On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

「運命」・「英雄」のできるまで/レナード・バーンスタイン(ソニー YBCC-6)

2018年09月04日 | (旧HP記事)クラシック(古典)

 このLP、中古屋で見つけた時はふつうに単品で売られていたんだけど、実はもと「非売品」。たぶん、何かの企画の「付録」だったのではないでしょうか。

 で、その内容はというと、バーンスタインがピアノを弾きながら、あるいは自身が指揮するオケの演奏を交えてのレクチャー・レコード。
 ベートーヴェンが「運命」、「英雄」の作曲過程で残した(採用されなかった)楽想をいつくか取り上げて、2つの交響曲がどのように推敲されて最終的な形になったのかを、垣間見せてくれます。

 2曲あわせても25分くらいの、ホントに「さわり」だけという印象の短いLPなんだけど、しかしこれが面白い。ベートーヴェンの音楽って、時として本当に「これしかない」というくらいに完璧にキマっていて、例えば「運命」の最初の「ダダダダ~ン」を聴いて、「さて次の音は?」と考えると、やっぱりあの2度下がった「ダダダダ~ン」以上のものがあり得るとは到底思えない。そしてその次は、とまた考えると、やっぱり今以上のものは、・・・。

 というように、もしかすると「運命」は最初の4音が現れた瞬間に実は最後の部分まで決定されてしまっているんじゃないかさえ思えてしまうのですが(そんな風に思ったことないですか?)、このLPではベートーヴェン自身も実は何年もかけてそういう説得力のある構成を得ていたのだ、ということを実例とともに教えてくれます。

 そして、この盤が貴重だと思えるのは、こういう風に、クラシックについてのやや突っ込んだ解説を実際の「音」でもって示してくれるこのような試みが、ほかにいつまでたってもほとんどみかけないということ。

 これは、昔クラシックに目覚めた頃から不満に思っていたことなんだけど、音楽に興味が出てきて自分でいろいろとCDなどを聴くうちに、次第にCDの短い解説などだけでは飽き足らなくなってくるでしょう。

 ところが、それから一歩進んで何か参考になる本などを探そうと町の本屋などに行くと、そこにあるのはすでにある程度音楽の素養があり、楽譜など読めることは前提とした難しそうな本ばかり(それでさえ、置いてあれば上々なんだけど・・・)。それじゃあ、せっかく芽生えた好奇心もなえてしまうというものです。

 その点、このバーンスタインは偉大で、長年にわたって有名な「ヤング・ピープルズ・コンサート」などの試みをたくさんやっておりました(ただ、これもビデオ25本セットなんてものしか売ってなくて、簡単に買える青少年なんてほとんどいなかったと思う)。

 ウ~ン、昔からこのようなものがもう少しでも身近にいろいろとあってくれれば、クラシック界全体の環境も今とはずいぶん違ったものになったんじゃないかと思うんですけどね。せめて、有名な交響曲だけでもいいから、誰かバーンスタインの跡を継いで、もう少し本格的なものを作ってくれないでしょうかね。(2008/04/19)


(↓ 今では、それぞれこのようなCDに収録されているようです)。

 

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」/「英雄」の出来るまで
クリエーター情報なし
SMJ
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」/ 「運命」の出来るまで
クリエーター情報なし
SMJ
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ピアノ・ソナタ第14番嬰へ短調op.27-2「月光」/ブルーノ・レオナルド・ゲルバー

2018年08月30日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集2〜月光・田園・第13番
 
日本コロムビア

 

 ピアノ・ソナタ第14番嬰へ短調op.27-2。

 通称、「月光」ソナタ。

 しかし、この「月光」というネーミングは、ベートーヴェンの他の有名曲と同様、他人が勝手につけたもので、もともとベートーヴェン自身とは何の関係もない。・・・ということに、今年に入っていつ頃だったか、ゲルバー演奏のCDを聴きながら突然電気に打たれたように気づいてしまった。

