On a bench ブログ

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 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

聴いたCD Nedly Elstak Trio + Voice : The Machine

2019年07月22日 | ジャズ(フリー系)
The Machine
Nedly Elstak Trio + Voice
Esp-disk

 Nedly Elstak (tp,p)  Maarten Van Regteren Altena(b)  Martin Van Duynhoven (ds)  Sofie Van Lier(vo, Maracas)

 ぬ~っ、またこの変な顔に出会ってしまった。

 ・・・と、見つけるたびに思ってしまうこのアルバム。でも、そういうわりになぜか毎回聴いてしまうのだが、ジャケット同様、やっぱり音楽もかなり変。そして、変だなあと思いつつ、それからまた2,3年忘れてしまうということを何度か繰り返し、そしてまた目が合ってしまったのがまさに昨日(笑)。

 でも演奏としては、実は一面ものすごくカッコいいというか、惹かれるところはあるのですよ。そもそもレーベルがあのアイラーで有名なESPで、まさに60年代フリー・ジャズど真ん中という雰囲気。冒頭、いきなりドラムスの迫力あるソロ(民族的なパーカッションも混ぜていると思う)から始まって、そこにベースとリーダーの Nedly Elstak のトランペットが絡み、臨場感と迫力ある録音も手伝って、そこだけに限ればかなり痺れてしまう演奏だと思う(むしろ、ドラムスとベースのトラック(と、トランペットの時のリーダー)だけ取り出して聴くと、めちゃくちゃカッコいい盤じゃないかと思ったりする)。

 ところが、・・・2曲目以降もそのまま進めてくれればいいのに、リーダーの楽器がなぜかピアノに変わってしまい、しかもクラシックっぽい発声の女性ヴォーカルが変な歌を歌い出して、あっという間に雰囲気が一変。その歌の歌詞も、「the machine is more perfect than you」とか「my morality is controlable」とかの、スピリチュアルっぽい世界に。まあ何となく時代性みたいなものは分かるんだけど。

 で、ヴォーカル入り以外のところは、またトランペットが戻ったりしてカッコいいところもあるのだが、やっぱりまたすぐにヴォーカルが復活してしまうので、どうしても最後まで乗り切れない。

 そしてまたこの「The Machine」というグループ、かつて全く意表を突かれたのが、ESPというイメージと演奏の雰囲気からして個人的にすごく黒めの音楽と思い込んでいたのだが、実はこれ、ヨーロッパのフリー・ジャズで、基本的にメンバーはオランダ系の人たち。「え~っ、何だよそれ?」って感じで自分の耳の不確かさにちょっと不貞腐れたりして、でもそうはいいつつ、すでにこのアルバムには反感と同時に好感もが相半ばしてしまっていて、今となっては何だか容易に忘れらない盤となってしまった(気がします)。

 (実際、今秘かに恐れているんだけど、もしも中古屋でこれのLP盤に出会ってしまったら、自分はどうなってしまうのかと考えると、ちょっと不安。たぶん、これの中古価格はそれなりに高値だと思うから大丈夫だと思うけど、でももし手が届く値段だったら・・・、もしかしたら自分はそこでしばらく考え込んでしまうかもしれない。それにこのジャケット、部屋に飾っておけばちょっとした”魔除け”っぽい効果もありそうだし)

 ・・・ということで、今回はすごく気に入ったアルバムとは言えないという点はちょっとアレなんだけど、でも手持ちの変なアルバムを紹介してみたいという欲求って、きっと誰にもあるだろうし、ずっと自分の心の底のほうでモヤモヤしていたこのジャケットをこうしてここに吐き出すことが出来て、今はちょっとスッキリしております。

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