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Teemu Viinikainen (g) Ville Herrala (b) Mika Kallio (ds)
これは、DUの特価コーナーで見つけた盤。
Teemu Viinikainen って、例によって全く知らない人だけど名前は一見して北欧っぽいし(実際はフィンランド)、それでもしも耽美っぽい雰囲気だったら最近はあまり食指が動かないんだけど、今回はジャケ写をみるとけっこうアグレッシブな感じだし、それもすごくシンプルに(ドラムセットとかも)勝負しているような雰囲気が漂ってくるので、ゲットしてみた。
で、聴いてみると実際に1曲目からそんな感じ。疾走感のあるアグレッシブな演奏で、最後には「ヒャッホー」みたいな奇声も。しかし、その後聴いてみると、どうもそれが主調というわけではなく、曲想がかなり色々と変化。非常にヴァラエティーがあるのだが、むしろ後半は動きの少ない曲が多い印象。それも、分かりやすい抒情的な曲でもなく、まったりしたけだるい感じの曲想がかなり続いていったり。それが、何だかつかみどころがないようで、意外と耳に残るようでもあって、なかなかはっきりと分からない。
しかし実は、今回それが一番興味を引き、かつ個性を感じた点でもあったというか。
これまでフィンランドって、ぼくが聴いてきた限りでは(クラシックでは)シベリウスとか透明な合唱曲くらいで、要するに全然馴染みがないのだが、ジャズでもECMほかの北欧ジャズでまれに接してきたとはいえ、こういう「やや幻想的、かつけだるい」感じの雰囲気の曲はあまり接した記憶がない。
それが、もともと地元の伝統に根ざした曲の伝統があってこのCDによって初めてぼくにまで届いたということなのか(それだったらすごく面白いのだが)、それともこの Viinikainen 個人の個性なのかと、いろいろ想像しながら聴いてしまった。ともあれこの Viinikainen 、まだ知ったばかりだけど、作る曲の幅も広いし、ネットで検索するとすごく高い評価する向きもあるようで、面白い人みたいです。
それと今回、実は主役の Teemu Viinikainen のほかにもう一人気になった人がいて、それがドラムスのMika Kallio というおじさん。
いうのはこの人、明らかに「小さくて細かい音が好き」という、秘かにぼくが愛好しているタイプのドラマーで、このアルバムでは無論サイドメンだから、あまりそういう傾向は大っぴらに出してないけど、しかし細かいところで色々と片りんは見せていて、こういう人の音はそれだけ聴いていても面白い。それと、何よりドラムセットがゴテゴテしないないのもいい感じ。
・・・で、今回この記事を書くにあたって、例によってYoutubeでご紹介しようと音源探してみたんだけど、なかなかこのアルバムのちゃんとした音源がみつからない。「Teemu Viinikainen Trio」で出てきても、面子が変わっていたりするし。 取りあえず、下の動画が同じ面子のものだと思うけど、クレジットついていないので今一つよく分かりません。
Teemu Viinikainen Trio
で、このご時世、さっき言及した Mika Kallio の動画もみつかりました。Mika Kallio、やっぱり変な人だった。そして、(最初、ドラに目が行っちゃうけど、)やっぱりたくさんの小物がいっぱい。こういうの、すごくたまらないです!
Mika Kallio at Tulkinnanvaraista 11/2012
おおっ、それから短いけど、女性舞踏家とのコラボ演奏も発見。う~ん、でもこれって、ちょっと酔っ払いみたいだなと思ってしまいました。このまま放っとけば別に害はなさそうだけど、一旦絡まれちゃうと面倒臭そうだな、というか(失礼)。
Mika Kallio - Satu Rinnetmäki IMPULSION
で、今回のトリオではないけど、この得意の銅鑼(?)セットが Teemu Viinikainen との舞台でも使われているようです。やはり、本当にやりたいのはこういう感じの演奏なのか、CDの演奏は表向き(というべきか)の演奏だったということでしょうか。
Niklas Winter / Teemu Viinikainen / Mika Kallio - Blue Monk
それと今夜、最後に、上の「Blue Monk」を見た流れで、セロニアス・モンクの本家「Blue Monk」を見始めてしまったのですが、そのドラムセットのあまりのシンプルさに気づいて、思わず見惚れてしまいました。いやあ、ドラムスって、これが基本だったというか、こういうところから始まったんですかね。
それと、ソロのオーダーで、サックス→ピアノと徐々に消えていき、最後にベースも消えてドラムスのソロになるのもオシャレです(それで、特に表情も変えずに淡々と演奏するところもまたオシャレ)。
Blue Monk, Thelonius Monk