 まあ、もともと知っていたことを「気づいてしまった」という言い方も変だけど(うまい言い方が思いつかない)、しかしこの「月光」というネーミングは非常に強力で、ぼくなんかは少年時代に最初にこの曲を聴いた時点ですでに「月光ソナタ」と刷り込まれてきたので(ある意味ネーミングの呪縛に囚われていたというか)、その呪縛が突然取り去られてしまうと、それじゃあ一体この第一楽章をどう捉えていけばいいのか、まるでそれまで見知った場所にいたはずが、ふと気づくとまったく見知らぬ土地に放り出されてしまったかのような、妙な感覚に取り付かれてしまった。

 しかし本当に、この遅いテンポの三連符の連続は一体何なのか。そして、こんなに遅いテンポでありながら、この張り詰めた緊張感は何なのか。

 たしかに、ベートーヴェンはもともとこの曲を『幻想曲風ソナタ』("Sonata quasi una Fantasia")と名付けはした。しかし、一旦気づいてみると、この曲は「幻想曲風」の一言では到底片付けられないほどものすごく破格というか、ほかに見回してみても、こんな始まり方をしているソナタなんて(序破急的な全体の構成も含めて)ひとつもないし、これまでずいぶんクラシックの音楽を聴いてきた中でも「あれ、この曲は月光ソナタに似ているな」と思った曲に出会ったことがない。

 この曲は、表向きの分かりやすさ、ポピュラーさにカムフラージュされてはいるが、本当はそれとは裏腹にむしろ「独創性」という点でも突出して抜きん出ている、異様さえ言えるというか、ある種「戦慄すべき」ほどの傑作なのではないかとさえ思ってしまった。

 実際、ぼくは全然知らないけど、この曲が発表された当時の反応ってどうだったのだろう。みんな、この聴いたことのない音楽を前にして、平静でいられたのだろうか。ベートーヴェンの同業者である他の作曲家たちや演奏家たちの中には、初めてこのソナタの譜面を見て、アゴが外れるくらい驚いたり、思わず椅子から立ち上がったりしたような人が誰もいなかったのか。そこのところ、本当にどうだったのだろう・・・。

 とまあ、最近、そんなこと(妄想)を考えながら、最近はこの曲を聴いているわけです(笑)。

  * ちなみに、ゲルバーのベートーヴェンは、何というか独特の明るさがあってぼくの密かなお気に入りで、特にこの盤はよく聴きます。(2009/11/04)

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ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番変イ長調Op.110 /ポリーニ

2018年08月30日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
ベートーヴェン:後期ピアノ・ソナタ集
 
ユニバーサル ミュージック クラシック

 「ベートーヴェンのソナタで一番よく聴くものは?」ときかれたら、ぼくの場合、この第31番。

 で、その基本盤がこのポリーニ盤なので、必然的にベートーヴェンでは今までで一番聴いたディスクになるのかもしれません。ただ、これに出会った当初はポリーニなんて全然好きなピアニストじゃなかったし、また特にベートーヴェンの場合、ぼくは今も昔も曲自体を理解したいという意識が強いので、これがたまたま気に入ったというだけ。なぜポリーニでこの盤だけが耳に入ってくるのか、ちょっと不思議にも思っていたものでした。

 それがある時、ネットでこの盤について書いている文章を見て驚いた。というのはこの盤、ところどころにポリーニの唸り声が入っているというのです。まあ、唸り声といってもすごく小さくてほとんど聴こえないくらいなんだけど(かすれ声といったほうがいいかも。正直、ぼくは気づかなかった)、それまでポリーニといえばイメージ的に「唸り声」などとは全く正反対の位置にある人と思っていたので、これはホントに意外でした。で、その時はじめてポリーニという人がぼくの意識に入ってきたというか、なんとなく近しくも感じられたのでした。

 ところでこのソナタ、よく「短い」と言われますが、実際のところどうなのでしょうね。ぼく個人としては、やっぱりもう少し長くてもよかったんじゃないかという思いが強いです。

 この曲、もちろん全体としてもかなり短いんだけど、とにかく第2楽章がすごく短い。そして次の第3楽章にしても、まず前半の静かな部分があってフーガが始まるのはそれから(つまり後半のみ)なので、そのフーガ部分を心待ちにしているぼくには、やはりフーガが出てからの展開がもうちょっとあってくれたら有難いと感じられてしまう。

