(全曲)作品16(ドイツ・グラモフォン)

2019年07月08日 | (旧HP記事)クラシック(オムニバス、コンサートもの等)

 まだイナカで高校生をやってた頃に中古屋でゲットした、輸入盤LPです。

 日本盤LPも、CD盤も見たことがなかったので(あくまでぼくがですが・・・)、ベルマンのレコードでもややマイナーな存在だったのかもしれませんが、ぼくの中では一番のお気に入りでした。

 内容的には、A面がプロコフィエフでB面がラフマニノフときれいに分かれて、どちらもややマイナーな選曲といえばそうなのですが、しかし例えばプロコフィエフの第8番は、実はぼくとしては7番よりもこっちのほうがお気に入りなくらいで、たしかに7番はすごい名曲で聴く度に興奮してしまいますが、8番はインパクトは弱いかわりに徐々にじわじわとハマっていくような、そんなタイプの名曲ではないかと感じています。

 またB面のラフマニノフも、ふだん「前奏曲」や「音の絵」に隠れてほとんど目立たない曲集ですが(単品ではちょこちょこ見かけるが、全曲盤となると昔はほとんど無かったはず)、内容的にもどこから見たっていつものラフマニノフですし、実はこれ、ベルマンがすごく気に入っていた曲で、かなり頻繁に演奏していたと思います(特に第4番はアンコール・ピースとして定番だった)。

 ベルマンの演奏も、いつもどおり、ふつうに素晴らしいです。ベルマンというと、いつも19世紀的だとかヴィルトゥオーゾだとかグランド・マナーだとか、判で押したようにそんな言葉で語られるばかりですが、技術だけでなく音楽性も十分あると思いますし(それに、まずもってピアノをちゃんと鳴らしてちゃんと歌わせてくれる)、ぼくにとってはこういうピアニストの人が普通で、時代は変わっても、ピアニストの本来の姿のひとつだと思うのです。

 別にピアニストに限らずとも、昔の人って、もう存在自体になんとも言えないオーラみたいなものをまとっていたと思うんですよね。ホントに、こういうタイプのピアニストが、もっと活躍する時代がまたきてくれないかなあ。
 
 ↓ (ブログ転載時に見つけた、得意の「楽興の時」第4番の演奏です)

Rachmaninov - Six Moment Musicaux Op. 16 - 4. - Berman

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聴いたCD GILAD HEKSELMAN : Splitlife

2019年07月01日 | ジャズ(弦:Guitar,bass 等)
Splitlife
Smalls Records
Smalls Records

 GILAD HEKSELMAN(g) JOE MARTIN(b) ARI HOENIG(ds)

 これは、2週間くらい前にけっこう聴いたCD。てっきり感想書いた気になっていたけど、忘れていたみたい。

 で、このGILAD HEKSELMAN。すごく人気のギタリストのようで(イスラエル生まれ→NYで活躍)、ぼくも以前『Homes』というアルバムは聴いたことがあったけど、その時はどうもあまりよく分からずに、以来まだ未消化のまま。なので、先日この盤を見つけた時もどうしようかと思ったけど、これはライヴ盤ということで、それなら演奏も分かりやすいかなと思って購入した次第。

 で、そうして聴いてみたところが、今回は冒頭から音がすごく耳に入ってくる。思えば、以前聴いた盤はちょっとコンテンポラリーな感じの盤で、そこが今一つついて行けなかったような記憶があるのだが、今回はそれよりずっとメロディアスというか、非常にシンプルで力んだ感じもないし、すごく自然に歌が耳に入ってくる。

 気づけば、このCDは GILAD HEKSELMAN のデビュー作だったらしく、この時まだ23歳くらいだったらしいのだが、いやしかし、この歳でこの地に足がついた感じというかこの落ち着きようというか、とても繊細な感覚を感じるし音楽性もしっかりしているし、単純にすごいなあと思ってしまった。

 実際、もしぼくのような人間がギターをやっていたとしたら、まだ20代前半だったらきっと難しいパッセージや早弾きをして喜んだり、派手な音楽に走ったりした頃で、とてもこんなしっかりした音なんか作れなかったと思う。それに、最初から最後までギターを持ち替えたりもせず、それでCD丸々1枚しっかり飽きさせないで持たせてしまうって、なかなかすごいと思った。

 それと、そんな23歳のデビュー盤なのに、すでにバック陣が豪華。ただ、 JOE MARTIN のベースが全体に今一つ音が聴こえにくいのが難点だけど。その代わり、 ARI HOENIG のドラムスの音はうるさいくらいはっきり聴こえる。この ARI HOENIG と GILAD HEKSELMAN は関係が深いのか、これ以後もよく組んで演奏しているみたいだけど、きっと先輩格みたいな感じなのかな。ただ・・・、ベースが演奏も終始控えめなところにきて、ちょっとドラムスが饒舌すぎるかなとも思えた点、バランス的にどうなんだろうとは思った。

 ・・・と、ともあれすごく良かったこのCD。この勢いを駆って、未消化だった『Homes』も再聴してみようと思ったのだが、それがCDの山の中で、ちょっと探したくらいでは容易に見つからない。

 そうか、それであの時、ブログに感想書くのも忘れてしまっていたのかと、さっき気づいてしまいました(笑)。

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