Climbing Stairs | |
CD Baby |
Josh Rawlings (p) Nate Omdal (b) Adam Kessler (ds)
これはここ最近、繰り返し聴いた盤。なかなか良いです。
きっかけは、これも当ブログでは言わずもがなのジャケ買いで(主観的には90%以上ジャケ買いじゃないかと思っている)、もうこういうジャケ、ホントに大好き。ぼくに沢山CD買わせたいならこういうジャケどんどん作ったほうがいいです(笑)。
で、内容としては、これはJosh Rawlings というピアニストがリーダーのピアノ・トリオ盤。雰囲気としては、ざっくり言うと非常に聴きやすく、かといって甘すぎない感じの演奏で、何となく地方色を感じるなあと思ったら、何とシアトル出身のピアニストだったので、ちょっとビックリ。
実は最近、シアトル辺りのジャズを聴くことが何度かあって、先日もそんな盤の雰囲気が好きだみたいなことを書いたばかりだったのだった。
ただまあ、このJosh Rawlings に関しては、単に地方っぽいと感じただけで、シアトルというのは偶然なのだが(そんなところまで感じ取れる耳は持ってない)、しかし大都会と地方都市という見方で見た場合、アメリカって、しばしばそういう意識的なものから解放されていて、ごく自然に地方で若い人たちが伸びやかに(普通といえば普通の)ジャズをやっているように見えることがあって、もともと日本と違って地方都市それぞれの文化の厚みや雰囲気もあったりするのかもしれないが、そういうところが素晴らしいというかちょっと面白いなあ、なんて思い始めているところ。
もしもこれが、自分が地方のジャズ・ミュージシャンだったらと考えると(全くの妄想ですが)、もう時代の先端を行く大都会の動きが気になって気になって仕方なく、焦りのあまり自分の足元も見えなくなったりするような気がする(単に自己が弱いだけかもしれないが)。
・・・で(変な妄想はさっさと終わって)、楽曲ははっきりと書いていないが、自身のライナー・ノートからみると恐らく全曲自作。基調は非常に繊細でメロディアスな感じだと思うのだが(ラスト曲を穏やかで美しいタイプのソロ曲で締めている点でもある程度分かる)、最初は必ずしもそうは見えなくて、アップテンポ、ミディアムテンポ、ややムーディな曲等をあえて前半に配置して、後半に徐々に本来のコアの自分を出すというか、構成的にも非常に考えられている様子。
というかむしろ、曲的にはこれぞ美メロみたいな記憶に強く残る曲はないのだが、逆にそういう曲って、その曲が終わると聴き手の意識も一旦切れるという面があり、むしろここでは曲それぞれの完結性が多少弱く、それがかえって次の雰囲気の違う曲が始まってもうまく意識が移行できて、イヤにならずに最後まで聴きとおせる効果につながったりしているのかも。
というわけで、これは比較的リラックスして、全体を聴きとおすのに適しているタイプの盤なのかもしれない、なんて思った盤でした。