 ・・・なので、このソナタを聴く時は、2度3度、あるいは後半だけもう一度聴くということも多いし、もしもぼくがベートーヴェンの生きていた時代の大金持ちで、ベートーヴェンに大金を出してもう少し長くしてくれと注文したら彼は何と言っただろう、なんてアホな妄想をしたこともありました。(2009/03/30) 

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集/ブレンデル

2018年08月30日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
Complete Piano Sonatas
 
Philips

 ベートーヴェンのピアノ・ソナタというと、たくさんあるのでたいていは聴く曲は決まっていると思うのですが、たまにはほかの曲も聴きたくなるし、やはりセットのひとつくらいは持っておきたいところ。

 で、ぼくの場合、LP時代はふつうにバックハウス盤(王道!)だったのですが、数年ほどバッハなどに凝ってベートーヴェンをほとんど聴かなくなり、それにLPのボックスものは、まずテーブルの上などを片付けてから大きな外箱を開けて、さて第何番のソナタはどのレコードに入っているかと探さなければならないのでかなりめんどくさく、実は一時ほとんど稼動しているものがないということがあったりしました。

 で、話はこのブレンデルに移るのですが、実はこの人、昔はあまり好きなピアニストじゃありませんでした。というより、食わず嫌いと言ったほうがいいでしょうか。あの牛乳瓶の底みないなメガネがいかにもマジメ一辺倒でユーモアのひとかけらも分からないような印象で、演奏も正統派ではあるのだろうが大して面白くもないのだろうと、ロクに聴きもせずに思っていたのです。

 それが、図書館でバラのものをちょこちょこ借りたりしているうちに、どれもイヤにならずにちゃんと聴けちゃうなあと気がつきまして(これ、すごく重要)、「まあ、これでいいか」といった感じで、いつのまにか基本盤になったというのが「馴れ初め」というところ。結局、このベートーヴェンが徐々にブレンデルのほかのディスクを聴くきっかけにもなったのでした。

 で、それだけならここにわざわざ書くこともなかったのですが、実はその後ふと思いついてやってしまったことがありまして、それこそが何を隠そう、「第1番からの全32曲聴き」の大事業!  これ、ベートーヴェンのソナタに興味を持った方なら一度は頭に浮かぶ計画ではないかとも思うのですが、でも実際にやったことのある人は、あまり多くないんじゃないでしょうか(全曲「弾き」と比べると、百万倍も簡単なことなんですけど)。

 正月休みだったか、たまたま休みを取っていた時だったかは忘れましたが、たしか3,4日で達成したと思います(・・・と言いつつ、正直言うと途中でダレてきそうになったので、違うジャンルの曲をはさんだりしたのですが)。

 こんなことも、今から思うと、ちょっとした思い出ですかね。(2007/07/27) 

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交響曲第9番ニ短調「合唱」(ワーグナー編)/小川典子(ピアノ)バッハ・コレギウム・ジャパン(指揮/鈴木雅明)(キングインターナショナル)

2018年08月25日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
ベートーヴェン (ワーグナー編曲) / 交響曲第9番 「合唱」
 
キング・インターナショナル

 青年ワーグナーの編曲による「第九」のピアノ独奏版です。ピアノ独奏は、ほかにもいろいろ個性的な試みをしている小川典子さん。

 まあ、管弦楽の曲をピアノ編曲でやること自体眉をひそめる方もいるでしょうが、ぼくはもともとピアノ界の人間で、なおかつ大きな編成の音楽がいまひとつ苦手ときているので、実はこんなもののほうが落ち着いて聴けたりするのです。

 で、演奏も非常に聴きやすいので、休日の昼下がりについ寝転びながら陶然と聴いていたのですが、それまでずっとピアノ・ソロだったところに、第四楽章の途中から「♪オ~、フロ~インデ~」と突然歌声が入ってきたので、驚いたのなんの! いっぺんに目が覚めてしまいました。

 そういえば、たしかにジャケットに「バッハ・コレギウム・ジャパン」と書いてあって、変だなあとボケーッと頭のすみで思っていたのですが、聴いているうちにすっかり忘れてしまっていたのでありました(しかし、ピアノ一台でオーケストラ全部を受け持っているところへ、合唱とソリストを合わせると30人くらいがいきなり入ってくるので、最初は耳が慣れるまでたいへんです)。

 しかしこのワーグナーの編曲、知名度ではまったくリスト編のものに劣りますが、どうもカツァリスがやっていた盤を聴いた印象としてはちょっと雰囲気的に重苦しかったような印象があり(といって、最近聴いていないのであまり憶えていない)、それに第四楽章は合唱があったほうが断然面白いしで、ぼくとしては当面こっちがあれば十分かなあ、と思っています。(2007?) 

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モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第23番/ブリュショルリ

2018年08月25日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 第20番、第23番
 
日本コロムビア

 これは、今年(2008年)の初め頃にめぐり合った、史上最強クラスの名盤。

 この半年くらいの間にもう何回聴いたかわからないけど、そのたびに聴き惚れてしまう。実はこの第20番は、モーツァルトの協奏曲の中でも代表的名曲でありながら、これまでどのピアニストの録音で聴いてもダメな曲だった。それがこの盤では、出だしのオケの序奏からゾクッとして、肝心のピアノが出てくる前からすでに「名盤の予感」というべきものがビシビシ伝わってきた。(不思議だけど、こういうことって、ふだん沢山録音聴いているとたまにないですかね)。

 そして、主役のブリュショルリ。彼女は今回の録音で初めて聴いただけで、まだ全然ほかの演奏も聴いてないのでアレなんだけど、この人って女性らしい繊細で感受性豊かなベースは基にありながらも、そこに力強いスケール感と何かさばけた「毅然」としたところがあって(ある意味男性っぽさというか)、そういう絶妙なハイブリッド感がある人じゃないかという気がした(ヘンなこと言ってスミマセン)。

 しかし、そんな人がなんと交通事故で手を傷めて引退せざるをえない人生を送ったとは、本当に悲劇以外の何物でもない。一体、どのくらいの録音が失われてしまったんだろう。(2008/07/25)

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ミサ曲ハ短調「グレイト」 /ガーディナー

2018年08月25日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
モーツァルト : ミサ曲ハ短調「グレイト」
 
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント

 これは「モーツァルト」というより、かつてパレストリーナやジョスカンなどの宗教曲をさかんに聴いていた時に、「ミサ」という文脈で出会った曲。

 「レクイエム」と同様、これも未完成の曲ということで、どのように演奏するかという点からして少しややこしい曲ではあるのですが、しかしまあ、ぼくはいつものように理屈抜きで、ただただモーツァルトの音楽の美しさに浸っております(特にソリストたちのソロや重唱の部分が好み)。

 これを聴き始めた当時、まだ全体的にモーツァルトの曲になじめなかった中で、この曲だけはなぜか素直に耳に入ってきてくれました。

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モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番~第18番/ピーター・ゼルキン&アレクサンダー・シュナイダー

2018年08月25日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番&第15番&第16番&第17番&第18番
 
BMG JAPAN

 モーツァルト、今年(2007年・・・というか、もう「去年」か!)秋冬のお気に入りは、この中期ピアノ協奏曲集。

 これは、ふだんあまり聴かない10番台の協奏曲がまとめて入っているので便利だと手に取ってみたんだけど、思いかけずハマってしまいました。で、最初の頃は1枚目の第14番ばかり聴いてたんだけど、ここのところは第17番。もうね、この曲ホントに美しくて、聴いていて本当に幸せです。

 ただ、今回も、この曲は過去にもうずいぶん色んなピアニストで聴いてきたはずなのに、なぜこのピーター・ゼルキンで開眼したのかということは自分でも分からない。実を言うと、モーツァルトの場合はなぜかこういうことが多くて、例えばピアノ・ソナタなんかでも、それぞれの曲で好きな盤(ピアニスト)は、ホントに脈絡がなくバラバラ。

 このピーター・ゼルキンにしても、これまで食わず嫌いでほとんど聴いたことがなくて、今回ちょっと反省して、これから少しずつ聴いていこうと思っているんだけど、それで結局好きなピアニストになるのかどうかは、全然見当がつきません(笑)。(2008/02/01)

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ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491/内田光子&ジェフリー・テイト

2018年08月25日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&24番
 
ユニバーサル ミュージック クラシック

 モーツァルトは、実は以前、ずっと苦手だった作曲家。

 たとえば高校の時に、音楽の先生にそう言うと「君はモーツァルトはダメか?」と、明らかに「まだ若いからしかたないな」といったニュアンスで言われたりして、「ちぇっ!」と思ったことを憶えています。ただ、それで当時それで引け目を感じたわけでもなく(なにしろあまり興味もなかったので)、まあ分かるんならそのうち分かるだろう、くらいに構えておりました。

 で、結論から先にいうと、30歳くらいから少しずつ、マシになってきたような気がします。まあ、ホントに少しずつですが。で、このCDはその際に入り口となった盤のひとつで、特に後半の「第24番」は、当時よく聴きました。まあ、今回はそれだけの話なんですけど(笑)。

 この曲、今ではどこをとってもすばらしいと思いますが、中でも第2楽章は、ぼくがこれまで聴いた緩徐楽章のなかでも、もっとも心を打たれたもののひとつ。そして、そんな「宝石」のような美しさに、以前気づけなかった若い自分を、いままさに理解できないと思っている自分がいるというのが、何というかね・・・。(2007/05/13)

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ハイドン:6つのフルート三重奏曲 作品38/クイケン兄弟

2018年08月25日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
Flute Trios Op.38: B.kuijken(Fl) S.kuijken(Vn) W.kuijken(Vc)
 
Accent

 クイケン兄弟によるハイドンのトリオ集です。

 以前、海外盤では「ディヴェルティメント(Divertimentos)」と表記されているサイトを見た気がするけど、CDのジャケット通り「トリオ(フルート三重奏曲)」としたほうが当然内容が掴みやすいと思う。で、この盤は本当に美しい。

 正直、刺激に満ちた現代からみればかなり「大人しい」音楽に属すると思うし、人間は飽きやすい動物だという点からしても、こういう音楽をずっと聴き続けるのはやはりツライ・・・のはその通りだとしても、しかしこの音楽に何か余計なものを足す必要などはまったくなく、また後世のどの音楽の美しさにも劣っているわけでもないんじゃないか、というのがこの盤を聴くたびに思うところ。

 これを初めて知ったのはずっと昔で、まだハイドンにも全然目覚めていない頃だったんだけど、当時これだけはなぜか異常に気に入って、当時ダビングしたカセットをつい最近まで大事に持っていました。(2008/06/07)

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ハイドン:ピアノ・ソナタ集/アンスネス

2018年08月22日 | (旧HP記事)クラシック(古典)
ハイドン:ピアノ・ソナタ集
 
EMIミュージック・ジャパン

 これ、今調べてみると1999年の発売で、ぼくが初めて聴いたのはおそらくその2,3年後くらいだったと思うんですが、その時はホントにマイってしまいました。

 当時、ぼくの中ではハイドンのピアノ・ソナタなんてものはもうとっくに「チェック済み」で、ロクに知りもしないのに分かったような気になっていたのですが(ぼくの「音楽聴き」歴は、過去の自分のマヌケ、というか迂闊さに少しずつ気づいて反省することの繰り返しとも言えるのかもしれませんが)、この盤の冒頭のソナタを聴いて、こんなに面白い曲をそれまで見逃していたのもショックだったし、その後の知っている曲にしても、同じ曲がこんなに新鮮に感じられてしまうことが、ホントに驚きでした。

 それにしてもこの盤の印象は鮮烈で、それまでぼくが抱いていたハイドンというのは、言ってみればまだどれも多かれ少なかれLP時代からの巨匠たちが演奏した昔ながらの世界に属していたという印象だったのですが、このアンスネス盤はもう明らかに「場の空気」からして違うというか、何だかこれまでの伝統の束縛をほとんど受けていない、どこかの別世界に楽譜だけ持っていって、そこで最初から解釈し直したんじゃないかと思ってしまったくらいでした(ちょっと大げさかもしれませんが)。

 アンスネス、まだほかにハイドンのCD出してくれていないのかなあ(2008/03/13)

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